第3話 ダンジョン確変
【ゴーストの声として残念なお知らせがあります、このダンジョンは確変されました】
「はいいいい?」
俺は口を唖然と開きっぱなしにしながら訪ねる。
先ほど死神リナの登場で俺も伝説のジャックもてんぱっている状況なのにだ。
【普通では地上に近いほどモンスターは弱くなりますが、現在このダンジョンに挑戦している冒険者はおりません、それが条件となり、地上に近づくほどモンスターが強くなります。それも並々ならぬ強さです。ここで300レベル~1000レベルなので、上に行けば行くほど上がっていきます。と、いうことで頑張ってください】
「燃えるねぇ、ああ、燃えるよ」
俺はいつしか自暴自棄になりつつあった。
しかし地獄王ハデスを倒した事から自信がついたのだ。
ちなみに冒険者になってから1日も立ってないし、レベルも100くらいだ。
普通なら泣きたくなるこの状況、俺は笑ってやった。
俺は目の前の敵を見据える。
「喰らうぞ伝説のジャック」
「もちろんだ」
「死神リナは援護しろ」
「了解なのですわ」
もはやそこには新人の冒険者はいなかった。
たかが1日でベテランになってしまった俺は、伝説のジャックの魂を喰らっていた。
全身が剣豪のような装備へと切り替わった。
「これはなんだ」
【魂の装備でございます。伝説のジャックと仲がよくなったのでしょう】
「そういうことか」
俺の片手には長大な魂の剣が装備されている。
もう片方の手には頑丈で巨大な魂の盾が装備されている。
目の前のモンスターは巨大な化け物だ。
【そのモンスターの名前はブラキオドスです。レベルは1000であり、圧倒的に首が長いです。首ハンマーを喰らったら一撃で死ぬでしょう、その周りにいるモンスターはテトラポットです中型のモンスターであり肉食です群れを成して、いつもブラキオドスを守っています。1体でレベル350と想定してください、合計でテトラポットが5体でブラキオドスが1体です】
「ああ、了解したぜゴーストの声、こっちの魂の眼にもうつってらぁ、死神リナ周りを頼む」
「まかしんしゃい」
「ジャック、行くぞ」
「たりめーよ」
俺は地面を蹴った。
そのスピードは疾駆スキルにより跳ね上がっていた。
【あなたは剣術レベルが100と盾術レベルが100あります。それはとんでもない事です。冒険者が一生のうちに挙げたとしても剣術盾術レベル10が限界です】
「なるほどな」
【ですので、思う存分倒してください】
「そのつもりだああああああ」
「なんかキャラ変わってねーか」
「伝説のジャックよ、人は進化するものよのうううううう」
俺は地面を蹴り上げた。
疾駆スキルによりジャンプ力が跳ね上がった。
空中を飛翔しているなか、腰に巨大な魂の剣を構えた。
【居合斬り!】
この居合斬りは剣豪としての伝説のジャックの技から盗んだ。
腰だめから剣が解き放たれ、空中に飛翔しながら、ブラキオドスの巨大な首が両断されていた。
ブラキオドスは絶望的な怒声を張り上げて、そこから消滅した。
【モンスターの魂を喰らいました。経験値5倍の効果が発動します】
【おめでとうございます。レベルが120になりました】
【無敵の壁:30秒間無敵になるを覚えました】
【剣術レベル150になりました】
【盾術レベル150になりました】
【跳躍レベル100になりました】
俺はゴーストの声を聞きながら、地面に着地した。
伝説のジャックの魂が口から出てくると、剣豪の装備はなくなりいつもの冒険者の装備へと変わった。
辺りを見回せば死神リナちゃんがあくびをしていた。
テトラポットは全滅していたし、リナちゃんは暇そうにしていた。
「さて次に行くぞ」
かくして999階をクリアしたのであった。
==========
998階
==========
「今回もやばそうだな」
「まぁな、上の階層に行けば強くなるか、ダンジョンの確変も舐めんほうがいいな」
「まったく、あんなの雑魚でしょ」
【ではご説明しましょう、目の前にいる1体のモンスター、名前はデスゴリラです。触れたものは即死なので気を付けましょう。レベルは1500です】
「ジャック触れて貰えばいいじゃん」
「もうしんどるわい、死神リナ」
「まぁわても死んでるようなもんだしな」
「今回はリナの力も借りるぞ」
「もちろんそのつもりよ、今回だけじゃなくてこれからもね」
俺は伝説のジャックの魂を喰らった。
次に死神リナの体と魂を体に融合させた。
背中から黒い翼が生えてきた。
今回は盾はない。
左手には長大なる死神の鎌を右手には長大なる魂の剣を装備し、先ほどのごとく剣豪の装備を身に着ける。
「いざ、尋常にしょーーーーーぶ」
もはや俺の人格は心優しいそれから戦闘狂へと切り替わっていた。
デスゴリラの目の前に跳躍して見せると、デスゴリラが右手と左手で触れようとする。
死神の鎌と魂の剣で弾くと、顔面にジャンプ。
思いっきり頭突きをお見舞いしてやる。
デスゴリラは後ろに吹き飛ばされると、ぐるっと回転してこちらに突っ込む。
【ダブル居合斬り】
死神の鎌と魂の剣によりデスゴリラの体は真っ二つになり消滅していった。
【モンスターの魂を喰らいました。経験値5倍の効果が発動します】
【おめでとうございます。レベルが200になりました】
【死の魔眼:発動すると見た相手を一定確率で殺すを覚えました】
【剣術レベルが200になりました】
【死神とのシンクロ率が20%になりました】
【跳躍レベルが250になりました】
【度胸レベルが500になりました】
俺は昇り続ける。
いつかくる地上へのゴールへ。
その時俺は1人の人間として地上に立つ事が出来るのか。
それとも化け物として地上に立つのか……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます