294.非公式な訪問みたいです。

 そろそろ森を出ますね、ゆっくりめに行くと入ったものの私が舗装した上を走るのでペースは特に落ちませんでしたね。帰って少し早まった位ですか・・・

 「カオリさん・・・ああいった事は余りなさらない方が・・・」

 ああいったこと?なんでしょうか・・・

 「ひょっとして舗装のことを言ってますか?」

 「ひょっとしなくてもそうですよ・・・」

 「あれは女神様がやったことです。私は関係ないですよ。」

 「私はありのままをアリス様に報告することになっておりますので、アリス様とゆっくりお話し下さい・・・」

 「じょ、女王命令でその報告を無しには出来ませんか?」

 「それは無理ですね・・・女王陛下の安全第一で全て報告をするよう言われてますから・・・」

 アリスの手が回っていましたか・・・お目付だとは思っていましたが、そこまで報告されるとは思ってませんでしたよ・・・何か言い訳を考えておかないといけませんね・・・


 「ここからは砂漠なので、ちょっと舗装は出来ませんので大変になりますよ。」

 「カオリ様が作られた、自動車であればたいして苦にもなりませんよ。」

 そうですか、作って良かったですね・・・やっぱり必要とされると嬉しいものがあります。だからこの道路の舗装もいいですよね。あっ、女神様の仕業でしたね・・・アリスにもそう言い切ったら許してくれませんかね・・・



 やっと帝都ですよ・・・やっぱり時間がかかりますね・・・

 「では、私はこれで城に戻りますので・・・」

 「いえ、カオリさん・・・アリス様からは最後まで同行して城に戻るよう言われておりますので・・・」

 そこまで信用されてませんかね・・・確かにそれだけのことをしている自覚はありますが、全部みんなの為じゃないですか・・・許されてもいい気がするのですよね。

 「それで、ラッセルさんはどこまで行くのですか?」

 「ええ、帝都まで行って商談をしてくるつもりですが・・・」

 それって結構かかるんじゃないでしょうか・・・私だけこの町で待っているというのは許されないのでしょうね・・・最後まで同行と言っていますから無理なのですね・・・

 「帝都までの町はどうするんですか?」

 「行きは通過していくつもりです。帝都の商業ギルドに用がありますから、その他の町は帰りに寄りますよ。」

 結局寄るんですね・・・商人ですから帰りの馬車は荷物でいっぱいが基本なのでしょうね・・・



 とりあえず帝都に着いたら形だけでも皇帝陛下・・・帝国のお義父様に挨拶するべきでしょうね・・・女王としての訪問になるのでしょうか・・・いえ、別に供も連れてないですし、お忍びですからお義父様に会いに来たと言うことで通しましょう。

 「それじゃあ、帝都に着いたら私は皇帝陛下に会ってくるから帰りに呼びに来て下さい。」

 「わかりました。大人しくしてて下さいね・・・私がアリス様に叱られるんですから・・・」

 なぜ、ラッセルさんがアリスに叱られるんでしょうか・・・その辺りがよく分かりません・・・



 帝国でも自動車が結構走るようになってますね・・・まだ、王国の自動車の方が性能もいいようですが、そのうち同じになるでしょう。そうすれば、王国と帝国の行き来が楽になるというものです。

 まぁ、聖王国を通過してと言うことにはなりますが・・・別に通行税とかは取るつもりはないですよ・・・別に大きな軍隊を持つ気もないですし、それほどお金はかからないでしょうからね・・・


 なるべく税金は安くしたいと思いますが、王国と帝国にある程度あわせないといけないですね・・・そうしないと王国や帝国方聖王国に人が流れ込んでくるからですよ。そのくらいのことは私でもわかりますよ。




 あとはこっそりと帝国にいる間に王国側の道も舗装してこれば良いのです。扉がありますからね・・・数日あれば何とかなる気がするのですよ・・・


 なんともなりませんでした・・・ラッセルさんがしっかり世話係だと言ってメイドさんらしき人を残していってくれました・・・アヤハがいるからいいと言ったのですが取り合って貰えませんでしたよ・・・


 「お久しぶりです・・・」

 「今日はどうしたのだ。レイナもいないようだが公式の訪問では無いと言うことか?」

 「ええ、ちょっと帝国まで用事があったので、お義父様にご挨拶でもと思っただけです。」

 「カオリにお義父様と言われるとなんかむず痒いものがあるな・・・」

 酷い言われようですね・・・

 「非公式の訪問ならそれでもよいのだが、まだ、孫の顔を見せてはくれんのか?」

 「こちらに来てくれるのであれば良いですが、連れてくるにはまだちょっと小さいですね・・・あと2ヶ月位待って下さい。」

 「う~む・・・よし、わかった。私が出向こう。」

 ちょっと、皇帝陛下がそんなにフットワーク軽くていいのですか?国政はどうするんですか・・・えっ・・・それを私が言ってどうするって・・・私は全てセバスに任しているのでいいのです・・・

 ダメですか・・・そうですね・・・できるだけ早く戻ることにはします・・・出来るだけです・・・




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