旅する錬金術師のスローライフ！

第一章〜異世界生活は波乱万丈⁉〜

プロローグ

　－－錬金術って最高。

　いつか賢者の石を作って大金持ちになるの。世界中を旅して、美味しいものを食べ歩きたい。

　……そんな幻想を胸に抱きながら、今日も退屈な授業をこなし、帰路につく。

　その途中、あたしは交通事故に巻き込まれた。

　周囲が暗闇に包まれ、体の感覚がなくなっていく中、事故直後の様子を思い出して「これは……あたし死んだなぁ」とか考えていると、唐突に光が降ってきた。

　何事かと思っていたら、光の中から自らを『神』と名乗るおじいちゃんが現れた。まさか、これが噂に聞く異世界転生！？　と驚くヒマもなく、神様はあたしに転生先の職業を聞いてきた。

　……あたしの答えは一つ。錬金術師。それも、最強の。

『錬金術師じゃと？　これまた、マイナーな職業を選ぶのう……』なんて言いながら、神様は了承してくれた。

　そしてめでたく錬金術師にクラスチェンジしたあたしは、より一層強い光に包まれて、意識を失った。