105.お城に泊まるみたいです。
王都に到着しました。ですが今私のいる所は宿屋とかではないのです・・・ どこかと言うと王城の応接室に居るのです。
王都に着いて身分証を見せたところ、私たちだけその場に残るよう言われたのです・・・ラッセルさんですか?そのまま通過していきましたよ。ラッセルさんは衛兵から何やら説明がされていたようですが、私たちにはなしです。
しばらく待っていると、城よりお迎えが来ました・・・どうやら、アリステレア王女殿下の指示だそうです。そのままお城までドナドナされました。そして、今に至るわけです。
扉が開くと王女殿下が入ってきますね。あの時のメイドさんも一緒のようです。
確かこう言った時は私から話しかけてはいけないのですよね。違いましたっけ?
「久しぶりですね。絶対にカオリの方からは城に来てくれないと思ったので、衛兵に通達を出しておいたの。」
なんてことをするのですか、このお姫様は・・・
「お久しぶりでございます。王女殿下もお元気そうで何よりです。」
少し堅苦しいですが、お城の中という事もありますので丁寧に話しましょう。
「カオリにそう言う話し方は似合わないわ。普通に話してちょうだい。私のこともアリスと呼んでくれていいから。」
はぁ・・・王女殿下のご指示ですし、私も堅苦しいのは苦手です。お言葉に甘えましょう。
「では、いつも通りにさせていただきますね。」
とは言っても、そこそこ丁寧には話しますけどね。
「それで今回はどのような御用でしょうか?」
「今回は、お礼よ。この間の装備のおかげでダンジョンの試練を通過する事ができたわ。」
やはり簡単なダンジョンだったのですね。
「お役にたてたようで、よかったです。」
「役に立つなんてものじゃないわ。ダンジョン内の罠や不意打ち、そう言ったものが事前に分かるのですもの。あれで最奥に到達できなければ笑いものだわ。」
そこまででしたか、テストとか一切しませんでしたからね。これからはしたほうが良さそうですね。
「おかげで無事、成人の儀を受ける事ができるわ。」
成人の儀はこれからなのですね。
「それは何よりです。ではそろそろ私は・・・」
帰ろうと思ったのですが、睨まれましたよ。
「何帰ろうとしてるの?カオリは私のゲストなのだから、部屋を用意させるから泊まっていって。」
えっ・・・お城に泊まるのですか・・・それはちょっと遠慮したいですね・・・
「いえ、それは流石に・・・」
「国賓として迎えたいくらいだけど、私の力じゃそこまではできないから。でも私のゲストとしてなら最高のもてなしをさせて貰うわ。」
国賓とか言ってますよ。やめてください。そこまでされるようなことはしてないですよ・・・
「えっと・・・仕事とかもありますので、やはり町の宿屋で・・・」
「私の発注より優先しなければいけない仕事?」
そういえば、メイド服を頼まれていましたね・・・
「あれはデザインがまだですし、作るのはここでは無理ですから・・・」
「サイズとかあるでしょ?ついでに測っていったら?」
うっ・・・正論ですね・・・
「何人分でしょうか?」
諦めて、採寸していきましょう・・・1日か2日泊まる感じにはなるでしょうが、それは仕方ありませんね。これも仕事です・・・
「まずは私の身の回りの世話をしてくれるメイドの分だけだから、50人ほど、各4着ほどお願いしたいの。」
全部で200着ですか・・・気が遠くなりそうです。
「わかりました。では採寸とかさせていただきます。」
「休みの者とかも居るので、1週間ほどゆっくりしていって。」
・・・甘かったですね。メイドさんにも休みくらいありますよね・・・これ以上は抵抗しても無理そうですね・・・
「わかりました。おっしゃる通りにします。」
そこで勝ち誇ったような顔をしないでください。後ろでメイドさんも呆れてますよ。
その日は夕食も王女殿下とご一緒させていただきました。
美味しかったと思うのですが、あまり味を覚えてません。緊張してたんでしょうね。ええ、緊張するなと言うほうがおかしいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます