たまに考える

さくらもち

第1話 文字を書くと言うこと

不意に、思い出した。私は人前で文字を書くのが苦手だった。人が見ている、それだけで緊張した。手が震え、文字も震える。恥ずかしさが込み上げて顔が赤くなる。 


 なぜあんなに緊張したのか今はわからない。いや、どうして震えなくなったのかもわからない。いつのまにか、震えなくなった。経験だろうか、何度も人前で書いたから。


 多分、人を怖がっていた。早く書かないと、人を待たせている。目の前の人は私が書き終わるのを待っている。イライラされやしないだろうか。怯えた状態で書くから、文字が震える。


パソコンや、スマホは良い。

誰が書いても同じだ。

震えたりしない。

自分から震えた文字が見えないのだから、安心してスイスイ書ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る