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多分、当たっている。



そう直感した。



こういう時の、凪は嘘の様に当たる。


その女の子は精神的に追い込まれているんだろう。


そういう子に限って、自覚がなかったりするのだが。


「その子に対して出来ることはないだろう。なんか、機会があったら気にしてみるから名前だけ教えてくれ」



凪は、自分からは行かない。


元カノのことがあってから、女の子に少し恐怖心を持つようになってしまった。


「その子の名前は、東雲琴さん。もし機会があったら、久遠がうまくやっておいてほしいな」


なんて他人だよりな人なんだろうか。


でも、過去にトラウマがある以上頷くしかなかった。


そんなこんなで学校に着いた。


凪の視線が一点の場所に留まったのが分かった。


指を指しながら、話始めた

「あの子がその東雲さん」


見た瞬間、かわいいと思ってしまった。


確かに見た感じはカワイイ普通そうな女の子だ。


俺から見れば全く壊れそうに見えなかった。


彼女がこちらの方を向いた。


その瞬間、凪は彼女から目をそらし、先に行ってしまった。


かなり、あからさまな避け方だったので、彼女が嫌われていると思いこんでしまうかもしれない勢いだった。


取り残された俺は、一人で教室に向かおうとすると、東雲さんがこっちに寄ってきた。

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