035.料理は上手くなかったみたいです。
やっと野営地に着きましたよ。ちょっと広めの空き地ですね。馬車を何台か止めておけるスペースがあるだけと言ったところです。
アリスさん達がテントの準備を始めましたね。大きめのバックパックと思ってましたがあれがマジックバックなんですね。本当にあの中からテントがでてきましたよ。さて、私も準備しましょうか。と言っても寝る所は馬車の中ですから用意するのは竈ですね。食事の用意ですよ。石で竈を組んで火をおこしましょう。そうしたら鍋に水を入れて湧かします。
その間に材料を用意しましょうか。ジャガイモのようなものがありましたしそのほかにも野菜がそれなりにあります。ここは簡単なスープで良いでしょう。塩位しか調味料がありませんが、その辺りは私の料理スキルできっと良い味になってくれると信じてます。
・・・・・・・・・・
ジャガイモの皮が上手くむけません・・・ニンジンっぽいのも上手く切れません・・・私の料理スキルが仕事をしていませんよ・・・一応スープのようなものは出来上がりましたよ。ジャガイモとニンジンその他の野菜を塩味で煮ただけのような悲惨なものですが・・・
食べますけどね・・・お腹すきましたし。アヤハ達は?え、いらないんですか?3人共その可愛そうな物を見るような目はやめて下さい。
結局4人分作りましたが、私しか食べませんでしたよ。空間収納にしまっておきますが、いつ食べましょうか・・・さすがに食べないというのはいけませんからね。
「カオリさん、野営時の見張りはお任せしていいのですよね?」
「ええ、大丈夫ですよ。うちには優秀な娘達がそろってますので。」
「では、見張りはお願いしますね。何かあれば起こして下さい。」
明日は朝早くここを出ると言うことなのでアリスさん達は早めにテントに入ってしまいましたね。私もそろそろ寝ましょうか。見張りはアヤハとコトハにお願いをしてイロハを抱き枕にして寝ます。
もう朝ですか、ベットと布団が良かったおかげで疲れが残っていませんね。この馬車でだったら普通に旅が出来そうです。移動が苦になりませんね。
アリスさん達はもう起きているようです。軽く朝食を取って準備をしましょうか。何でも朝早めにここを出ることでタイランスには夕方頃には着くのだそうです。ゆっくりしていると夕方の混雑に巻き込まれるので早めに出るのが常識となっているそうです。さすがにそんなことは知りませんでしたよ。これはアリスさんに感謝ですね。
「そういえばカオリさんは昨日は何処で寝てたんですか?テントも張ってなかったようですが。」
「私ですか?この馬車の中で寝てましたが、何か?」
「この狭いスペースでですか?イロハさんも一緒だったのでしょ?」
「ええ、ちょうどアリスさんの座っている所の下を引っ張り出すと私が座ってる所に繋がって大きなベットになるんですよ。イロハと2人なら楽に寝れますよ。」
2人とも何か変な顔をしてますね?ソファーベッドではよくある形じゃないですか。ひょっとしてこちらでは珍しい形なんでしょうか?
「カオリさん、お昼休憩の時に1度見せてもらってもいいですか?」
「ええ、いいですけどそんなに珍しいですか?」
「少なくとも私たちはそんなのは見たことも聞いたこともありませんね。」
これはまずいやつですか?それともギリギリセーフ?構造的な問題だけだと思いますから言い逃れ出来る程度でしょう。
しばらく進むと街道の端に寄せて休憩を取ることにしましたよ。お昼休みってやつですね。アリスさん達を下ろすと座席を引っぱりだしてベットの形にして見せます。けっこう驚いていますね。そこまで難しい構造はしてませんから作ろうと思えば作れるでしょう。色々メモをとっていますね。これは作る気でしょうね。まぁ、私に作り方を教えろと言っても無駄なので頑張ってもらいましょう。見せる位であれば見せてあげますので。
昼休憩と言うより馬車の内覧会のような感じになってしまいましたが、食事を終えタイランスに向かっています。夕方位には着くという話ですので、そろそろ見えてきても良い頃でしょうか?
「イロハ、タイランスはまだ見えてきませんか?」
今日の御者はイロハに頼んであります。3人に1日交替でお願いしてあります。御者をやった娘が翌日私の隣ですね。
「城壁のようなものが見えてきましたのであれがタイランスだと思います。」
やっと見えてきたようですね。もうしばらくかかるようですがやっとタイランスについたといった感じですね。
「アリスさん、タイランスは鍛冶が盛んな町と言うことでしたよね?」
「そうですよ、近くに良質な鉄鉱石がとれる鉱山があるのでここに町が出来たと言った感じですね。」
鉄以外にも何かありますかね・・・ファンタジーっぽい世界ですからミスリルとかオリハルコンとかそんなのもあるんでしょうか?
「鉄以外にはどの様な物が採れるんですか?」
「そうですね、銀とミスリルが採れるそうですよ。ミスリルはごく少量だそうですが。」
あ、やっぱりミスリルもあるんですね。少しでいいので購入しておきたいですね。町に着いたら色々店を回ってみましょうか。
そんな話をしているうちに門が見えてきたようですね。そこそこ列が出来ているようですね。しばらく町に入るまで時間がかかるようです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます