第2射

 「さて、自己紹介が遅れたな。私の名前は青木青威だ。弓道部の部長をしている」

 「わたしは弓月美里ゆづきみさとです。青威と同じ二年生だよ。よろしく~」

 「おっす。オレは矢吹頼やぶきらいだ。オレも二年。よろ~」


 青木先輩に続けて、駆け寄ってきた二人が自己紹介をしてくれた。弓月先輩は純黒のショートヘアーに黒縁眼鏡をかけている。けれど堅い雰囲気は感じさせず、むしろ穏やかな感じ。矢吹先輩もなんだかゆるい感じの人だ。茶髪はところどころウェーブしているし、言動もなんだか・・・・なんだか・・・


 「俺、袴田優助です。矢吹先輩ってチャラいですね」

 「そうだな。チャラいから私と美里はライと呼んでいる」

 「マジっすか!?」

 「マジだ」

 「まじだよ~」


 青木先輩と弓月先輩が、チャラいからライと呼んでいることを知って矢吹先輩は雷に打たれたような衝撃を受けたようだった。多分、冗談だと思うよライ先輩。


 優助がすべて言ってくれた。正直、僕もチャラいなと思った。こう言ってしまうのはあれなんだけど、チャラい人でも弓道はできるんだな、なんて思ってしまった。失礼だ・・・


 「ど、どうも。鵜飼千明です。ところでなんですけど、僕たちまだ入るなんて言ってないんですが・・・?」


 僕が青木先輩に向けて言うと、先輩は張り付けたような笑みをその整った顔に浮かべた。


 「ほーう。ここまでついてきておいてこの私から逃げられると思っているのかな?」

 「こ、怖いんでやめてくださいよ・・・」

 「ま、心配しなくても大丈夫ですよ部長。俺と優助は最初から弓道部入るって決めてたんで」


 青木先輩の言葉に僕はたじろぎ、優助は臆せず言った。親友の言ったことは事実だ。


 「ほう。わけを訊いてもいいかな?」

 「僕のおじいちゃんが弓道をやってたんです。優助とは小学校からの縁で、何回かおじいちゃんのしゃを見に弓道場に行ってたんです。それで、僕も優助もおじいちゃんが弓引いてるのを見てやってみたいなって思っちゃったわけなんですよね。かっこいいなぁって・・・」


 言い終えてからちらと隣を見ると、優助はうんうんと頷いていた。


 「へぇ~そうなんだ!」

 「マジか・・・」


 弓月先輩とライ先輩は普通に驚いたような反応を見せてくれた。


 「・・・ふむ。そうなのか」


 青木先輩は何か考え込むように顎に手を当てていた。どうしたんだろう。


 「あ、あの・・・先輩?」

 「君のおじいさんは・・・何という名前なのか訊いてもいいかな」

 「え・・・あ、ああ・・・」


 少し驚いてしまった。別に至って普通の質問なのに。

 弓月先輩とライ先輩も興味があるようで僕の方を見ていた。


 あ、あんまり僕を見ないでください!!


