さみしんぼ倶楽部へようこそ
@darukoyama
第1話
1999年ノストラダムスの大予言、僕は20歳になった。子供の頃から新聞に挟まってくる分譲マンションや戸建広告を見ては、こんな家に住みたいとか、こんな家を建てたいと妄想をするのが好きだった。僕は子供の頃から友人と呼べる者はいなく、それなりの距離を保って生活していた。そんな私もノストラダムスの大予言を多少意識しながら、高校生活を送り、子供の頃からの妄想を現実に出来る仕事の建築士になるため大学の工学部建築科に進学した。大学デビューを華々しく飾ることも出来ず、友人と呼べる者は今もいない。大学生になり携帯電話を持つようになった。
その時に【サークル】という掲示板の存在を知ることになった、その【サークル】という掲示板は、誰かが、グループ定員人数最小8名から最大20名までのメールのみでのおしゃべり広場を作り共通の趣味、悩みなどを持っている人に募集を掛けて、そこで参加した人がグループになり会話をする物だった。グルメ、音楽、ファッション、恋愛相談、アイドル、アニメ、漫画そしてアダルトいろいろな募集が掛けられていた。友人のいない僕は【サークル】をいつも閲覧するようになった、【サークル】には携帯電話では僕の知らない所で生活している、知らない誰かと繋がる事が出来た。顔も声も性格も知らない誰かと繋がりができて安心出来る僕がいた。
いつもの様に【サークル】を観ていると
『さみしんぼ倶楽部』というグループ募集を見つけた。「さみしんぼ倶楽部?」あまりにもふざけたグループ名なのに気になってしまう僕がいた。その『さみしんぼ倶楽部』の募集内容には、
✳️定員人数8名・年齢不問・性別不問・
地域不問但し淋しい方に限る✳️と記載されていた。グループ創設者は《マユ・女性・20歳・東京》とある、グループメンバーはまだマユという女性一人だった、まだ出来て間もないグループなんだろうと思いながらその日はサイトを閉じた。
僕は秋田の山王という街で高校卒業まで
育った、田舎から出たいという思いと建築士になりたいという希望から僕は東京の大学を受験して合格し東京に住んでいた。雑司ヶ谷という町の1Rマンションに住み大学と飲食店のバイトの生活をおくり、一人暮らしの部屋に帰り、コンビニで買ったお弁当を食べながら、いつものように携帯電話で【サークル】を閲覧をはじめた、何も変わらない僕の一日が流れていた。「そういえば、あのグループどうなったのだろう」先日見つけた『さみしんぼ倶楽部』が気になってグループを覗いてみた。
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