072.お出かけするみたいです。

後日、ガンテツさんに付与について聞いたところ。

 1番人気があるのは「物理防御力アップ」「魔法防御力アップ」

 その次に「物理攻撃力アップ」「魔法攻撃力アップ」「魔力消費減少」

 耐性系もあるそうですが、人気的にはそれほど無いそうです。メインは防御力アップになりそうですね。特に私が作るのは分類としては防具系ですから、防御力アップが付く方が自然ですね。

 後は、魔力消費減少でしょうか。魔法職が多いでしょうから、こちらの方が人気が出る気もします。基本価格の10倍、8倍、5倍といった感じでしょうか。ガンテツさんにくれぐれも安売りしてくれるなと、きつく言われましたから。基本価格は魔物素材を使った装備で3000ですね。もちろん素材持ち込みです。なので防御力アップの効果が付いた装備は30000になるという計算ですね。

 価格がわかりやすくて良いです。素材をこちらで用意する場合は、応相談という事にしておきましょう。うちで用意出来る素材なんて、ワイルドボアかワイルドディアくらいですよ。



 注文を受けていた人たちが、徐々に魔物素材を持ってお店に来ますね。ワイルドベアを持ってくる人ばかりですね。やはり、せっかく作るのだからボアやディアではもったいないと言うことでしょうか。私にはわかりませんが素材によって強度が変わるのでしょうか。1度強度について調べてみましょう。同じ装備をボア、ディア、ベアで作ってから、鑑定してみれば良いんです。強度が知りたいと念じれば判るかもしれません。判らないかもしれませんが・・・


 セーラージャケット装備一式の発注が来てますね。依頼は紫紺ですか。では、ボアを深緋でディアを紺瑠璃で作りましょう。こうすれば間違うことも無いでしょうから。



 出来上がったようですので、強度を鑑定してみましょう。詳細な強度まで判りましたが、結局の所わずかばかりの差でボア<ディア<ベアのようです。頑張ってベアを倒す程の差では無さそうです。

 では他の人のも作ってしまいましょう。魔物素材を使って作るだけの3人分は作り終えましたが、魔法付与をする人はまだ素材を持ってきませんからしばらく後ですね。



 忙しかったのは初日だけでしたね。あれからほとんどお客さんが来ません・・・私的には一般の服を買いに来て欲しいのですが・・・冒険者用の装備は、売れればラッキー的に考えてたんですよ。

 仕方ありません。変わった服があるんですアピールをしましょう。

 アヤハ達を呼びます。もちろんメアリもです。

 「みんなにお願いがあるの。お店にある服を着てお使いに行ってきて欲しいの。」

 お使いは別に何処でも良いのです。とにかくうちの服を着て外を歩くのが目的です。色んな人に見てもらって、認知してもらうことが目的です。

 『どれを着ていけば良いのですか?』

 「どれでも良いの、アヤハがこれが可愛いと思った物を着て行きなさい。」

 『お嬢様、私もその服を着ていくのでしょうか?』

 「ええ、メアリも店の服を着てちょうだい。お店の服を宣伝することが目的だから。」

 『そうなのですね、判りました。見目の良いものを選んで出かけます。』

 うん、趣旨を説明しておかなければいけませんでしたね。

 「とりあえず、アヤハとメアリで夕飯の買い物をしてきてちょうだい。」

 『『わかりました。』』

 「イロハとコトハは魔法屋さんに行ってきてもらえる。魔石が売ってないかみてきて欲しいの。」

 「はい、母様。」

 「わかったよ、かぁさん。」

 うん、2人とも可愛いですね。

 「イロハ、もし攻撃魔法が売っていたら1つ買ってきてもらえるかしら。火の攻撃魔法がいいわ。」

 イロハのカードに3000程移しておきましょう。予算は2000までとしておきます。多少のオーバーは構いませんが出来ればこのくらいに抑えたいですね。攻撃魔法の価格?知りませんよ。だからちょっと余分に持たせるんじゃないですか。

 4人に好きな服を着せてお出かけさせましょう。念の為4人のコーディネイトを確認しますが、特に奇抜な服装はしていないようです。これなら大丈夫です。

 店の前まで見送りに出ましょう。1人になるとちょっと寂しいですね。しばらく出してあげてなかったですし、キクを出してあげましょう。

 「キク、出てらっしゃい。」

 『・・・・・・・・・・』

 むくれてますね・・・

 「ごめんね、あまり出してあげられなくて。」

 『・・・・・・・・・・』

 まだ怒ってますか・・・

 「私は使ってあげることが出来ないけど、魔力を補充してあげるからこっち来て。」

 懐柔してみましょう。キクも魔力が必要だったはずです。いくら空気中の魔力で足りると言っても魔力補充は大事でしょうから。

 『これからはもう少し出してくれるですか?』

 「うん、出してあげる。この家の中でだったらその姿のままでいてもいいよ。」

 『ホントなのです?』

 「ここはわたしの家だから、自由にしていいのよ。」

 そうですね、もう宿屋とかではないので自由にしてもらっても大丈夫なんですよ。忘れてましたね、これからはキクも家族の一員として居てもらいましょう。

 『コトハはどうしたのです?』

 ああ、いつもはコトハに預けてありますからね。気になるのでしょう。

 「今はイロハとお使いに行ってるわ。しばらくしたら戻ると思うわ。」

 『残念なのです・・・』

 寂しいのでしょうか・・・気がついていれば先に出してあげたのですが・・・

 みんなの帰りを2人で待ちましょう。

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