第25話
「うわ…またかよ…」
モンスターを探して住宅街を歩いていると、見覚えのあるモンスターを見かけた。
豚頭を持った二足歩行のモンスター。
コンビニでも遭遇した、オークだ。
しゃがみ込んで何をしているのかと目を凝らすと、あろうことか、前回同様女性の死体を犯している。
異種族間で子供をなせる種族なのだろうか。
「うぇえ…」
グロテスクな光景に、俺は吐き気を催す。
これ以上見ていられなかったため、俺は金属バットを握りしめ、迷わずオークの頭部に振り下ろす。
グシャ!!!
粉砕音がなり、一発でオークは絶命した。
女性の死体に覆い被さるようにして、地面に倒れふす。
「お…一発だったな…」
前回こいつと遭遇した時は、倒すのに何発もの攻撃を要したが、今回は一発で済んだ。
「レベルアップしたからか…?」
ひょっとしてこれがレベルが上がったことによる恩恵だろうか。
俺が首を傾げていると、頭の中でアナウンスが響いた。
〜オーク一体の討伐を確認しました〜
〜レベルが21になりました〜
〜スキルポイントを150獲得しました〜
レベルが上がり、スキルポイントが手に入ったようだ。
俺は急いでステータスを確認する。
名前:西村博隆
レベル:21
スキルポイント:280
スキル:回復、収納
獲得可能スキル一覧
・加速スキル(必要スキルポイント10)
・浮遊スキル(必要スキルポイント200)
・鑑定スキル(必要スキルポイント250)
「お、獲得可能スキルが増えているな」
オーク討伐によって手に入ったスキルポイントが反映されているのみならず、新たに獲得可能スキルが増えていた。
鑑定スキル。
名前から察するに、これは小説やゲームで定番のあれだろう。
モンスターの強さとか、特性を知ることのできるあの便利なやつだ。
「これは取っておきたいな…」
もし鑑定スキルが、俺の想像通りのスキルなら、かなり便利で役に立つ代物だ。
他の二つのスキルもどのような能力なのか気にはなるのだが、しかし名前からして現状あまり必要なスキルには思えない。
「うーん…ここは思い切って使うか…それともスキルポイント保持か…」
散々迷った挙句、俺は鑑定スキルを獲得することにした。
ウィンドウを操作し、スキルを獲得。
するとすぐさまステータスに反映され、残ったスキルポイントが30となった。
名前:西村博隆
レベル:21
スキルポイント:30
スキル:回復、収納、鑑定
獲得可能スキル一覧
・加速スキル(必要スキルポイント10)
・浮遊スキル(必要スキルポイント200)
「よし…獲得完了…じゃあ、早速使ってみるか」
鑑定スキルを獲得した俺は、早速使ってその能力を試してみることにした。
「死体でも行けるか?それとも、生きていないとダメか…?まぁ、物は試しだ」
オークの死体を鑑定できるかどうか、早速スキルを発動する。
「鑑定」
スキル名を口にした直後、俺の目の前に、ステータスウィンドウと似た半透明のウィンドウが現れた。
名前:オーク
種族:モンスター
レベル:15
スキル:無し
「おおお!!!」
ウィンドウに表示された文字に、俺は感動の声をあげる。
やはり鑑定スキルは俺の想像通りの能力だった。
モンスターの、レベルやスキルの有無を知ることができるのだ。
これは確実に今後役に立つだろう。
「色々検証が必要だな」
死体を鑑定できるということは、もちろん生きた個体も鑑定可能だろう。
それ以外にも、距離や、モンスター以外の鑑定も可能なのか、色々と試して限界を把握する必要がありそうだ。
「さて、次のモンスターを探しに行こうか」
俺は確実に自分が前に進んでいっていることを実感しながら、次のモンスターを探して歩き出すのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます