SNAKE APPLE

 神が生んだ生物で実は蛇は最も狡猾な生き物でした。そんな蛇は女を誘惑します。


「おま、えぇ? マジでアイツ食うなって言ったの?」


「はい。食べることは愚か、触ることも許してくれませんでした。なんか死んじゃうらしいです」


「たぁーっ! そいつは人生無駄にしてるわ! 良いんだよ食っても。これ食うとな。頭がスカッとしてすげぇ物事に集中できるようになるから。な? 一口齧りゃ良いんだよ。ほら」


「わ、分かりました……( ゚д゚)ハッ!……こ、これは! なんと言うことでしょう。私たちはいつのまに真っ裸で生活していたんですね!」


 女は男にも果実を渡すと、男も覚醒する。


「そこからかよ……」


「キャー! 神様の変態!」


 女は自分のことが裸であることを知ると、神の目を避けるように草むらに隠れた。


──────────────────


 急に人が私の前から見つからなくなった。かくれんぼのつもりか? てかどこでそんな知識知ったし。


「えーとそこにいるのは分かってるんだけど……、もしかしてアレ食った?」


「え、あー、そのですね。女に食えと言われたのでつい……」


 うっわーこれは喝入れてあげないと。


「おい女ァ! なにしとくれてんねんゴラァ!」


「ひいぃ! 私は蛇の言う通りにしたんだけなんですぅ」


 へびぃ? アイツかよ。先に言っとけば良かったなー。


「スネエエエエク! このゴミカス野郎が! 一生塵でも食ってろ!」


「えええええぇ! そりゃねぇですわ神様。あんたが悪いんでしょ? 正直にやべえブツだって恐れさせとけばぁ!」


「五月蝿え! テメェが口答えする権利はねぇんだよ!」


「マジかよおおぉ! 畜生おおおぉ!」


 はあーマジで腹立つわ。どうしてこんなことなっちまったんだろうなぁ。


「あぁ、神様、私たちは許してくれるんですね?」


「えぇ? 誰がそんなこと言ったぁ? ちょっと善悪知ったところで調子乗ってんじゃねぇぞ女ァ。

 テメェは、女だからな。出産の時はくそ痛くてしてやる。それでも夫を慕って、そいつはテメェを治める。良い運命だろぉ?」


「まさか俺も……? 神様! 俺は女に言われただけなんです。まさかやばい果実だとは知らなくて! お願いです。許してくれとは言いません、罰を少しでも軽くしてください!」


「いいやダメだ。神様の怒りメーターはMAXだからね。お前の食いもんはこれから全てそこら辺の草だ。そんで死ぬ時は塵となる。惨めだなぁオイ」


 さぁてと、天罰はこれまでにしといて自分で使っておきなら捨てるのもアレだしな。


「テメェらは残念ながら善悪を知る人になった。だから生きる知能もあるし、何が最善か何がいけないのかも全て自分で判断できるようになったんだ。

 つまり、例え草食ってもその知識でなんとか生きていられるかもしれねぇってこったろ? なんなら……もうこのエデンにいる必要もねぇよな? という訳でこれからは自分の力で生きろ」


「は、はい……わかりました……」


「ま、達者でな」


──────────────────


 こうして神はエデンから人間を追放し、エデンを封鎖。人間を新たな地へ送り、耕させた。


次回、『CAIN and ABEL』

カインとアベルって善悪の代名詞なんだよな。

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