037.盾を作ってもらうみたいです。
さて、武器や巡りで良い物が見つからなかったので鍛冶屋を回ってみる事にします。まぁ、結局の所イロハに色々見せて気に入った物を見つけるしかないんですけど。鍛冶屋ならば普通には卸さないような物もあるかなと思ってます。イロハが気に入ればいいんですよ。
鍛冶屋を見て回りますが、店先に何かが置いてあるわけではないんですね。いわゆるオーダーメイドというやつでしょうか?それだと時間がかかってしまいますね。何処かしら1軒入ってみましょうか。
中には一応店番らしき人はいるんですね。すぐに鍛冶場があると思ってました・・・
「すみません・・・盾が欲しくて見て回っているんですが、こちらでも扱っていますか?」
わからないから聞いてみるしかありませんね。鍛冶屋なのですから扱っているとは思いますが、うちは鍋専門だとか言われるかもしれませんしね・・・
「盾ですか?ありますけど武器屋などを回られた方が種類はあるかと思いますよ。」
小柄な女性ですね。確かに、武器屋とかの方が種類はあるのでしょうがもう回ってきたのですよ・・・
「ええ、武器屋はもう回ってきたのですがなかなか思った物が無くてこちらを覗かせてもらったんです。」
「そうだったんですね、でもうちは注文を受けてから取りかかりますので急ぎでしたら難しいですよ。」
やはりオーダーメイドですか・・・値段もそれなりなのでしょうね・・・
「そこまで急ぎではないのですが・・・」
「急ぎで無いのなら大丈夫かと思います。どなたが使われるのでしょうか?採寸とかもありますし、形などの相談もさせて頂きたいので奥にどうぞ。」
奥に部屋があるようですね。おじゃましましょうか。部屋と言っても作業部屋のような所ですね。さすがに鍛冶場では無いようですが、半分物置のような感じです。
「この子が使う盾が欲しいのです。」
イロハを前に出します。後はイロハにどの様な物が欲しいか言わせればいいでしょう。
「バックラーかラウンドシールド辺りですか?それ以上大きくなるとかなりの重量になりますよ。」
『いえ、大きめのカイトシールドが欲しいのです。』
そうですね、大きくなればそれだけ重くなるんですよね。イロハなら大丈夫かと思いますが・・・
「大きめのカイトシールドですか。馬上用としての使用ですか?。」
大きめのカイトシールドは馬上で使う事があるんですね。知りませんでした。
『いえ、普通に使うのですが。』
「それだと重くなりすぎて移動がかなり大変になりますよ」
その後も色々問答が続いたようですが私にはよく分からない言葉が飛び交い始めたのでコトハとお話しでもしていましょう。
しばらくすると奥の部屋からビヤ樽みたいな髭もじゃの男性が現れましたね。ドワーフでしょうか?この人が鍛治師でしょうね。そうに違いありません、そうと言ってください。
イロハ達との話し合いに口を出し始めましたね。やはりこの人が鍛治師のようです。
「なぁ、あんたじゃそこまで大きな盾は扱えんだろう。もっと小さな物にした方がいいぞ。」
なるほど、もっともな意見ですね。
「イロハ、どうしますか?大きな盾は扱いづらいそうですよ。もう少し小ぶりな物にしますか?」
『母様を守るために使うのですからできる限り大きな物がいいです。扱いは多分大丈夫です。』
「との事ですけど、この子の希望の物を作ってもらう事は無理ですか?」
渋い顔してますね。普通に見ればイロハがそこまで重い物を持てるようには見えませんからね。サンプルでもあれば持たせてもらう事も出来るのでしょうけど・・・
「大きめのカイトシールドの見本みたいな物は無いですか?この子が持てるかどうか試させてもらう事って出来ないでしょうか?」
「ふん、そうだな1度持たせてみて解らせた方がいいかもしれんな。ちょっと待ってろ。」
奥に引っ込んでいきましたね。やはりサンプルみたいな物があるんですね。
出てきましたね。持ってくると言うより半分引きずってますね。確かにあの身長であれば持つと言うより引きずる形になるのでしょうか?
「こいつを持ってみろ。」
けっこう重そうでしたが軽々と持ちますね。やっぱりイロハなら持てるようですね。
『大丈夫みたいです。もう少し幅が広い方がいいかもしれません。』
イロハが軽々と振り回しているので驚いているみたいですね。相当重そうですからねあの盾。
「大丈夫そうなのでこの子の希望で作ってもらえませんか?」
「お、おう・・・」
今度は作る事前提で形などの話し合いみたいですね。盾の形なんて私には解りませんし、またコトハとお話しでもしましょう。
話が終わったみたいですね。
「イロハ、欲しいものが作ってもらえそうですか?」
『はい、母様。希望を色々伝えたので良い物を作ってもらえそうです。』
ニコニコしてますね。そんなに嬉しいのですか。値段もそれなりなのでしょうね。可愛いイロハの頼みなのですから仕方ありませんね。
「それで・・・」
「なぁ、そっちの嬢ちゃん。ちょっといいか?」
遮られてしまいました。
「私ですか?」
「ああ、嬢ちゃん達エルフか?」
はぁ?私たちがエルフ?なぜ、そうなるのですか?
「いえ、私は普通の人ですよ。エルフじゃないですね。」
「そうか、ならいい。嬢ちゃんが母親だって言うからエルフかと思っただけだ。」
はぁ、なるほど。私位の年齢で母親だからエルフと思ったわけですね。それよりいるんですね、エルフ。会ってみたいですね。
「それで・・・」
「嬢ちゃん、それでだなぁ。」
またですか、私にしゃべらせる気が無いんですか。この人は・・・
「なんでしょうか・・・」
「お前さん等が持ってるその剣、ちょっと見せてもらう事は出来るか?」
え、剣ですか・・・何か変な所があるのでしょうか・・・
「剣ですか?別にいいですけど・・・自分で作った物ですし、出来も良くないですよ・・・」
私が適当にそれっぽい物を想像して作っただけですからね。職人からしてみたら出来の悪い物でしょうし・・・とりあえず私の剣を渡しますか。
・・・・・・・・・・
何かすごい目で見てますね。何か1人でブツブツ言ってますよ。よく聞こえませんが、職人というのはあんなものなのでしょうか・・・
「これを嬢ちゃんが作ったって言うのか?」
「え、ええ。」
なんでしょうか・・・適当に作っただけですよ?
「いくら出せば売ってくれる?金貨100000枚までなら出す。」
え、金貨100000枚って、何?
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