第6話

「こつぶちゃんって、まだ高校生だったのね」

「はい」

「バイトを始める時、親御さんは何か言ったのかしら」

「いいえ、親とは違う家に住んでいるので、

まだ言ってないです」

「あら、そうなの、一人暮らしデビューはやいのね」

「そうなんです」

萌黄さんは、私に仕事中でも話しかけてくれた。

家事などに迷っている事を悟られたのか、ずっと見守ってくれた。

「心配とか、反対とかされなかったの?」

「猛反対されました。でも、なんとか今やっています」

「そうなのね」

鶯家の庭は、外から見てもかなり植物が多い印象だったが、

中に入ってみたら予想よりも木々が生い茂っている。

「こつぶちゃん、その木はもっと水多く」

「分かりました」

「その木じゃないわ」

「えっ、こっちですか?」

「そう、そっちよ」

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