 「鵜飼、宗茂むねしげと言いますが・・・」

 「やっぱりか!!」


 僕が言い終えた途端に青木先輩は詰め寄ってきて僕の両肩にばしんと手を置いた。な、何ですかいきなり・・・


 「君のおじいさんはとてもすごい人だよ。一度会ったことがあるのだが、流れるような無駄のない動作で弓を引く。放った瞬間から『あ、当たるな』と思わせてくるくらいだ」

 「そうなんですね・・・・」

 「何だ、その反応は。君は宗茂先生の射を見てどう思ったんだい?」

 「い、いや・・・・」


 青木先輩があまりにも熱を込めて話すものだから、気圧されてしまった。


 「その時は小学生だったし知識も何もなかったので。ただ、すごいな・・・としか」

 「・・・・まぁ、そうか。そうだな。それなら仕方ない。すまない、つい熱が入ってしまった」


 言い終えてから先輩が僕の両肩から手を離した。


 「い、いえ、大丈夫です。そんなに言ってもらえておじいちゃんも喜んでいると思います」


 先輩は僕の言葉に優しく微笑みながら頷いた。


 「ねぇねぇ知ってる、鵜飼くん?」

 「何でしょうか・・・」


 弓月先輩がニヤニヤしながら突然質問してきた。


 「青威はね、小学生のときに、」

 「お、おい美里!やめろ!」


 何かを話そうとした弓月先輩の口を部長が慌ててふさいだ。なんか取り乱している。どうしたんだろうか。


 「すまない、鵜飼。何でもないから忘れてくれ」

 「は、はい・・・・」


 弓月先輩は背の高い青木先輩にがっちり取り押さえられてしばらくもごもごと抗っていたが、やがて諦めたようにガクッと力を抜いたようだった。強い。流石部長。


 「なぁ、千明」

 「どうかした?」


 隣から名前を呼ばれたのでそちらに顔を向けた。


 「お前が昔言ってた子ってなんて言うんだっけ?」

 「ん・・・?どうして今そんなこと」

 「まぁ、ちょっとな。とりあえず言ってくれよ」

 

 そう言った親友の顔には薄く笑みが浮かんでいた。優助、たまに何考えてるか分からないんだよな・・・


 「あーくん、って呼んでたのは覚えてる。正確な名前までは思い出せないけど。なにせ、会ったのが2回くらいだからなぁ」


 僕が話し終えると優助は何かを悟ったような顔をした。

 

 「はは・・・サンキュー」

 「なんで笑ったんだよ」

 「笑ってねぇって」

 「嘘だよね。何企んでるんだよ」


 やっぱり怪しいので問い詰めてみた。すると彼は少し真剣な顔つきになった。


 「んー・・・ができたら話してやるよ。まだ、確証がないから正確なことが言えねぇんだ。けど、ちゃんと話すから」


 優助のことだ。ぼかしたのは僕のためでもあるのだろう。なら、仕方ない。


 「・・・分かった。けど、絶対話してよ」

 「おう」


 話は終わったので先輩たちの方に顔を向けた。


 「ところでさ~、鵜飼って、」 


 あ・・・


 ライ先輩がそう言った瞬間に次に続く言葉を悟った。なにせ、もう何回も言われてきたから。

 気づけば自分の口が勝手に動いていた。


 「あ、あー、僕女の子っぽいですよね。よく言われます。実際顔立ちとか性格とかいろいろそうなんですけど。なんか、僕って不思議な人間ですよね・・・」


 話し終わってから気づいた。優助も含めてこの場にいる全員が複雑な表情をしながら黙っていることに。


 ヤバい、変なやつだと思われる。


 どうしよう。どうしよう。


 「千明。顔、上げろよ」


 いつの間にか下を向いていたようだった。親友の優しげな声に応えてゆっくりと顔を上げてみた。


 「ッ・・・・・」


 僕の目に映っていたのは、子を見守る母のような穏やかな表情の先輩たちだった。


 「心配いらねぇって。先輩たちはお前のことを不思議なやつだなんて思ってねぇよ。ですよね、先輩たち?」


 優助の呼び掛けに先輩たちが応えた。


 「ああ。もちろんだ」

 「うん!」

 「あったりまえだろ~、そんなこと」


 彼らの言葉を聞いて、胸の奥からこみ上げてくるものがあった。けれども、それをぐっと堪えて僕は言葉を紡いだ。


 「ありがとう・・・ございます」


 僕の言葉に優助と先輩たちは微笑みで返した。


 「ところでなんですけど、ライ先輩。さっき、何て言おうとしてたんですか?」


 あ、確かに。それは僕も気になる。


 ライ先輩の方を向いた。優助の問いかけにライ先輩は応えてくれた。


 「ん、あ~、鵜飼の髪、すっげぇ綺麗だな~って」

 「だってさ、千明」


 親友が僕の右肩をポンと叩いてニッと笑った。

 

 え、ど、どうしよう。なんか、恥ずかしい。今まではこの黄色っぽい茶髪がいじられる要素でしかなかったのに。き、きれい・・・?


 「ああ、私も綺麗だなと思ったよ。その色、地毛だよな。すごく似合ってると思うぞ」

 「うんうん!わたしもすっごくきれいだと思うよ!」

 「あ、え・・・・・」


 青木先輩と弓月先輩の言葉に対して、僕の口からは変な言葉しか出てこなかった。


 今、顔すごいことになってるだろうな。


 とても見せられないからそっぽを向いた。


 そして。


 「な、何から何まで、あ、ありがとうございます!!」


 半ばやけくそに感謝の言葉を述べたのだった。そのあとめちゃくちゃいじられた。


 ****


 「君たち二人は美里とライの射をよく観察してるといいよ。美里、ライ。頼むよ。私はまた勧誘に行ってくる。じゃ!!」


 それだけ言い残して、青木先輩は弓道場を出ていった。


 「あの、ひとつ聞いてもいいですか?」


 僕の問いかけに、弓月先輩は「うん、なに?」と応えた。


 「部長である青木先輩がじきじきに新入部員の勧誘にいそしんでいるのに、お二人は勧誘してないですよね。何か、理由があるんですか?」


 僕が話終えると、弓月先輩とライ先輩はチラッと目を合わせてから再び僕の方を向いた。


 「まぁ、それについては青威が自分一人でやるって聞かないんだよね。わたしもライくんもやるって言ったのに。『上にたつものが率先して動いてこそ熱意は伝わるものだ』だってさ。立派だなぁって思うよ」


 弓月先輩の話を聞いて思わず笑みがこぼれた。


 「・・・そうだったんですか。確かに、熱意はすごく伝わってきました」

 「ところでなんですけど、」


 右隣にいた優助が口を開いた。


 「部員って他にどれくらいいるんですか?」


 ああ、そういえば。他にどれくらいいるんだろう。


 「あ~、それね。2年はオレと青木と弓月ともう一人だけ。3年生が男女3人ずつの6人だな~」

 「何だか少ないですね」


 優助も僕も驚いた。


 「た、確かに他の高校には全学年合わせて30人近くいるところもあるって聞いたことがあります。何か、わけがあるんですか?」

 「・・・ふたりはうちの弓道部について何も知らない感じ?」


 弓月先輩の問いかけに僕たちは首を横に振った。


 「・・・そっか。うーん、実はね、わたしたちもあまり知らないんだけど、一昨年卒業してった先輩たちがなにやら他校ともめたらしいの。それで今の3年の先輩たちは3か月間大会に出られなかったんだって。多分、その話が外に流れたことが原因であまり入ってこなくなっちゃったんだと思う」

 「・・・今気づいたんですけど、今年にまた男女3人ずつ入ってこなければ団体の大会には出られませんよね。青木先輩が勧誘に力入れてる理由って」


 優助の言葉に、ふたりの先輩は頷いた。


 「そういうことだね。3年生は5月の大会で残れなければすぐに引退しちゃうから」


 ちなみに言っておくと、弓道の大会における団体は基本5人で行われる。団体での的中数を競い、同じ学校があればそこ同士で決着をつける。


 「そんなことがあったんですね。全然、知りませんでした。僕、弓道できれば高校はどこでもいいかなって感じだったんでどうせなら近くにしよう、みたいな感じで決めたんですよね・・・」

 「ん~、まぁ、そんなもんでしょ。オレもなんかカッコつけられそうだなと思ったから弓道始めたんだし」

 「うんうん!わたしも道着着てみたいなぁって思ったからなんだよ」

 「あー、俺聞いたことあります。結構そういう理由で始める人が多いって」


 全員でクスクスと笑った。


 「さて、じゃあわたしとライくんが今から引くからちょっと待っててね!」


 弓月先輩とライ先輩が矢やら弓やらを準備して射場しゃじょうの入口に立った。


 「あ~、ふたりって射法八節しゃほうはっせつって知ってる感じ~?」

 「あ、あー、なんとなく」

 「俺も・・・」


 僕も優助も見てだけなのでそこまで詳しくは知らない。おじいちゃんもあんまり教えてくれなかった気がする。


 「じゃあ、わたしたちが一個ずつ説明したげるから見てて」


 弓月先輩がそれだけ言って、真剣な顔つきになった。ふたりは小さなグローブのようなものをはめて矢を4本持った右手と弓を持った左手を腰に当てて構えた。


 「この構え、乱れてると昇段審査とか大会で怒られるかもしれないからしっかりやるようにね」


 へ、へぇ。そうなんだ。まぁ、確かに「~道」とつくものは型にうるさいイメージはあるかも。


 僕たちから見て奥にいる弓月先輩が「入ります」と言ってからふたりは的の方を見据えたまま右足を擦らせるように一歩踏み出してから左足を寄せて揃え、構えたまま軽く一礼をした。それから左、右とゆっくり踏み出し、次の左足を正面に対して垂直に出して体を的に向かって右に向け、右足を左足に一度寄せてから広げた。幅は肩幅くらいだろうか。


 「あ~これが足踏みな~。足と足の中間が射位のところにあるようにしろよ~。ほら、向こうに射位って書かれた札が置いてあるだろ~」


 ライ先輩の話を聞いて優助と一緒に弓月先輩の方に歩いて向かってみると、確かに置いてあった。


 「足踏みは重心をしっかりするためにも大切だよ。足の角度は60度くらいかな!」


 確かにそんなくらいの角度で足を開いていた。


 ふたりは4本のうち2本を床に置き、つるが下にくるように弓を返してから立て、床から少し浮かせて体の正面に据えた。それから小指と薬指で矢じりを掴んでいる右手を弓の奥に回してから左手に近づけた。続けて矢の羽の方をちらと見てから2本の矢のうち1本だけを弓を握っている左手の人差し指と中指の間に挟み、右手は掴んでいる矢に沿うように動かし、矢を弓につがえるところをゆっくり押してつるにはめた。

 

 「知ってるかもだけど~、矢はつがえるって言うんだぜ~。今のが矢つがえの動作な。ここは出来るだけ素早くできるようになれよ~」

 「それでね、矢をつがえたら弓は左膝の骨の上あたりにある出っ張ったところに置いて左腕は少しだけ肘を曲げて伸ばす。余ったもう一本は弓を握っている左手の小指と薬指の間に一度挟み込むの」

 「そんで~、右手を一度矢を引くときの形にしてから腰に当てる。見てみ」


 ライ先輩に言われて僕と優助は近づいて覗いてみた。なんと言えば言いのだろう。小指と薬指は内側に曲げ、その上に親指が乗せてある。さらにその親指の上には人差し指と中指が乗せてある、って感じ。


 「それでね、それからまた右手の小指と薬指で挟んでる矢を引き抜いて、また形を作ってから右腰に当てるの。これが胴造りね。この時矢を持ってる右手の小指と薬指はしっかりと握っておく。体は反らせず上に伸びる感じで真っ直ぐに保っておくの」

 「知ってるか~?しっかりと胴造りすると後ろから押しても倒れないんだぜ~」


 ライ先輩が僕たちの方を見てニヤッと笑った。これは押してみろってことですね!!


 優助も悟ったらしく、すかさずライ先輩の背中に回った。僕も続いた。


 「じゃあ俺、押してみますね!」


 優助はグッと右手で押したが確かに倒れなかった。


 「ぼ、僕も押しますね」


 恐る恐るグッと力を込めて押してみたが確かに倒れなかった。壁を押してるのかと錯覚したくらいだった。


 「どうだ。すげぇだろ~」


 ライ先輩がドヤ顔をしてきた。なんとなくいらっときたので止めたほうがいいと思いますよ先輩。


 「それでね、つる調べ調べ、弦の状態を確認してから取り懸けをするの。取り懸けは矢のはず 、弦にはめるところを包み込むように右手につけてるかけの親指の付け根のところにある溝に弦をはめて弦に対して垂直になるように曲げる。さらにその上に人差し指と中指を添える。最後に軽く手首を捻って矢が落ちず弦がはずれないようにしたら完成」


