忘却の意味
くすのき 猫
第1話
ピコン♪
あ、きた
急いでパソコンをクリックする
新しくいれた出会い系アプリのアイコンに通知がきた
「こんにちは、初めまして
関東在住の28歳の保育士です
お友達になりませんか?」
マスクこそしてるが、パッと見の雰囲気はなかなかかわいらしい
すぐに返事を出すと舐められるかも
しばらくはこのままにしておこう
ピコン♪
「こんにちは、初めまして
35歳独身です
都内にお住まいみたいですが、会えますか?」
すごい、まだアプリ設定して2時間しか経ってないのに…生まれて初めての僕に興味があるであろう女性から次々とメールがくる
月1500円なんて安いものだ、なんだ俺だってやっぱり家族から離れたら、女性達との出会いなんていくらでもあるんだ…もっと早く家を出ればよかったよ…33にもなって…
小さくても、ホームページを作る会社を作って独立して半年、おれも様になってきたな
今何時かな?
キッチンの入り口のドアの上にある白い大きな文字盤がついた壁掛け時計に目をやると
また午前10時30分だった。朝ごはんを食べ、顔を拭き、歯を磨きパソコンをいじりだす。
10時半…女の人は保育士…こんな時間にアプリを見れるのか?ふと、テレビでみた、保育園での児童虐待のニュースが一瞬頭に浮かんだが直ぐにそれは消えた。今日は土曜日だから休みの日なのかもしれない
ホームページの作成を2時間ほどして休憩をとる
少し眠いが、さてさてアプリにはどれくらいメールが来てるか開いて見よう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます