099.まがい物があるみたいです。
とりあえず、今日はスニドラをぶらぶらしましょう。適当に見て回って面白そうなところがあれば入ってみればいいでしょう。今回は観光です、時間をかけてじっくり見て回りましょう。
スニドラには3日くらいの滞在予定です。何かあればもっと伸ばしますが、ガンドレアで長く滞在すると思うのでほどほどです。
まずは、商業ギルドに挨拶しておきましょう。特に何というわけではないですが、何かネタになる話でもあればラッキーみたいな物です。
商業ギルドでは特に面白い話は聞けませんでしたが、私の作ったTシャツがかなり売れているという話が聞けました。何でもまがい物がでるほどだそうです。
質の悪いシャツに「死んだら負け」と書いてあるそうです。確かに死んだら負けでしょうが・・・趣味悪いですね・・・
うちの正規商品は、ラッセルさんの知り合いの店に卸されているそうです。結構売れているそうです。せっかくですから後で行ってみましょう。
ここですか・・・ラッセルさんの知り合いって・・・この店結構大きいですよ。こんな立派な店に私のTシャツが置いてあるんですか・・・かなり気後れしますね・・・
とりあえず入りますか・・・衣類、食品、小物など何でもそろうって感じですね。スーパーかデパートといった感じですね。私たちって、6人でぞろぞろ歩いてまるでお上りさん状態じゃないでしょうか・・・さっきからチラチラ視線が集まるのですが・・・やっぱり場違いなのでしょうか・・・ゆっくり見たかったのですが、変な目で見られる前に退散しましょう。
「あの・・・失礼ですが、カオリ様でいらっしゃいますか?」
へっ・・・カオリ様って・・・
「え、あ、はい。確かにカオリと申しますが、どちら様でしたでしょうか?」
見覚えありませんよ・・・結構お金持ちっぽい感じですね。身なりがきちんとしてて、清潔感あって、第一印象は結構いいですよ。おじさんですけど・・・
「申し遅れました。私、パトリオット商会の商会長をさせて頂いております、ボマークと申します。」
ここの商会長さんですか。ラッセルさんの知り合いというのはこの人のことでしょうか。
「ご丁寧にありがとうございます。タイランスで、アウトフィットと言う店をを営んでおりますカオリと申します。カオリとよんで頂ければ。」
ご存じのようですが、挨拶は大切ですから。
「ラッセルより色々お話は伺っております。話しに聞くよりずっとお若いのですね。」
若いと言われるのは嬉しいですが、どちらかというと幼い部類に入りそうで・・・
「ラッセルさんのお知り合いでしたか。うちの商品を置いていただきありがとうございます。」
「こちらこそ、飛ぶように売れていき、今は在庫がほとんどありませんよ。」
そんな話をしながら奥に案内されます。断る理由もありませんし、こちらでどの様に売れているかなど聞くことができれば次に繋がります。
落ち着いた感じの応接室ですね。こういったお部屋を用意しておくといいですね。覚えておきましょう。
やはり、品不足からまがい物が出回るようになったとのことです。意外と需要があるのですね・・・
こちらの店に卸している物は普通のTシャツとロングTシャツの2種類とのことです。女性にロングTシャツがよく売れているとのことです。王女殿下が購入したことが影響してるのでしょうか・・・
その後も色々話を聞かせて貰いました。こちらの店では女性客が多いようで、「可愛いは正義」とロングTシャツがよく売れているとのことです。
「ロングTシャツですが、白色しか作ってませんでしたが他の色もあった方がいいですか?」
「他の色もあるのですか?」
「いえ、ありませんが要望があればつくろうかと思いまして。」
「そうですな、派手すぎない物で何色かあると良いかもしれません。」
「わかりました。何色か作ってこちらのお店に送ってもらえるようにします。私がタイランスに戻ってからになるので、少し時間がかかるかもしれませんが・・・」
「わざわざ作って頂けるのですか?」
「要望があればできるだけ答えたいと思いますので。」
本当なら今晩作って明日にでも何着か持ってくることができるのですけどね。2週間くらい開けてこの店に届くようにすればいいでしょうか・・・1度考えておきましょう。
どの様な商品がどんな人に売れているかがわかったのはいいことです。今後の参考になりますから。
「ところで、カオリさんは冒険者用の装備も手がけておられるとか。」
「受注生産ですがやらせて頂いてますよ。」
「そうですか、受注生産ですか・・・」
できれば置きたいといった顔ですね。
「サイズとかもあるのでできればオーダーメイドでやりたいと思いまして。」
「なるほど・・・ローブとかのようにフリーサイズの物とかは作られないのですか?」
フリーサイズですか・・・確かにそれであれば多少は作り置きができますね。布物ですし多少は融通も利きますが・・・
「今のところは考えておりませんが、1度考えてみますね。」
「おおぉ~よろしくお願いします。うちも少なからず冒険者も立ち寄りますから、目玉商品などあれば助かるのです。」
なるほど、目玉商品ですか・・・考えておくのもいいかもしれませんね。冒険者用の装備というわけではなく、普通の服としても目玉となる商品は必要と言うことですね・・・
「目玉商品ですか。冒険者用の物をどうするかは置いておくとして、Tシャツの他にも目玉となる物はあった方がいいかもしれませんね。」
「そうですな。特別な品というのがあってもいいかもしれません。」
特別ですか・・・ドレスっぽい物ですか?
「1度考えてみますね。」
結構長話をしてしまいましたね。でも、実りのある話でしたからいいと思います。今後の方針もある程度ですが定まってきました。まだまだ方向転換するかもしれませんが、とりあえずは「特別」をどの様な物にするかを考えることにしましょう。
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