097.お風呂に入れないみたいです。
旅に出ると決めましたので、馬車の手入れをしましょう。人数も増えましたし、少し広くしたほうがいいですね。寝るときに狭くなりそうですから・・・私以外寝る必要がないのですが、私の気持ち的にみんなにも寝てもらいたいのです。
野営時に2人は見張をしてもらわないといけませんが、残りは馬車の中で寝るわけですし・・・
という事で中を少し広くして、1人余分に乗れるようにしました。これで、寝るときに楽になるはずです。馬車を引く馬の他に一頭馬を用意してありますし、昼間の移動は十分でしょう。
持ち物は全て私の空間収納に入れてしまいますので、馬車に乗せる必要がありません。荷物が少なくていいのは楽でいいです。念の為にマジックバックは持っていきますよ。空間収納を持っていることは知られないほうがよさそうなので・・・まぁ、マジックバックもそれなりなのですが・・・
とりあえず持って行くものは・・・新作の装備ですね。もちろん魔物素材など使っていないデザイン見本ですけど。王女殿下に作ったものと同じデザインのものを持っていきます。もちろん、以前作ったものも持っていきますけどね。一応商人として商品くらい持ってないと格好がつきません。私の場合デザインが商品と言ってもいいのですけどね。
準備は整ったので、しばらく店を閉めて旅に出るということを工房とガンテツさんに伝えておきます。心配されるといけませんからね。後は、商業ギルドにも話をしておきましょう。行った先々でも商業ギルドにはよりますけど。いろいろ情報も貰うつもりですから。どこかのギルドと違って色々気を利かせてくれるのは有難いです。最初から商業ギルドに登録しておけばよかったです。
まずはスニドラへ向けて出発です。前は2日でスニドラまで移動しましたが、今回からはゆっくりと移動しますよ。普通は3日かかるのですから・・・
移動用のお風呂も作りましたし・・・でも、人気のないところで野営しないといけませんけどね。それが少しネックですか・・・まぁ、道中いつでも入れるだけでもいいですか。野営の時に入らないといけないわけでもありません。お昼でもいいのですからね。
まずは、イロハに馬に乗ってもらいましょう。御者は・・・メアリがやるのですか?道中ずっとですか・・・そうですか、自分の仕事だから譲るつもりはないわけですね。それなら仕方ありません。何かあったら替わるんですよ。
馬車の中は私と、アヤハ、コトハ、キクの4人ですね。馬車だけの旅は危険だと言うことなので、イロハが馬で護衛の真似事をしてくれるのは有難いです。何か襲ってくるような事があれば、アヤハとコトハが先に気が付いてくれるでしょうから本当に真似事になりますね。強いていうなら、一番最初に動けると言ったことでしょうか。
何にせよ外に1人いてくれることは非常に安心感があります。明日はコトハに外で頑張ってもらいましょうね。みんな順番ですよ。イロハだけずっと外なのは可哀想ですから。
たまにすれ違う馬車はありますが、基本的に何も問題ありません。道中何もないのはいいことです。町を移動するたびに何か問題があるのはラノベの中だけです。普通は問題なんて起こらない物です。フラグ?知りませんよそんなもの。
ほら、何事もなく最初の野営地に着いたじゃないですか。そうですね、野営地に着いてしまいました・・・他の馬車もいるじゃないですか・・・何事も起こらないことをいいことに、ここまで馬車を走らせてしまいました。途中で止めてお風呂タイムにするつもりでしたのに・・・仕方ありません、今日は我慢です。明日、村へ入る前にどこかでお風呂タイムにしましょう。これがフラグだったのでしょうか・・・特に問題ではないんですけどね・・・私がお風呂に入りそびれただけです・・・
馬車が何台か止めてある野営地ですが、見張りくらい立てないといけません。今日馬に乗っていたイロハと明日馬に乗るコトハはゆっくり休んでくださいね。
「アヤハ、今日は夜の見張りをお願いするわね。」
『はい、お母様。』
「メアリは見張りには立たなくていいから御者とご飯の支度をお願いね。」
『わかりました。では食事の支度をはじめますね。』
いい娘達です。夕飯を食べた後ゆっくりしていると、乗合馬車の御者さんでしょうか・・・こちらへやってきますね。
「こんばんは、お嬢さん。ちょっといいかい?」
「はい、なんでしょうか?」
何か困りごとでしょうか?私たちにできることなどあまりないですよ。
「お嬢さん達はスニドラへ向かうんだろ。もしよければだが、明日は一緒に進まないか?1台より2台で動いた方が襲われにくいだろうからな。」
なるほど、魔物にしても盗賊にしても襲いにくくなるって事ですね。断る理由がないですね・・・私のお風呂が遠ざかるだけです・・・仕方ありません・・・やっぱりフラグだったようですね。お風呂に入れないなんて大問題ですよ。
「わかりました。では明日は一緒にスニドラへ向かうと言うことでよろしいですか。」
「ああ、よろしく頼む。」
ああ、あっちでも話しかけていますね。結構大所帯になりそうですよ。
翌日は馬車4台での移動となりました。確かに安全ですね。護衛なども増えるのですから・・・
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