第18話


ー王城ー

いつもの様に執務室で公務をしているとノックもなしにドアが開かれる。


「大変です陛下!レッサードラゴンが討伐されたと報告が」


ノックもなしに入ってきた者をを咎めようと思っていたが報告を聞いた瞬間そんな事どうでも良くなってしまった。


「それは本当か?」


正直この時点では国王はこの報告を信じていなかった。

Lv7、8、9ダンジョンでモンスターが討伐された報告が来てないのに、いきなりLv10ダンジョンに出てくるレッサードラゴンの討伐がされたなど信じられる訳がなかった。


「入口に立っているものが実際に魔石、爪、牙を見せられたそうなので真実かと」


その報告を聞いて国王は更に驚いた。

魔石、爪、牙を持っていたということはその時点でレッサードラゴンを最低三体たおしておることになる。

そんな人物、話題にならないわけが無いのに一体何が起きているんだ?一瞬思ったがすぐに1つの答えに辿り着く。


「まさか、討伐した人物は火の寵愛児か?」


「そう報告を受けています」


まるで、今までこの世界に今まで居なかったとしか思えない程、16歳以前の情報が存在しない少年。

国上層部では神々が人類に進化を促すために遣わした神のお御使いなのでは?との意見も出ていたが国王はこの時点でそれが事実なのでは?思い始める。


「火の寵愛児はまだLv1のスキルダンジョンを1回クリアしただけだった筈だぞ?

炎神の寵愛とはそれ程に強力な加護だと言うことか…」


「陛下も報告を受けていたのですね?」


執務室に宰相がやってくる。彼も肩で息をしていた。

報告を聞いて執務室にすっ飛んできたということだろう。


「火の寵愛児を王城へと呼び出しますか?

レッサードラゴンを討伐した人物と陛下が直接会ってみたいとか理由をつけて」


「神々のお御使いかもしれない人物にそんなことして、神々の逆鱗に触れたらどうする?今回の件で私は火の寵愛児は神々のお御使いである可能性が高いと判断した。ゆえに呼び出すのでなく、私から会いに行く」


「私も例え神々のお御使いでなくても、炎神のお気に入りである事は確かだと思うので、陛下が直接会いに行くのを止めはしませんが、しっかりと護衛はつけてくださいよ?後、戦って見たいからと火の寵愛児に喧嘩を売らないでくださいね?」


子供のような笑みを浮かべる国王を見て、

宰相はいつもは賢王なのに強敵を見つけるとバカになる国王が何かやらかさないか不安に

なるのだった。


ー烈火sideー


「これでマガジン以外は完成。これだいぶ集中しないといけないからすごい疲れる」


「おつかれさまです烈火くん。初めてなのに素晴らしい出来です。後はマガジンを複数作って、マガジンチェンジするだけで弾丸の種類を変えられるようにするだけですね」


ニャル様はだけって言ってるけど個人的にはここからが本番だ。

ここまでは全て設計図通りに作っただけだけど、ここからはオリジナルで作らないといけない。


まずは、着弾すると爆発する火魔法を使った銃弾を発射するようにするマガジンにしたいと思い浮かべると、それに対応した魔法陣が頭に浮かんできたので、魔力を使ってマガジンにその魔法陣を書き込んでいく。


「思ったよりもあっさり出来ちゃったんだけど…」


特に苦戦することなくあっさり書き終わってしまった。


「これと同じこと錬金術Lv5ぐらいからやろうと思えば可能ですからね。わざわざ弾丸の種類を変える必要が無いから誰も作らなかっただけで」


確かにランダムスキルダンジョンに行かなきゃ、加護持ちじゃなきゃ、複数の属性魔法は使えるようにならないし、加護持ちは加護と同じスキルダンジョンに行くのが普通だから弾を変える必要が無いのか。


「必要ないから使われてなかっただけで技術的には簡単な部類だったと」


「そう言うことですね」


まぁ、後々必要になるだろうしいっか。


「一応、完成だけど、もうちょっと弾の性能を良くできないかな」


マガジンに書かれた魔法陣を消して、今度はさっきまでの弾丸が視線誘導で敵を追尾するような弾を意識する。

するとさっきよりもだいぶ難易度が高い魔法陣が頭に浮かんできた。

焦らずゆっくり慎重に魔法陣を書いていると途中で魔法陣が霧散してしまった。


「時間切れですね。丁寧に書くのも重要ですが制限時間内に書けないとこれまた失敗します」


この後も何度も挑戦しては失敗してを繰り返し、何回目か数えてないけどようやく完成した。


「やったーついに完成した!」


「おめでとうございます。銃の性能自体も高いのは当然ですか。魔力消費30%ダウンの追加効果も付与されてますね」


武器は一定確率でランダムな効果が付与されることが有るらしい。

効果が付与される確率は鍛冶師が作るのが1番確率が高いらしい。


やっぱり鍛冶師の育成は必須だと思う。


「時間もだいぶ掛かりましたし、もう夕食も準備できる頃でしょう。リビングに戻りましょう烈火くん」


やっぱり二挺目を作る時間は無かったか。

ご飯が冷めたら大変だし、ステラさんの銃は明日作ろう。

レッサードラゴンの肉を使った料理楽しみだな。


そういえばステラさんずっとあー子様と一緒だったわけだけど、大丈夫だったかな?



読んでいただきありがとうございます。



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