094.移動用を作るみたいです。

 朝起きたら、隣でイロハが眠っています。寝息立てるんですね・・・スリープモードはつけて正解ですね。可愛さ倍増です。

 「イロハ、起きなさい。朝ですよ。」

 『母様・・・』

 「おはよう、イロハ。」

 『おはようございます。』

 何気ない朝の挨拶ですが凄く新鮮に感じます。今までは、私が目を覚ます時は必ずみんな起きてましたから。当然ですよね、寝てないのですから。私の横で寝転んでるだけだったのです。

 もう少しゴロゴロしていたくなりました・・・

 「イロハ、もう少し寝てましょうか。」

 イロハと一緒にゴロゴロしましょう。そのままイロハをギュッと抱きしめます。

 『起きなくていいの?』

 「うん、もう少しだけ。イロハはこうやってギュッてされるのは嫌?」

 『ううん、嫌じゃない・・・』

 全く嫌がってませんね。イロハの方からギュッとしてきます。もうしばらくこうしていましょう。



 ウトウトしてしまっていたようですね。イロハの顔が目の前にあります。かなり近いですよ。

 「そろそろ起きよっか。」

 『うん、母様が起きるなら私も起きるね。』

 ずいぶん日が高くなっていますね。もう朝という感じではないですね。もう、9時ですか・・・間違いなく朝という感じではありません。

 ちょっと遅い朝食をすませ、お店を開けます。うちの商品で売れているのは主にTシャツなので、こちらの店に来る人はごくごく少数です。店を開ける時間が遅れたからと言って何も困ることはありません。だからといって不規則はよくないのですけど・・・


 王女殿下に装備を引き渡すと、今請け負っている仕事は一段落しますね。しばらく店を閉めて旅行に行くのもいいかもしれません。


 ガンドレアにあるラッセルさんのお店を見に行くのもいいかもしれないです。結構大きいと聞いていますから。

 そうすると、目下のところやらなければいけないことは、移動用のお風呂の作成ですね。主に考えないといけないことは水の調達と、どうやって温めるか。

 水は魔法で出すことは出来ますが、量が半端じゃないです。そうそう何百リットルもの水は出せません。川などが近くにあればポンプがあればくみ出しが出来ますね。

 お湯を出す魔導具につなげば水は大丈夫です。バスタブは・・・作って空間収納に入れておきましょう。

 残り湯も翌朝まで冷やして、川に流すしかないですね。水場の近くでしか使えないですがそれはそれで仕方ないでしょう。


 方針が決まったので、ポンプを作ります。もちろん魔導具です。多分何とかなる気がするのです。本当は、蛇口ひねるだけでお湯が出る魔導具があれば良いんですけどね・・・さすがにそんな物はないでしょうから・・・


 無いなら作れば良いのですよね?お湯を出す魔導具と、ウオーターを組み合わせると出来そうな気がしてきました。出来なければそれまでです。やってみましょう。

 材料は、魔石と金属ですね。ではやってみます。クリエイトしましょう。

 一応繭が出来ましたね。と言うことは出来るのでしょうか・・・いえ、出来上がったものからお湯が出なければ失敗ですから・・・


 しばらく時間がかかりそうなので、その場を離れてお茶でもしましょう。

 「メアリ、お茶をお願い出来るかしら。」

 『はい、ただいまお持ちしますね。スコーンを作りましたが、一緒にお持ちしましょうか。』

 メアリが焼いたのですか?スコーンですか・・・いいですね。ジャムとかもあると良いのですが。

 「ええ、お願いするわ。ジャムとかもある?」

 『リンゴのジャムでよろしければ。』

 リンゴジャムですか。いいですね。メアリはとても有能ですね。

 「それでお願い。」

 みんなで、お茶をしながら魔導具が出来るのを待ちます。


 ガンドレアまで行くとして、早いのはシーバレンスを経由して行くのが早いです。遠回りして、スニドラ、王都、ガンドレア、シーバレンスと回って帰ってくるのも有りですね。ラッセルさんのところに行くだけではないのですから、ゆったりと王都まわりで行きましょう。2ヶ月くらいで帰ってこれば良い、そんな感じに考えてゆっくり回りましょう。



 そろそろ出来上がっているでしょうか・・・屋根裏部屋に行ってみます。床に蛇口が落ちてますね。本当に蛇口だけといった感じです。ここで試すと部屋が水浸しになるのでお風呂場で試すことにします。


 出ますね・・・魔力を注がないといけないですが、ウオーターを使い続けることを考えると楽なものです。いいものが出来上がりました。これを取り付けることが出来るバスタブを作らないといけません。

 コトハが私のことをじっと見つめてきますね。なんでしょうか?

 「コトハ、お母さんに何か用事?」

 『かぁさんはバスタブを作るんですよね?』

 「ええ、今から作りますよ。」

 『私も一緒に入れるお風呂?』

 ああ、おっきなお風呂がいいと言うことですか・・・でも移動用のお風呂ですからね。そこまで大きなものは作りませんよ。私も1人用を作るつもりでしたし・・・

 「コトハは一緒に入りたいの?」

 『うん、かぁさんと一緒に入りたい。』

 可愛いことを言いますね。ところで、アヤハとイロハはなぜこちらを睨んでいるのですか?4人で一緒に入れるお風呂は無理ですよ?お風呂を覆う小屋も必要なのですからね。家を持ち運ぶようなことは出来ませんよ。



 その後、裏庭で小さな小屋と2人用のバスタブを作りました。もちろん空間収納にしまっておきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る