第35話

「後は俺が効果を付与すれば完成か」

キティさんにロック鳥の羽で作った布で出来た防具は今でもじゅうぶん強力な防具だけど、武器みたいに追加の効果を付与することができる。


「【物理攻撃耐性】【魔法攻撃耐性】は当然として【状態異常耐性】もあると安心できるよね。ロック鳥の羽を使ってるからまだ付与をする余裕があると思うけど…。ステラさんこんな付与が良いみたいなのない?」


防御系の重要な付与は確定で付けるとしても後何個か付与を付ける余裕が残る筈。

その付与については何を付けるか俺が決めるんじゃなくて、ステラさんの意見を聞くのもありだなと思いステラさんに聞いてみた。


「そうですね。自動で汚れを落としてくれる付与とか?」


ステラさんの装備は白だから汚れ目立つしね。

後は…その場のノリでなんかつければ良いか。


「じゃあ私の仕事はここまでだから。後は後ゆっくり〜」


細かい調整等の最終調整をしていた。キティさんが最終調整が終わったらしく、帰って行った。


「今回はありがとうございました」


キティさんにお礼を言ってステラさんと玄関までお見送りした。


「服の付与だけ終わらせて、後はゆっくり休憩しよう」


別にすぐに付与しなくても良いけど、なんか仕事が残っている状態だと気になっちゃってゆっくり休めないから付与だけはやっておく。


「【物理攻撃耐性】【魔法攻撃耐性】【状態異常耐性】【自動洗浄】を付与してまだ余裕があるけど。これだ!って付与が無いから、今回はこれ以上付与をしないで、ここで終わりにしよう」


何かいい付与を思いついたら、それを付与すればいいし。


「それじゃもう部屋にこもってお休みになりますか?」


「そうしようかな?」


あっそう言えばおやつにドーナツ買ったんだったな。寝るだけがリフレッシュ方法じゃないし。


「いや、ドーナツ買ってきたから、一緒に食べよう」


「良いですね。そうしたら私は飲み物を用意して来ますね。緑茶で良いですか?」


「あったかい緑茶でお願い」


ドーナツなら紅茶とかの方が合うのかもしれないけど。あったかい緑茶を飲んでるときが1番落ち着く。


「はい。あったかい緑茶です」


「あ〜、あったかい緑茶落ち着く」


甘いドーナツとの相性も悪い訳じゃないし。


「そうだ。少し思ったんですけど。バルトゥーラ神王国に対抗できるようになるには時間が足りないって話だったじゃないですか」


今からスキルレベルダンジョンを攻略してレベルをあげるのは凄い時間がかかるし。


「それで思ったんですけど。私たちが飛竜の谷を攻略したら、バルトゥーラ神王国は私たちを警戒して、戦争を回避する事は出来なくても、時間を稼ぐことは出来るんじゃないですか?」


俺たちが色々危ないことを除けば、確かに時間が稼げるかもしれない。

逆に今すぐにでも戦争を始めるべきって行動し始める可能性もあると思うけど。


「確かに、レッサードラゴンにも通用する防具は用意出来たけど。流石にブレスを防げる訳じゃ無いし。もうちょっと対策が出来てからの方が良いとは思うんだよね」


具体的には障壁とか結界を自分の周りに展開出来るスキルとか、そう言うのを手に入れてからの方がいい気がする。


…もしかしなくても、そう言う効果を防具に付与すれば良いのか?


自分が考えている効果を付与しようとすると、どんあ感じになるか上級錬金術の知識を使ってシュミレーションしてみる。


「相当燃費が悪いけど。予め魔力を貯めておけるバッテリー的なものを用意しておけば、使い物になるかな?ってなるとバッテリー的なものを作れるのかって話になるんだけど…」


宝石を使えば、バッテリーもどうにかなりそうなので、障壁の効果を防具に付与して利用する事は可能そうだ。


そうやって、障壁の付与とバッテリーについて考え込んでいると、突然デコピンされた。


「この話をした私にも責任は有りますけど。今日はもうのんびりするって決めたんですから。そうやって何か始めようとするのは禁止です」


それもそうかとそれ以上考えるのをやめて残っている緑茶を飲み干した。

結構あつめに入れてもらった緑茶が冷めて常温になっていたので、結構長い時間。障壁について考えていたらしい。


「まぁ、付与で安全性をもう一段階あげれそうだから。それが完成したら飛竜の谷の攻略に挑戦してみようか」


余裕を持って2、3日もあれば完成するだろうし。新学期が始まる前に飛竜の谷の攻略に挑戦できるだろう。

とりあえず今日は難しいこと考えるにはおしまい!と思っていたら、スマホの着信音がなった。


「エマ先輩からだ。なになに…近くの町でモンスターパレードが発生。学園にも援軍要請が届いたので。本当に申し訳無いけど、レッカくんも参加して欲しい。だって」



モンスターパレードとはなんの前触れもなく、魔物の大群が街の周辺にポップする。

1種の自然災害。


この世界の人達は神から与えられた試練って認識らしいけど。


流石に疲れてるから参加したくないとは言えないし。

頑張りますか。


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読んでいただきありがとうございます。





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