第3話 天使なお仕事



 わたくし、ガブリエルと申します。


 神様の秘書をやっております。ハイ。


 最近、何かと忙しいのは気のせいでしょうか?

 元は何にもないところだったのでのんびりできていましたのに、あれやこれや〝会長〟が作るもんだからやることがたくさんあって大変なんですから。


 その上、犬の世話!

 あり得ません。

 速攻で部下に擦り付けましたわよ。

 どうせ、もう忘れている頃でしょうし。


 ええ。

 そろそろいいんじゃないでしょうか?

 ダンボールに入れて下の街の道端へ置いてきても。

 かわいそうだから唐草模様の風呂敷くらいは進呈しましょう。


 何?

 かわいそうなら捨てるな?

 大丈夫。

 捨ててなんていません。

 置いてくるだけです。

 捨てるなんてそんな。


 ひどいですわ。

 あ・な・た。



 ちょっと、どこ行くんですか?会長・・・じゃなかった神様!

 何?ミカン?仕事してください。この書類に全部、印鑑押してこっちといっしょにホッチキスで止めて下さいね。

 お願いしますよ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る