248.大金が入ったみたいです。
「カオリ、商業ギルドの人が面会を求めてきてるわよ。何かやらかしたの?」
せっかくお祖母様のところでまったりしていたのですが、商業ギルドですか・・・なんでしょう、心当たりがありませんね。
「やらかしてないと思いますよ。最近は何もやっていませんからね。アリスと一緒にいたのですから、わかっているでしょう?」
「それもそうね・・・」
ここはお祖母様の屋敷ですし、迷惑はかけられませんからね。ギルドまで出向きましょう。メイドさんに伝えてもらいましたので、ゆっくり出かけましょうか。
ユキとユウゴですか?お祖母様のところでしたら安心ですので、預けていきますよ。念のため、アヤハを置いていきましょう。これで何かあっても大丈夫です。
「いきなり面会したいだなんて何の用でしょうね?」
「さぁ?私はカオリがやらかしたんじゃないかと思ったわ。」
酷いですね・・・何かあったら全て私がやらかしたことになるのですか・・・
「スズキ公爵、わざわざ足をお運びいただきありがとうございます。」
「別に公式の場でもないので、カオリで結構ですよ。ギルドの登録もカオリでしてありますしね。」
「はい、ありがとうございます。では、カオリ様、あちらでお話をさせていただいてもよろしいでしょうか。」
個室で話さないといけないことなのですね・・・また厄介ごとの様な気がしてきました。
「カオリ様は最近帝国に行かれましたか?」
確かに行きましたけど、まだ帰ってきたばかりですよ。それに身内以外知らないと思うのですが・・・
「ええ、いってきましたが・・・何かありましたか?」
「そうですか・・・帝国のギルドから多額の振込が確認されたので確認をと思いまして。」
帝国とはやり取りがなかったんじゃなかったんですか?
商業ギルドと冒険者ギルドは大陸共通で、やり取りできる魔道具があるのですか・・・知りませんでしたよ・・・なら私の作った鳩達はなんだったのですか・・・残念な子達になってしまったじゃないですか・・・
「そんな魔道具があったのですね・・・」
「はい・・・それよりこの多額の振込はなんなのですか?ご説明をお願いします。」
帝国の商業ギルドからの振込ですか・・・・自動車の件でしょうか・・・それしか思い当たることがないですね・・・
「自動車の販売権のことかもしれないですね・・・」
「自動車の販売権って・・・帝国で売られているのですか・・・」
「どうしても欲しいというので、ギルドで作るならってことで、販売の許可を出しましたよ。」
「そうだったんですね・・・」
「何か不味かったですか?」
「いえ、理由がわかれば商業ギルドとしては問題ありません。」
「商業ギルドとしては・・・ですか?」
「はい、国王はお認めになったのでしょうか?」
なるほど・・・でもいずれ流出するものですからね・・・大丈夫でしょう。
「アリス、大丈夫ですよね?」
「まぁ、大丈夫じゃなくてもカオリならなんとかなるでしょ?」
私ならって、どういうことですか・・・
「アリス・・・どういうことですか・・・」
「だって、カオリもお父様の義娘なんだから・・・多少のわがままくらいは聞いてもらえるわ。」
多少のわがままですか・・・アリスがどれだけわがまましてきたか容易にわかる言葉ですね・・・
「ねぇ、カオリ。変なこと考えてない?」
「か、考えてませんよ・・・」
「ふ~ん・・・そういうことにしておいてあげるわ。」
こういう時のアリスってすごくカンが鋭いですね・・・
「そういうことなので多分大丈夫みたいです。」
「はぁ・・・」
ギルドの人が呆れてるじゃないですか・・・これはお義父様に報告しておかないといけない案件ですね。帰りにお城に寄っていきましょう。本当なら先触れを出した方がいいのでしょうが、今回は緊急ということで・・・このまま行きましょう・・・
商業ギルドを後にして、お城に向かうのですが・・・お城に行く時って馬車とかで行った方がいいのでしょうか・・・
「アリス、お城に行く時って馬車で行った方がいいのかな?」
「別に自動車でいいんじゃない?お父様も普通に自動車を使ってるし。」
そうですか・・・なんとなくお城に行くときは馬車っておもっていたので・・・はい、先入観というやつです・・・
一応この自動車のも家紋は入ってますから大丈夫ですね。
いつもの通り、アリスに連れられて直接お義父様の執務室に来ています。
「カオリ、ユキとユウゴはどこじゃ?」
「今日は連れてきてませんよ。」
「そうか・・・それで今日な何用だ?」
その残念そうな顔は何ですか・・・私達2人じゃ不満ですか・・・可愛い娘ですよ・・・
「帝国に行った時の話で、話していなかったことがあったので・・・」
「大事なことか?」
「まぁ・・・そこそこ?」
簡単に、かいつまんで話しておきましょう。そこまで詳しく話すことでもないと思いますし・・・
「なぁ、カオリ・・・出来ればそういったことは先だって言ってくれると助かるのだがなぁ・・・」
なんか疲れた顔をしていますね・・・私が悪いんですか?アリスが後ろでくすくす笑っているのが気になります。
「はい、気をつけます・・・」
「まぁ、やってしまったことは仕方ない・・・あとはわしがなんとかしておこう・・・」
国対国でやりとりがあるのでしょうか・・・それは少し悪いことをしましたね・・・また別の機会に謝りにきましょう・・・
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