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「これを売るなら最低でも、銀貨4枚は欲しいわ」


「でも、この宝石は、近くの町で取れますもん、しかも結構取れます」


「それでも、これは銀貨8枚で買ったのよ!!」


「うちは、この価格でしか買いません」


女性二人による熱いバトルが繰り広げられていた。


その二人というのは、宝石を売りにきてくれたおばさんとうちの従業員のロアだ。


レイとロアだけには、事前にかなりの時間をかけて、リサイクルショップの利益やら経営だとかを教えてある。


そのため、ロアがこの価格というなら、この価格なのだろう。


それにしても、客に当たりが強いような気がするんだが…………

まぁ〜客の前では注意する訳にもいかないので、今は口を挟まないようにしよう。


「分かったわよ!!その価格でいいですよ」


すげ〜、本当にこの価格で売ってくれるんだ〜

圧倒的に安過ぎる価格だったら、流石に売ってくれないだろう。

多分、妥協ラインギリギリだったのに加え、あえて、ロアが強く言ったのが功を奏したのだろう。


「ありがとうございま〜す」


ロアが笑顔になって笑っている。

本人的にも納得したのだろう。



〜おばさんが帰った後〜


「やってやりました〜これは、儲けられますよ〜」


「仮に利益ってどれくらい出るの?」


「銀貨4枚分くらいですかね?宝石って誰かの手に渡っても価値が落ちにくいですからね〜」



「へ〜やっぱりロアは詳しいんだ〜」


「えへへ♪」


初日の営業は、まだ続く……

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