249.10歳になってからみたいです。
あれから数日お祖母様のところに滞在しました。私も王都邸があるのですが最近使ってないですね・・・王都に来るとお祖母様のところに泊まることが多いです。そうしないとお祖母様の機嫌が悪くなるのですよ・・・孫と、曾孫ですからね・・・わからないでもないのですが・・・
そろそろ領都に戻るのですが、今回はちゃんと自動車で帰ります。例の扉で来たとしても片道だけは自動車で移動するようにしています。時間はかかりますが、自分の領地を見て回るのも仕事ですしね。
「カオリママ、私も自動車を運転したいの。」
この間から私が運転するところをじっと見ていたと思ったら、運転したいのですか。教えてあげるのは構わないのですが、まだちょっと早いですね・・・
「ユキが10歳になったら運転させてあげるね。」
10歳くらいになれば、もう少し体も大きくなるでしょうからそれからでしょう。
「えぇ〜」
上目遣いで見てもこれはいけませんからね。
「アリスママ・・・運転したいの・・・」
今度はアリスのところに行きましたね。ちゃんとダメって言ってあげてくださいよ。
「10歳になったら運転させてくれるって言われたのでしょ?だったらそれまで待たなきゃダメよ。」
「アリスママのケチ・・・」
アリスが凹んじゃってるじゃないですか・・・さすがにケチがないですね・・・私でもかなり凹むでしょうね・・・
「ユキ、こっちおいで。」
そんなにムスッとしてたら可愛い顔が台無しですよ。
「・・・・・・・・・・」
「ユキはまだ、ブレーキまで足が届かないでしょ?それだとすごく危ないの。だからもう少し大きくなって足が届く様になったら運転させてあげる。」
「ほんと?大きくなったら運転させてくれる?」
「運転させてあげるわ。だからアリスママにごめんなさいしてらっしゃい。」
アリスの方に行きますね。ちゃんと謝ってるみたいです。アリスの機嫌も直ったようでよかったです。
何回か、町や村で宿泊をしながら領都まで戻ってきました。私が領主に就任した頃と比べると町もずいぶん大きくなりましたね。町のはずれに作ったはずの教会が、町のほぼ中央になりました。
領主の館が中央じゃないのかって?そんなのはどこでもいいのですよ・・・やっぱり教会が中央でしょ。今も女神様のところには月に一回くらいは顔を出しに行っているのですし、私がここにいるのも女神様のおかげなのですよ。だから、町の中心は教会であるべきなんです。
留守中の町の様子をギャリソンに確認しておきましょう。特に問題などないでしょうが、確認は大切です。
特に何もなかったので、そのまま私たちのお城に帰るのですけどね・・・
『おかえりなさいませ、カオリ様、アリス様。』
最近思うのですが、セバスが優秀なのはわかるのですが、私たちが帰宅するたびにメイド一同玄関に並んで出迎えるのはどうかと思うのです・・・アリスは全く気にしていない様ですが、元が庶民の私は気になって仕方がないのですよ・・・
「セバス、毎回そんなふうに出迎えなくてもいいんですよ。」
『いえ、ご当主様とその奥方様がお帰りになるのですから、このくらいは当然です。』
本当にそうなのでしょうか・・・アリスの方をチラ見してみましょおう。
「そうね、セバスのいうことは正しいわ。でも、カオリが気にするのであれば、全員で出迎えなくともいいかもしれないわね。」
『承知いたしました、では今後は数人で出迎える様にいたします。』
アリスのおかげで、何とか数人での出迎えになるようです。その位であれば私も気にならないでしょう・・・多分・・・
自分の部屋に帰ってきて、やっと落ち着けましたね・・・絨毯にソファーといった部屋なのですが、お祖母様の所みたいに畳にしてもいいですね・・・
「アリスは畳の部屋をどう思いますか?」
「いきなり何を言い出すかと思えば・・・お婆さまのところと同じものよね?」
「ええ、うちも畳にしたらどうかなって思ったから。」
「そうね、一部屋くらいならあってもいいんじゃない?」
「アリスがいいって言ってくれると作りやすいですね。」
「私が嫌だって言ったらやめたの?」
「部屋の端っこに私だけのスペースを作ったかもしれないです・・・」
「もう・・・そこまで私の機嫌を伺わなくてもいいと思うわよ?」
「でも・・・アリスの嫌がることはしたくないですから・・・」
「カオリ・・・ありがと。」
もうすぐ寒くなってきますからね、掘り炬燵の部屋を作りましょう・・・うちの暖房は暖炉とストーブですからね・・・やっぱり畳に掘り炬燵は最強だと思うのですよ。
今度、お祖母様の所に行ったら話してみましょう。きっと欲しいと言うでしょうから、作る準備はしておきましょう。
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