151.ハーフサイズみたいです。

 今、アヤハとセバスが睨み合ってます・・・なぜって、レディースメイドの説明を始めたところからなんですが・・・

 レディースメイドってのは女主人の身の回りの世話をするらしいですね。私はよく知りませんでしたよ。メイドにそんな種類があることすら知りませんでしたからね。

 アヤハ曰く、「お母様の身の回りの世話は私たちがするからレディースメイドはいらない」だそうです。まぁ、私もそう思いますね。ただ、セバスは専属のメイドをつけた方がいいと思っているらしいです。それどころか、アヤハ達にも1人ずつメイドをつけるべきと言っています。なんでも私の娘であるならその方が自然だとのこと・・・

 「セバス、とりあえずはレディースメイドはなしにしたらどうかしら?」

 『お嬢様・・・』

 「もし必要と思ったら、その時に入れるということでどう?」

 『お嬢様がそうおっしゃるなら・・・』

 とりあえずは引き下がってくれたようです。アヤハ、そこでドヤ顔しないでください。あなたはもっと女の子らしくしましょうね。


 とりあえず、レディースメイドは保留となりました。その代わり頭数だけは用意して、必要になった時すぐに仕事に入れるようにしようということになりました・・・

 結局、あと2人は創らないといけないのですね。


 王都への帰り道は、セバスが御者をやってくれました。確かにセバスは執事としてとても優れているのだと思いますが、かなり理想が高いようです。最高のメンバーを揃えて私をサポートしようと考えているようです。

 私としては、最低で良いんですけどね・・・セバスの意見を聞いて使用人を揃えていくと何人になるかが怖いところです・・・私が全て創るのですから、雇用にお金はかかりませんが、素材を考えたらとんでもない費用ですよね・・・




 王都までの道のりは問題なく過ぎていきました。マジックバックの中にディアが少し増えたくらいです。今回はセバスも狩りに参加していたようですよ・・・あなたも結構強いのですね・・・

 メンバーが増えましたが、流石にお城でお世話してもらうわけにはいけません。セバスにはお金を渡してジェーンと宿に泊まってもらいましょう。1週間ほどで、お屋敷の方も完成するでしょうから、それまでの我慢です。

 私たちは、このままお城に戻りましょう。帰ってきたことを王女殿下に報告だけしておかないといけませんからね。


 


 報告だけと思ったんですけどね・・・すぐに呼び出されました。誰にって?もちろん王女殿下です。理由は甘いものが食べたいのだそうです・・・先日のパフェがいけなかったのでしょうか?

 「ねぇ、カオリ。この間のパフェという食べ物がもう一度食べたいの。ダメかしら?」

 「あんまり食べると太りますよ・・・」

 「そ、それは・・・」

 やはり太るのは嫌なようですね。どこへ行っても、どの時代でも女性はスタイルにこだわるんですね。私ですか?スタイルより美味しいもの優先ですよ。少しくらいなら目をつむります。

 「カオリ・・・半分食べない?」

 「半分なら太らないとでも思ってますか?」

 「ダメ?」

 まぁ、いいですけど・・・そんなにたびたびは出してあげませんよ。

 「今回だけですよ?」

 「ありがとう。カオリ・・・大好き!」

 いえ、大好きと言われても・・・ダメなものはダメなんですからね・・・

 ハーフサイズでパフェを出しました。もちろん私たちの分もですよ。

 「そういえば、シャーロット様のご予定はどうなってますか?」

 「お婆さまですか?」

 「ええ、家を建て直すとお話ししていたので、ご予定を・・・」

 「それだったら、カオリはまだ帰ってこないのと何度も聞かれてるわ。」

 「それでしたら、早く伺わないといけませんね。」

 「そうね・・・明日にでも行ってみますか?」

 「そんなに急に伺ってもいいのですか?」

 「構わないと思いますよ。お婆さまは私よりずっと暇してますから。」

 そんな言い方しちゃダメでしょ・・・仮にも前王妃様ですよね・・・

 「わかりました。では明日にでもお伺いできるよう準備しますね。」

 「そうそう、家と言えばあなたの屋敷だけどね、内装が終わったそうよ。」

 「屋敷って、私がもらったお屋敷ですか?」

 王女殿下の依頼ということもあって急いで工事をしたそうです・・・ゆっくりでもよかったのですけどね・・・後日、見に行きましょう。セバスの部屋なんかも用意しないといけませんからね。

 「ところで、カオリはメイドや執事は雇わなくていいの?」

 その話が出ましたか・・・もう、準備してますからね。

 「もう、手配はすみましたから大丈夫ですよ。」

 「また、何かやったの?」

 またってなんですか・・・そんなにやらかしてますか、私って・・・

 ・・・やらかしてますね・・・色々と・・・思い返してみると、王女殿下の前でも相当やらかしてますね・・・

 「それほどのことはしてないですよ・・・」

 「ふ~ん・・・」

 明らかに疑ってますね・・・まぁ、疑われるような事ばかりしましたから仕方ないですか・・・

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