 へぇ~、あのグローブのようなもの、弽って言うんだ。知らなかったなぁ。



 「そしたら左手の矢を押さえてる人差し指を矢の下に持ってきて手の内を整える。弓を持つ方の手にも形があるんだよ。まぁ、細かいことは外部の指導の先生にしっかり教えてもらえるけどね!」

 「天文筋、左手を広げたときにできる筋のうち一番上のやつを弓の角にしっかり当てて中指、小指、薬指を曲げて指先を揃える。親指は中指の先が付け根に来るくらいまでしっかり握り込むんだぞ~。っても、力はいれすぎんなよ。人差し指は曲げても伸ばしてもどっちでもいいぞ~」


 やっぱり、いろいろ作法があるんだなぁ。


 「ここまでできたら、的の方をしっかりと見る。物見を定めるって言うんだけど、これをしっかりしないと耳とか弦で弾くことになっちゃったりするから大変だよ!」

 「あとな~、眼鏡をかけてるやつはこれをしっかりしてねぇと眼鏡が弦に当たってぶっ飛ぶぞ~」

 「マジですか・・・」

 「そ、そうなんですね・・・」


 先輩たちの言葉に僕と優助は驚き恐れた。ひゃー、弦で耳を弾く。痛そう・・・

 

 「それで、ゆっくりと両腕を斜め45度くらいに掲げるの。これを打起こしって言うんだよ。両拳は同じ高さにくるようにね!」

 「そんで~、左手をゆっくりと的の方に動かすんだけど、それと同時に肘を張って右手を額の少し上辺りまで近づけてくるんだ~。ここでも両拳は同じ高さにくるようにな~」

 「これが引き分けだよ」


 その後、ふたりは左手で弓を押しながら右手で弦を肩くらいまで引き、矢が口許にくるまで両腕を下げていった。というか、矢を頬に当てている。


 「そ、それでね、この状態で5秒くらい保つの。これをかいっていうんだよ」

 「張りが強くて重い弓はこれがめちゃくちゃキツいんだよ。最初の方は筋トレばっかだけど頑張れよ~」


 よく見ると先輩たちの腕は微かに震えていた。言っている通り、キツいようだ。

 ちなみに今の僕たちは邪魔にならないように少し距離をとっている。


 束の間、弓道場に静寂が満ちた。さわさわと吹く風の音がよく耳に届いた。先輩たちの集中が感じられる。


 そして。


 バシュッ


 と弦が弾ける音がした。少し遅れて遠くでパンと音がした。矢が的に的中したようだ。


 すごいなぁ、流石先輩たちだ。カッコいい。


 隣の優助も目を輝かせていた。


 「この、矢を放つ動作が離れって言うの。力づくで放つんじゃなくて、伸びて伸びて伸びてもう限界、ってところで自然と手が動くってイメージかな。こればっかりは実際にやってみないと分からないかもね!」

 「離れのときも両腕が同じ高さにくるようにな~」

 「最後、離れたときの状態のまま数秒キープ。残身ざんしんっていうの。ここまでがが射法八節。まぁ、この後に弓倒しっていう弓を倒す動作もあるけどね」

 「まぁ~、仮入部明後日からからだっけ?みっちり教えてくから心配しなくても大丈夫だぞ~」

 「ふふっ。覚悟しててね!」


 あ、あの。弓月先輩。その満面の笑み、怖いんですけど。


 それからしばらく先輩ふたりの射を観察させてもらってからその日は帰った。途中、青木先輩が何人か1年生を連れてきていた。彼らも弓道部に入るのだろうか。


 まぁ、何はともあれ楽しみだなぁ。



 


 




 


 


 


 

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