俺とアイドルたちの青春な物語り 改訂版

くろとら

第1話 プロローグとは絶対に読んで欲しい話である

太陽の陽気な雰囲気に包まれた春の季節は、何か新しい趣味を始めるのにはぴったりな季節でもあり、気温も適温の為、猛烈な睡魔に襲われてしまう季節でもある。


「・・・ん?」


俺は、窓から射し込まれる太陽の眩しさとなにかと心地よい暖かい春の陽気で目を覚ました。

ベットの上から起き上がり、横にある机を見てみると机の上には開けたばかりのポテトチップスの空き袋や飲みかけのコーラが注がれているグラスが置かれていた。


「・・・何で、こいつらは俺の部屋で寝てるんだ?」


「う・・・ぅぅぅぅ、あ・・・頭が割れる」


「・・・むにゃむにゃ、もう食べられないよ」


「・・・むにゃむにゃ、次こそは私が勝つ」


ベットから降りてみると、机の側でビールの空き缶を抱えて寝ているスタイル抜群の残念美女と銀色のスプーンを大切そうに握りしめながら寝ている飯馬鹿とゲームのコントローラーを抱えて寝ているゲーム馬鹿がそれぞれ寝ていた。


・・・それにしても、何でこの三人は俺の部屋で寝ているんだろうか・・・?


俺は、その事に疑問を抱きながら、昨日のことを思い出そうとしたが、寝起きのせいなのかはっきりとしたことは思い出すことができなかった。

そして、食べかけのお菓子と飲みかけのグラスの横に小さいメモが置かれていることに俺は気が付いた。


『四人ともぐっすりと寝ていたので、起こすのは可哀想だと思って起こしませんでした。零時は学校があるみたいだけど頑張って自力で起きて学校に遅刻しないようにね!! 零時の憧れの女性 響 より♡』


「・・・・・・まじかよ」


机の上に置かれていたメモには、綺麗だがどこか可愛らしい文字でそう書かれていた。

そして、メモを読み終わると同時に壁に掛けられている時計に視線を移してみると、時計の針は七時三十分を指していた。


俺は、その瞬間今自分が置かれている状況を完全に把握することができた。


俺は、机の側で寝ている奴らのことを忘れ、タンスの中から学校の制服を引っ張り出し、一瞬で着替え、事前の内に準備していたのか分からないが勉強机の上に置かれている学生鞄を手に取り、勢い良く自分の部屋から飛び出した。


「あれっ?零時君、まだ学校に行ってなかったんだ?取り敢えず、遅刻しないように車とかに気をつけて行くんだよ」


「はい!!行ってきます!!」


寮の廊下を全力疾走していると、前から寮の管理人さんである一美さんが歩いて来た。

一美さんは、まだ学校に行っていなかった俺に驚きながらも、そう声をかけてきた。

俺は、一美さんにそう声をかけられた後、更に走る速度を上げて寮を飛び出して行き、学校に向かって行った。


あぁ・・・。それにしても、何で俺はこんなことになってしまったんだろうか・・・。

以前の生活のままだったら、絶対にこんなことにはならなかったんだけどなぁ・・・。

やっぱり、こうなってしまった原因は、あいつのあの時の一言だよなぁ・・・。


あいつの一言で、俺の人生は百八十度変わったと言っても過言じゃないよなぁ・・・。


俺は、学校に向かって走りながら、つい一ヶ月ぐらい前に起こった出来事をこうして思い出していた。

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