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これは、中学三年の夏だ。
夏休みが始まるまであと数日、私は憧れの夏休みデートというものをしてみたかった。
夏休みまでに彼氏を作れなければ、受験勉強で忙しくなり彼氏を作るのは絶望的になる。
今彼氏を作れれば、夏休みデートだけではなく、受験までの期間お互いに勉強を教え合うこともできるので絶対に彼氏を作りたかった。
正直、この学校に絶対にこの人と付き合いたいと思えるような人はいなかった。
でも、付き合ってからお互いのことを知っていけばいいのだ。
私の第一候補として音海凪君だ。
彼が、紳士的で誰にでも敬語で接しているし、顔もカッコいいのでかなりの優良物件だ。
実際、周りの友達の彼のことが気になっている子はいた。
先を越されないためにも、早めに告白したかった。
でも、私は告白なんかしたことないし、やり方もよくわからなかった。
一般的に有名な、屋上や体育館裏で告白するのも手だが、それじゃ弱いと思った。
大事なのは、いかに相手が断りにくい状況を作るかだ。
結局私が選んだのは、授業が終わった後、みんなんが教室から出る前に大声で告白することだった。
元々、音海君が気になっていた子とは、仲が悪くなるかもしれないが、それ以上に付き合ってみたかったのだ。
チャイムが鳴った。
私は椅子から立ち上がり、その場で叫んだ。
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