四月一八日(月) 昼過ぎ  葛城高校

 聖川敬太ひじりかわけいたがいなければ、自分の高校生活は真っ暗なスタートになったかもしれないと、有平忠志ありひらただしは思った。


 新学期。


 その名字のせいで一番前に座らされ、毎朝出席確認で呼ばれるのも一番最初だった。そのため、全員から名前を覚えられるのは早かったが、どんな人間か観察されるのも早かった。すぐに、忠志が内気でおとなしい人間だということが知れ、話しかけられることも何かに誘われることもないまま一週間が経った。ほとんどのクラスメートが、それぞれ新しい友達とグループを作り始めるというのに、予想通り忠志は一人で本を読んだりして過ごすことになるのだった。


 ――いいさ、別に。


 高校生活など、大学受験の肥やしみたいなものだと忠志は考えることにした。

 しかし、すぐさま不安になった。


 ――大学、行けるのか?


 成績のことではなく、経済的な不安だった。


 忠志は母子家庭に育った。


 両親は、忠志が小学校に入る頃に離婚し、忠志と年の離れた兄は母親に引き取られた。

 母親が結婚する以前から働いていたおかげで、生活は困窮するほどではなかったが、兄が専門学校を出て独立するまでは何かと節約をしていた。そして、忠志が高校に上がると、安心した母親は家庭より本格的に仕事を優先するようになった。


 別にそれを悪くいうつもりはないのだが、忠志の将来を母親がどう考えているかわからなかった。忠志自身は大学に進みたいと考えているものの、奨学金がもらえるほど優秀ではないので、どうしても学費は頼むしかない。そのシチュエーションが頭によぎるたび、憂鬱になる。朝は早く帰りが遅い母と会話する機会などほとんどない上に、何となく母を遠ざけてしまう自分もいる。頼み事など出来る自信もない。兄に相談しようとも思ったが、おそらく自分の生活に精一杯だろう。結局、忠志は家でも学校でも一人で悩んで、とりあえず勉強だけはしておこうと自分を励ました。


 一方で、一人ぼっちのまま時間が過ぎてしまうのだろうかという不安に駆られているのも事実である。


 そんなある日のことだった。


 昼休み、クラスを見渡せば女子は机を動かしてグループの島々を作り、男子もくだらない会話をしながら楽しそうに弁当を食べていた。一人なのは自分だけだと思った時、いつの間にか右隣の席に男子生徒が一人、机に顔を伏せて座っていた。

 忠志の隣は女子生徒の席なので、勝手に座っているのだろうけれど、同じクラスの人間かどうかも疑わしかった。忠志は全員の名前も顔もまだ把握しきれていないのだ。

 ところが、他の何人かの生徒もチラチラとこちらを見ているようだった。やはり隣のクラスの生徒だろうか。よく見れば髪も染めている。あまり関わらない方が良いのかもしれない。


 すると伏せていた顔をこちらに向けて、その男子は忠志を見た。


「その卵焼き。美味そうだな」


 突然の言葉に忠志は戸惑った。

 いきなり何だ。


 後ろから数人の男子の声がした。

「あれ、聖川だ」

「今日は出社が早いじゃんかよ」

「何だ、その髪」

 うるせえと返しながら、聖川と呼ばれた男子生徒は忠志に向き直って言った。

「オレ、聖川敬太。お前は」

 忠志は喉が引っ付きながらも頑張って応じた。

「あり、有平忠志です」

「何で敬語なんだよ。オレ怖いか?」

 すると、また後ろから、怖えよ、いじめんなよと笑い声がした。

 敬太と名乗った生徒は、それを無視して、

「そっちはアレか。シイタケかな。煮物とかいいよな」

 そう言って笑った。髪は染められて、少し目が釣り上がっているけれど、笑った顔を見る限り、何も怖がることはないとわかった。どうやら同じクラスらしいが、周りの男子の反応を見るに、一日学校にいることは珍しいようだ。真面目でないことはわかった。

 敬太は先ほどから忠志の弁当ばかりボンヤリと見つめている。腹が減っているのだろうか。この妙な沈黙を脱したい一心で、忠志は褒められた卵焼きと椎茸の煮物を敬太に差し出した。

「あの、良ければ。食べていいよ」

「本当か?」

 敬太は意外そうな顔をしたが、たぶん最初から狙っていたのだろう。

 ところが、敬太は何を思ったのか弁当箱を突き返した。

「やっぱいいや。悪かったな」

 忠志は自分の言い方が気に障ったのか心配になった。しかし、

「それ母ちゃんが作ったんだろう?俺なんかが食ったらもったいない」

 敬太は顔を伏せながら言った。声が眠そうだ。

 にわかに忠志は心配になった。

「聖川くんの昼ご飯は?」

「さっきジャムパン食った」

 敬太は忠志を見ずに言った。

 何だろう、やはり怒らせてしまったのだろうか。

「さっき、美味そうだって言ってくれたけどさ」

 忠志は焦った。

「このシイタケの煮物は昨日の残りで、しかも作ったのは僕だし、卵焼きだけは母親が作ったけど、単に焼いただけなんだ。しかも毎日同じだしさ」

 敬太は少し顔を上げて忠志を見つめた。

「お前、料理作れんのか?」

「少しだけだよ。母親の帰りが遅いときは自分で作って食べてる」

 敬太はしばらく黙っていたが、

「えっと、あり、ア。ナンだっけ。まあいいや名前で呼んでいいか?」

 そして身体ごと忠志に向けた。

「忠志の家、母ちゃん働いているのか?」

「うん」

「父ちゃんは?」

 忠志は少し躊躇したが、

「離婚して、家を出て行った」

 正直に答えた。


 すると敬太は、みるみる真顔になった。


「仲間だ。忠志」

「は?」

 忠志は甲高い声を出してしまった。

「オレんとこも似たようなもんだ」

「聖川くんの家も?」

「君付けやめろよ。フェアじゃねえだろ」

 敬太は笑った。同時に昼休み終了のチャイムが鳴る。

「なあ、帰り遊びに行こうぜ。オレも頑張って六時間目まで出るからさ」

「でも、僕はあまり」

「お前だって色々溜めてんだろう?一度遊んでつまんなければそれでいいじゃんかよ」

 敬太は席を立ち上がり自分の座席に戻った。


 放課後、忠志は敬太に誘われるまま一緒に学校を出た。二人が通う高校はJRの駅から歩いて十五分くらいのところにあり、生徒の大半はその駅を利用する。特に帰りはファーストフード店などで同じ制服の人間をあちらこちらで見かける。

 一緒に並んで歩くと、敬太の背丈は自分と同じくらいだとわかった。しかし、茶髪の敬太とおとなしそうな忠志とでは、友人同士には見えないだろう。それと関係なく敬太が自分を仲間と言って遊びに誘ってくれたのは少し嬉しかった。


 とはいえ、忠志はまだ戸惑ってもいた。家庭環境に事情がある二人、そういう括り方なら確かに忠志と敬太は仲間に違いないが、敬太の真意は見当もつかない。きっと話相手が欲しかったのだと、無理矢理に納得するしかなかった。


 敬太は駅前まで来ると、ハンバーガーショップに入っていった。

「腹ごしらえだ」

 やはり、ジャムパンだけでは空腹だったらしく、敬太はハンバーガーを二つとコーラを買って二階に行った。忠志は迷った挙句にシェイクだけ買うと、二階の一番隅にいた敬太と向かい合わせに座った。

 視界の先には隣のクラスの女子が騒いでいる。一人はスマートホン、一人は化粧、残りの二人で会話をしていた。バラバラの行動なのに、あれで意思疎通が図れるらしいから女の子は不思議だ。

「なあ、忠志。オレに聞きたいこととか、ないの?」

 目の前の友人は早くも一つ目のハンバーガーを食べ終えると、包み紙を丸めながら言った。

「聞きたいことって……例えば?」

「オレの家のこととか」

 忠志はストローの袋を弄びながら迷った。聞いて良いこと悪いことの判断がつかない。

「僕は、その。どんな家も事情はあるだろうから、無理して聞き出そうとは思わないよ」

 そうとしか言えなかった。だいたい、今日になって初めて知り合った人間に対して気が引ける。この自分の答えが満点だと思った。

 しかし、敬太はつまらなそうにコーラをズルズル音を立てて飲んだ。

「じゃあ、いいや。オレが勝手に喋るから」

 変な咳払いをして、忠志を見た。真顔になると、少し迫力がある。目つきが鋭いせいだ。

 しかし、すぐに敬太は笑い出した。

「何でお前がそんなに緊張すんだよ。話しづれぇよ」

 そうは言うものの、たいして気にする風もなく、敬太は腕組みをしながら自分の家の事情を語り出した。

「基本的にオレもお袋と二人家族なんだけど、憎らしいヘボ親父が戻ってきた」

 いきなり複雑で重たい話だ、忠志は困惑した。

 しかし、敬太は平然と話を続けた。

「アイツ、ガキの頃にオレをぶん殴って以来、家出して音沙汰なかったのに、最近になってちょくちょく顔を出すんだよ。流石にオレも精神的に成長してるからさ、まあ普通に接しようとはするけど、あの頃のトラウマっての?拒否反応が出るんだわ」


