2022年冬の特別編・羽弦トリスの歴史

羽弦トリス

第1話田舎を飛び出す

僕は今から22年前に九州から名古屋に出てきた。理由は、働いていた介護職がキツいわりには給料が安いからだ。

名古屋には、当時付き合っていた看護師の彼女が働いていたから、現金3万円握りしめて彼女の寮に転がり込んだ。

それから、ガードマンのバイトをして金を作り、一人賃貸マンションに移り住んだ。

22年前は、名古屋弁は理解出来ないし、地理も不案内なので苦労した。

だが、給料は九州の倍近くもらえた。


夜勤明け休み、夜勤明け休みの繰り返しで、夜勤明けは同僚と酒を飲んでいた。

今、思えば体力があったんだな~。

10ヶ月バイトをして、港の団体職員の募集を見つけて、入社試験を受けた。

この団体職で、将来を左右されるとはまだ知らなかった。

ようやく、入社したかと思うと、船舶関係の団体職員なので夜中、入港した船に乗り込み輸入品をチェックする夜勤をさせられた。まだ、入社3日目なのに。


2週間で給料が17万円だった。僕は喜んだが、時間が不規則な仕事を彼女は不満を持ったようだ。

それから、毎週2回は夜勤であった。もちろん、法定内の月80時間以上の残業をしていた。

これなら、九州の介護職の方が楽だったと考えていたが、給料が良かったのでがむしゃらに働いた。

まだ、僕が23歳の頃の話しである。

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