23.2日目朝食

(さぁ!おはよう〜ございます!)


しっかりと寝て現在は午前9時過ぎ。8時半に起きて朝の支度を済ませたところ。旅行中は基本的に寝起きは何故か良い。睡眠時間が少なくてもスッキリ起きられることは多いだろう。俺としても睡眠時間6時間半でこの寝起きは恐ろしい。


(毎朝こんなんだったらいいけども)


絶対に有り得ない。ホテルだということでテンションが高いから寝起きがやけに良いのだろう。

この時間に起きた理由は9時半に朝ごはんを食べるためだ。朝食付きのプランで宿泊しているので必ず食べなくてはならない。朝食の付いていないプランと2000円の差があるのでさぞかし豪華な朝食なのだと期待している。


(そして、足が痛い)


テンション高いのはいいとして、結局昨日の疲れは取れず足は筋肉痛のような状態に。夜にストレッチやマッサージをしたのでいかんせん状態は悪くないはず。それでも痛いのだから余程歩いたのだろう。湿布など持ってきていれば尚良かったのだがあいにく持ってきていない。次は持ってくることにする。


(さて、そろそろ行くか)


時間的にもそろそろ行って問題無いはず。

何が朝食として提供されるか分からないがワクワクを胸に朝食会場へと向かう。

俺は部屋を出てやけにオシャレなエレベーターで下に降りた。ロビーを通り過ぎて朝食会場と思われる場所へ一直線。同じエレベーターに乗ってた人も同じ場所に向かっているのでついて行くだけだ。


「いらっしゃいませ。朝食券をお願いします」


チェックインの時に貰った紙のことだ。前の人はそれを提出して席に行った。次は俺の番。


「いらっしゃいませ。朝食券をお願いします」

「あ、はい」

「和食と洋食どうなさいますか」


和食と洋食が選べる方式らしいが京都に来ているのでもちろん和食だ。


「和食で」

「かしこまりました。ではこちらです」


俺はホテルマンに連れられて窓際の席に案内された。中々にいい席だった。


「お持ちいたしますのでお待ちください」


俺は軽く会釈をしたのでホテルマンは去っていった。どうやら元は2人席のようだ。テーブル席に連れてかれなくて良かったと本気で思っている。4人席に1人は流石に嫌である。


(ん〜いい席なんだけどやっぱり俺浮いてね?)


今日も全身古着であることに変わりはない。明らかに浮いている自信がある。席の両隣を確認すると明確だった。


(えっと、右隣さんは…老夫婦か。なんとも微笑ましい)


老夫婦が2人で食事をしていた。凄いホッコリする絵で朝から気分が良い。


(そして、左隣は…親子かな?)


親子と言っても「子供」では無い。40代か50代の人が母親と思われる人と座っているのだ。関係性が違ったら申し訳ないがそのように見える。親孝行でもしているのだろうか。


(ほぉ、あれ、やっぱり場違い?)


両隣共に明らかに年齢層が違うし互いに上品な雰囲気を醸し出している。高級そうなお店にいて上品な方々に挟まれた大学生男の絵を想像して欲しい。大学生が際立って見えてしまうだろう。まさしくその状況が完成されている。


(恥ずっ)


せめてカッチリとした格好をしていれば良かったが仕方がない。


「お待たせ致しました。お食事です」


食事が運ばれてきた。かなり豪勢だ。説明を受けたが詳しくは分からなかった。要約すると京都の有名料理屋や料亭の品があるらしく、分かったのは「辻利」の抹茶ジュースくらい。他は聞いたことない料理屋の名前が並んでいた。


(なるほど、朝食が2000円する理由がわかったわ)


こんな豪勢な朝食食べたことないもので興奮はしている。


(魚、胡麻豆腐、茶碗蒸し、お味噌汁、白米、抹茶ジュース、湯葉、だし巻き玉子、わらび餅。多!)


豊富なラインナップに驚きながらも俺は朝食を楽しみ始めた。ここまでの俺を見ればわかるとおり京都らしいものを食していない。つまりはこの朝食で京都らしいものをほとんど網羅できるのである。それぞれが有名店提供品なのでその店のイチオシ品を食べているのだ。京都市内で京都っぽいものを食べなくともこの朝食を食べることで「京都っぽいものは結構食べたよ」と言えるのだ。姑息な手段であることは間違いないけども事実。どうせ今日も和テイストのおしゃれなお店に寄らずお寺を巡りまくるはず。なので、この場で京都を食べることができて正直ありがたい。


(美味すぎる!cvスネークfrom MGS3)


通じない小ボケを挟んだところでゆっくり食事をとることにする。


(ごちそうさまでした)


俺は朝食を終えた。かなりの満足感と満腹感で満たされている。朝食をとった時間が少し遅かったこともありもう朝食会場にはそんなに人はいない。長居するのも申し訳ないので俺は席を立って朝食会場を出て自室に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る