神の犬

もも吉

神の犬と三毛猫

第1話 私はイヌ。私はネコ。

 


私はイヌ。


 いいえ。ただの犬ではありません。

 もちろん、〝野良〟犬でもありませんよ。ふふふ。


 誰がそんなこと言ってるんですか。失礼な。

 見てくださいこの毛並み。

 あっしが野良なんて・・・あるわけないじゃないですか。

 もちろんノミやダニなんていませんよ。


 あんまし。


 この白くて長い毛をっすぐに保つには、手入れが欠かせません。

 天使様が毎日、お手入れなさってくださいます。

 いいっすょ。マジで、とろけます。


 しかもですよココ、天に住んでるんデス。

 ハイ。それはもう天国のよう!

 天国ですので。


 何がいいかって?

 そりゃ、したいことが何でもできちゃうんですから。

 人間の作った、やっすいドッグフードなんて臭くて、まずくて喰ってられません。

 ウソじゃないですよ。


 ここのメシはうまいんだから。

 どんな味かって? それは・・・秘密です。


 ふふふ

 神様に直接お願いします。

 まぁ、それが出来たら、みんな、何も困らないんですけどね。


 じゃ、そういう事で、わたくしは、〝ぬこウオッチング〟に行ってくるので。

 またな!




私はネコ。


 ふん!

 私は珍しいネコなのよ。とっても。

 毛が3色なのですの。

 短い毛に丸い顔立ちに長い尾。

 ちょっと、先が曲がってるけど。


 そんなのいるよねって?

 そんなわけありません。

 5匹か、6匹に1匹いたらいい方なの。


 しかもよ

 にゃぁーーん

 この声よ!


 これで落ちない人はいませんわ。

 大抵の人は餌をくれますの。

 だってそうでしょう?

 こんなにかわいいんですもの。


 さて。

 さっきから漂うこの匂いは、かつお節。

 今日のごはんはねこまんまかしら~

 かつおぶし、たっぷりにしてほしいわ。


 ん?

 そんなわけないじゃないですか。

 貰ってるごはんは一件なんて、そんなの・・・ありえません。

 だってそうでしょう皆さま。


 じゃ、わたしは忙しいので。

 ごきげんよう。


 あ。そうそう 言い忘れましたわ。

 お近づきになりたい方は、イリコなんかじゃなく

〝かつお節〟以上でおねがいね。


 にゃ、失礼。


 おっと。

 よだれが出てしまいました。



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