彼女たち

山崎涼音

序章

 誰かが自分を助けてくれる、夢を見ていた。誰かのかけがえのない一人になることを夢見ていた。

 ほかの人は誰も持っていないような煌めきを、私は手にすることができると思っていた。

 

 私にもう日常は終わりだよと言って。

 そして強引に連れ出してほしい。

 君にここは似合わないと言って。

 きっと私は泣いてしまうだろうけれど。

 私を見て、私を欲しがって、私を手に入れて。私をここから出して。君は頑張ったと言って。私を星だと言って、自分に必要だと言って。救って。そして終わりにして。

 誰でも構わないから。

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