少女は声が小さい

加藤旭

第1話 序

デュ・・・。デュデュフ!

今日もついったーでクソリプバトルに興じるでござるよぉ!!!


オラオラオラオラオラ!


ピンポーン


ん?


がちゃん!どたどたどた

「おい、いたぞ!やれ!」


「え?」

パァン。



拙者殺されたでござる。


ん?

あれ?意識がある?


「今回の罪人は・・・。んん、えらいがたいのいいやつだな。身長180cm・・・。体重が・・・。120kg・・・なんだ・・・?こいつラガーマンか?体脂肪9%・・・?仕上がってるな・・・。」


なんだなんだ?なぜゆえに拙者のプロフィールを?まさか・・・組織の!?


「えー、罪状は・・・。2000回のアイドルへの誘拐予告、著名人の200回の殺害予告・・・。近所の少年に魔球ジャイロボールを教える・・・。ん?この子ってこの間メジャーリーガーになった小谷じゃないか。うーむ・・・。両親は他界済み・・・。霊感能力は自覚なしか・・・。彼女いたことなし・・・。年齢35歳・・・。ニート・・・。」


「ニートがどうした!金ならあるんだぞ!」


「わ!え!お前!意識あるのか!?」


「さっきから、なんでござる!誰でござるお前!」


「うーん・・・。支配クラス・・・。というか神人クラスじゃないか・・・。何が間違ってこんなクソヒキニートに・・・。」


「ニートっていうな!プロツイッターバトラーだ!」


「いや、お前ロシア政府の口座ハッキングして5兆円入金したら、さすがにまずいだろ・・・。」


「あ、やっぱりそれが原因でござるか・・・。まぁでも20年ばれなかったから、セフセフでござるな。」


「あーまぁ一応チート手前で転生するから。異世界をなんだ。楽しんでくれ。このシステムは死んだ人全員適応されるから。お前のランクは最上位クラス。魔王でも楽しんでハーレムしていいぞ。」


「いやでござる!働きたくないでござる!女なんかクソでござる!」


「あーお前歪んだ原因・・・。女性か・・・。まぁ、いっか。ほい!テーンセイ!」


--

ぐはぁ!

拙者は森に落とされた。

身体中は全く痛くない。なんか体にはねがはえたような軽さだ。

「ふっ」

軽く飛んだだけで、森の木の頂点まで飛べた。

「ほー。なかなかでござるなぁ。」


これが異世界ものなら、こうやってアイテム欄が

「お、出た出た。」


初期アイテム

-草薙のつるぎ(伝説級)

-オールコート(伝説級)

-オールグラブ(伝説級)

-幻の指輪(支配級)


「ふーむなるほどなるほど。つるぎいがいは装備しておこうかな。」

「お、見た目は変わらないのでござるな。つるぎは腰にさしておこう。かっこいいでござる。」


「この幻の指輪は二つあるでござるな。多分、婚約指輪みたいなものでござるか。」


装備し終えた。あたりを見回すと、10キロほど離れたところに村があった。


「よし、あそこにいくでござるか。まずは引きこもりようの家がほしいし、金もほしい。」


タン!

空間を蹴る。


一瞬で到達した。

かなりの身体能力だ。


---

ガッシャーン!

「ぁ・・・・」

「おいおい、お前どうしてくれるんだよ!」

「・・・。」

「チッ・・・。声がちいせえんだよ!」

「・・・。」

「あん?金か?ふんっ。まぁいいだろう。ほら、小娘、どっかいけ!」

「・・・。」


少女が店に置いてあった、ツボを割ってしまったようだ。

彼女はお金を渡してペコペコと頭を下げていた。

見た感じ、12歳くらいの華奢な子供だ。


「うーん、あの子」


何かひっかかるものがあった。

とりあえず追っかけてみるでござる。


少女は路地裏にいった。


そこには、猫が三匹いた。

少女は猫に小魚をあげていた。どうやら買い出しの途中だったようだ。

少女の身なりはとても綺麗だ。貧乏というわけではなさそうだが。


「お主、いいやつでござるな」

「!」

「ぁ・・・。」


彼女はびっくりしてこちらをみた。そこには恐怖と不安の色が見えた。

にゃ〜〜ん・・・。


「お、くるでござるか。よしよし。」

「・・・。」


拙者、人間は嫌いだが、猫は大好きである。

拙者は青い服で統一されているのは意味がある。猫が安心する色らしいのだ。

おかげで好かれる。

青いジーパンに青いパーカー。これがジャスティス。


「うむうむ。栄養状態もいいし、病気でもない。いい飼い主じゃ。」

「・・・。」

「お?挨拶が遅れたでござるな。拙者、ミツルギ。通りなでござる。真の名は捨ててしまったでござる。」

「・・・。」

「ほお?シェリルというでござるか。これはご丁寧に。」

「!・・・。」

「ん?拙者にはしっかりと聞こえてるでござるよ。読唇術でござる。あと拙者、心が読めるでござるからな。」

「・・・。」

「あぁ、やっぱり声が小さくて困っておるのじゃな。拙者の配下にくればいい。」

「・・・。」

「なぁ〜に、幼女と小動物は拙者の大好物じゃ。それにそなたはの心の声はとても美しい。迷惑ではない。」

「・・・。」

「今住んでる屋敷でもいいだろうが、まぁそうじゃ。一晩宿にでもとまって、積もる話でもしようではないか。デュフ。」

「・・・。」

「あ、お金・・・。拙者一文無しでござる。」

「・・・。」

「なに!?そんなにもってるでござるか!?・・・何!?御曹司!?人生勝ち組でござるな!」

「・・・。」

「ぐぬぬ・・・。少女に負けた・・・。」

「・・・。」

「優しいでござるな・・・。どうか、この世界のこと、拙者にレクチャーしてほしいでござる・・・。デュフ・・・。コポォ・・・。転生して、まだビギナー冒険者だとおもうのだ・・・。」

「・・・。」

「あ、じゃあ何もないが、この指輪あげるでござるよ。」

「・・・!?」

「どういうアイテムかわからんが?え?最高級の婚約指輪?これをつけると、一生離れらない上に、最大の幸福と豊かさがもたらされる伝説のアイテム?」

「・・・。」

「世界中の王様が喉から手が出るほど欲しいもの?はっはっは!やった!勝った!これで亭主関白できるでござる!!!デュフ!」

「・・・。」

「え?もらっていいのかって?あ・・・。そうか・・・。やっぱ嫌でござるよな・・・。コポォ・・・。拙者こうやって、美人にもギャルにもアイドルにも振られたでござる・・・。顔が無理って・・・。デュフ・・・。」


「・・・。」ブンブン


「え?私はあなたのことが好き?でもそんな貴重なもの貰えない?」

「私、声も小さいし、体も弱いし、あなたには釣り合わない・・・?」


「そんなことないでござるよ!推定体重35kg!身長155cm!理想的なロリロリでござるよ!デュフ!」

「それに、猫に好かれる、その人柄!猫への知識、愛!全て最高でござるよ!・・・。あっ・・・。」


「・・・。」

「す、すまん・・・。まさか泣いてしまうとは・・・。その・・・。すまんでござる・・・。」

「・・・。」ブンブン

「え?これは嬉し涙・・・?私でよければ・・・?」


「デュフううううう!」(尊死)


つづく。

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