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「奏多おはよ~今年も同じクラスだね。よろしくねぇ~」
入った途端、西條彩葉が声をかけてきた。
彩葉は、少しギャルぽいところがあるし、制服も着崩しているが、とても良いやつだ。
去年のクラスでは、女子を纏めるのに一役買っていた。
教師からの信頼も厚い。そして、僕もかなり信頼している。
でも、少しウザい部分もある。
やたらと絡んでくるし、
からかっくるし、
でもみんないいところがあるし、逆に悪いとこもある。
それが人間なのだ。
「おはよう、彩葉今年もよろしくね」
一言ずつ言葉を交わし終わると、元々話していた女子グループに帰っていった。
そして、僕はとある女の子と目が合った。
合った瞬間ドキッとしてしまった。
そして、目が合ったににもかかわらず、何も反応せずに、手に持っている本に視線を戻していった。
正直いつもと同じ反応だった。
彼女は、今僕が恋している月待遥香。
いくら話かけても、あまり話してくれないので、たまにウザ絡みしてしまう。
「遥香おはよ、何読んでるの」
春香は顔をあげることなく、答えてくれた。
「あんたも、私に声かけて来ることに懲りないわね。今読んでるのは好きな作者の小説。早く続き読みたいから。さっさとどっか行って」
今はだいぶサッパリしているが、本当に困った時、彼女は助けてくれる。
僕も実際何度も助けられて来た。
そんな彼女がただただ好きだった。
でも、いまだ距離間をつかめていないのだった。
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