【資料】ヘンリー五世の宣戦布告「フランスを攻撃せよ」

 第0章〈正義の目覚め〉編・改「0.7 リッシュモンとイングランド:ヘンリー五世の宣戦布告」の参考にしたスピーチの原文を翻訳しました。


 1414年5月、レスターの議会にて。

 実際は、ヘンリー五世の叔父エクセター公が演説しました。

 フランス侵攻(百年戦争の後半戦再開)の一年前です。


 わかりやすく「宣戦布告」としていますが、正式な外交通告ではなく、国内向けに「フランス侵略を正当化する理屈」を述べているニュアンスですね。




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フランスがスコットランドの乳母であり、フランスの資金がスコットランド貴族の支えとなり、フランスが与える教育がスコットランド人の修養と自尊心の源であるならば、フランスを攻撃せよ。


フランスが敗北した場合、誰からの助けを期待できるだろうか?


デンマークから?

あそこの王は我々の義理の兄弟だ。


ポルトガルやカスティーリャから?

これらの国の王は我々の義理の親戚と甥だ。


イタリアから?

あそこは遠すぎる。


ドイツやハンガリーから?

これらの国とは条約を締結している。


つまり、フランスを占領すれば、スコットランドは戦わずして征服される。


さらに忘れてはならないのは、スコットランドは富も喜びもない国だが、その一方でフランスには、肥沃で、快適で、資源に恵まれた豊かな土地がある。

礼儀正しく、機知に富み、穏やかで、秩序ある人たちがいる。


その上、リッチな都市、 美しい村、無数の城(シャトー)、強大な公爵領が24カ所、人口密度の高い州が80以上、有名な司教区103カ所、太った修道院が1000以上、パリには教会が1100堂もあるというではないか。

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