 それはそうだろう。

 人に傷つけられたことは、そう簡単には忘れられない。ただ、強そうに見える敬太が、昔のことを引きずっているのは意外だった。


 敬太がドリンクの氷を口に入れながら話を続けた。

「そんでさ、そいつが家出している間はお袋がずっと働いてたんだ。それこそ休みなくだよ。時々、遠くに住んでる親戚の伯父さんとかまでオレの面倒見てくれてたんだぜ?まあ、ガキ時代のことは良いとして、今の問題はそのお袋だ」

「お母さんが?」

「ああ。昔は昼間の仕事をしていたのに、俺が中学にあがった頃からその仕事辞めたみたいなんだ。でもよ、不思議と金はあるんだぜ?怪しくね?そうしたらさ、どうも出戻りのアイツとマジでヨリを戻す感じなわけよ」


 忠志は胸の奥で痛みを感じた。

 なぜか自分の母親の顔が浮かんだ。


「お袋は俺を二十歳くらいで産んでるから、歳は四十過ぎなんだけど、それにしたって流石に若くはねえじゃん?なのに、化粧も派手になってさ。今じゃ夜な夜な出かけるようになったんだ。オレの予想だと、きっとアイツと遊んでるんだぜ。まあ、家に連れて来られてもイライラするだけだから良いんだけどよ。オレ、アイツが来る日はネットカフェとか友達の家とかで寝泊りしてんだ。遅刻するのはそのせいだって言ったらいいわけだけどな。面倒見てくれていた伯父さんも、オレが不良の仲間とかになりゃしないかと心配して、また最近になって顔出したりするし、監視されてる気分だよ。何だかなあ。どうせなら学校辞めて働いて一人暮らしも考えたけど、変にそういうところは気にするお袋でさ。最近は口喧嘩ばかりだよ。まあ、そんなわけで、オレはこの先どうしたら良いかわかんねえのよ。お前もオレの今の説明じゃ、何もわかんねえと思うけど」

 敬太は話し終えると、空の紙カップをベコベコと潰してトレーに載せた。


 複雑な家庭は数多く存在するだろうが、敬太の家も間違いなくそのうちの一つだ。

 こんな話、普通は出来るはずないのに、どうして自分に話そうと思ったのだろう。

 そう尋ねると、

「お前が先に父親がいないって話してくれたからさ。オレも言わなきゃフェアじゃねえじゃん」

「え、そんな。僕は別に……」

 正直、忠志の家庭事情より深刻で、フェアじゃないのは敬太の方だった。しかし、こんな赤裸々な内容だというのに、敬太は気にする様子もなかった。元々、そういう性格なのだろうか。


 それでも――。


 二人の間に家庭不和といった共通項があるだけで、不思議と力強い関係になれると感じた。それぞれに抱えた悩みや問題は、個々で解決するしかないにしても、話し合ったり意見を聞いたりすることで、道が開けることもある。

 忠志は、敬太になら自分の進路の悩みを話せる気がした。しかし、今日初めて会った相手とこんな話ばかりするのもどうかと思い、もう少し様子を見ることにした。

「そろそろ行こうぜ」

 敬太は、忠志のカップも一緒にトレーに載せて席を立った。


 入学祝に兄からもらった腕時計を見ると、夕方の六時近くになっていた。

 敬太は繁華街の奥の方へ歩いて行く。ところどころネオンの光が灯り始め、人混みも増えた気がする。他校の学生や、買い物帰りの主婦など幅広い年代層が道を埋め尽くした。

 どこへ行く気なのだろうか。

 忠志はあまり友達付き合いがないためか、こういう場所での遊びを知らない。せいぜい本屋かCDショップくらいしか気軽に足を運べない人間だった。

 敬太が入って行ったのは賑やかな音が聞こえる大きなゲームセンターだった。二階建てになっており、ギラギラ光る外の看板には『ゲームギャラクシー駅前通店』と書いてあった。

「ゲーセンか」

「忠志も来たことあるだろ?」

「最近は全然だよ。それに、こんな大きいところは初めてかも」

 一階はクレーンゲームのマシンがたくさん置いてあり、小学生や親子連れが多くいた。忠志もこの種類のゲームなら経験があり、過去にも何個か景品を手に入れたことはあった。ただ、その当時よりもゲームの種類が豊富で、景品も様々だ。特にぬいぐるみなどはやたらと巨大化しており、どうやったら取れるのか考えるだけでも楽しくなった。

 敬太は、忠志のように余所見もせず、人混みをすり抜けていくと、隅のエスカレーターから二階に上った。

二階は一転、少し薄暗い空間だった。コンピューターゲームの類が大半で、その隣のフロアはメダルゲームの台があった。そのさらに奥へ行くと、大音量が聞こえてきた。音楽ゲームというジャンルのマシンが多数並んでいる。

 忠志も話には聞いたことあるが、実際に間近で見るのは初めてだった。

回転や落下を繰り返すブロックのタイミングに合わせてボタンを叩くと、メロディが流れるという単純な仕組みだが、自分で演奏しているような錯覚になれるのが楽しいのだろう。その曲のジャンルも豊富で、あちこちからロックやジャズが聞こえてくる。打楽器を模したものまであった。

 愛好家は多いらしく、どのマシンにも列が作られており、男女問わず若者がゲームに熱中していた。上手いプレイヤーの周りには人だかりもあった。

 こんなに騒々しい場所も久しぶりだ。

 アルバイトの店員が忠志たちの顔を横目で見ながら通り過ぎた。トラブル防止のためか、頻繁に巡回しているようだ。

すると、その店員がゲーム機の前で並んでいた客の一人に声をかけた。相手は中学生くらいの少年に見えた。押し問答のようなことになっているようだった。

「確かフーエーホーってヤツだよ」

 敬太が言った。

「中学生は夕方六時までだからな。私服ならバレなかっただろうけど。オレたち高校生は十時まで大丈夫なはずだぜ」

 そうか、高校生だとそういう規制からも解放されるのか。大したことじゃないのに、忠志は妙に自分が成長した気分になった。

「けど、ダメだな。ここ混み過ぎだし、別のところに行くか」

 敬太に促されて、忠志もフロアを離れた。

 その時、先ほどの中学生とアルバイト店員の周りを、他のプレイヤーが取り囲むような状態になっていた。忠志は少し怖くなった。

 駅前まで戻り、繁華街とは反対側の方に出ると、そこにもゲームセンターはあった。看板には『ゲームギャラクシー西口店』と書いてあった。同じ系列の店のようだ。

 そこでも敬太は慣れた足取りでゲーム機の間をすり抜け、同じように音楽ゲームが並んだフロアに来た。

 こちらの方が少し待てばすぐに遊べそうだった。

「えっと、敬太。いつも来ているの?」

「ああ。でもオレはこれしかやらねえけどな。百円で遊べるんだから安いだろう?」

 すぐに順番が回ってきて、敬太は楽しそうに投入口に百円玉を入れた。モニターの画面が激しく点滅して、大きな音が鳴り出した。

「このタイミングを見てボタンを叩けば良いだけなんだろうけど、さっき他の人の見てたらブロックが落ちてくるの結構速かったね。僕みたいな素人には無理だよアレ」

「スピード調節は出来るんだ。素人にはそれなりのステージがあるけど、すぐに慣れるって。オレも最初はスゲー下手だったけど、コツを掴めば簡単だよ。今は早い方が打ちやすいし」

 敬太がプレイを始めた。ロック調の曲が流れ始め、軽快にボタンが叩かれていく。確かにリズム感が重要なゲームと思われた。

「本当だ。リズム感良いんだな」

 敬太は画面から目は離さなかったが、忠志の話は聞いているようで、得意げに笑った。

「おうよ。オレ、中学はブラバンだったし」

「ブラバン?」

「ブラスバンド部だよ。吹奏楽。こう見えてオレってば、サックス吹いてたんだぜ」

「うそっ」

 忠志は驚嘆の声を上げた。文化部所属と思うには、あまりにも敬太はギャップがあったからだ。

「んだよ。別にいいだろ」

 敬太は恥ずかしそうに忠志を睨んだ。

一曲目のプレイが終わり、画面には得点が表示された。その点数が、ポイントとしてプレイヤーの成績に加算されるようなシステムのようだ。

「でも、敬太うまいね。スコア六十万点ってどれだけすごいかわからないけど」

「オレなんかまだまだ。世の中には猛者がたくさんいるんだ。オレのゲーセン仲間によれば、最近、この辺でも噂のカリスマを見かけるらしいからな」

「何だよそれ」

 忠志は笑った。

 ゲームセンターでそんな不思議なコミュニティーがあるとは知らなかったし、こんなにのめりこむ敬太もおかしかった。

 確かに百円で遊べて、友達も出来るなら楽しいだろう。

 敬太はまだそのカリスマとやらの話を続けた。

「そのカリスマは色々なゲーセンで目撃されるけど、登録ネームがそのゲーセンエリアごとで違うからどこで出没するかわかんねえんだ。でも、メチャクチャうまいんだってよ。しかも顔もカッコいくて、色々と悩み相談とか乗ってくれる良い人らしいんだ。どこまで本当かわかんねえけど」

 どこにいるのかなあと敬太はウットリした声を出した。そして、忠志にも遊んでみるかと尋ねてきたが、忠志はそれより一階のクレーンゲームをやってみたいと答えた。

「アレの方がオレは無理。何だ、お前にもそういう特技があるじゃん」

 嬉しそうな敬太の顔を見て、忠志もなぜか嬉しくなった。


「そこ、空いてる?」


 そんな二人の背後から声がした。

 見れば、さっきの店でアルバイトと揉めていた中学生だった。


 敬太は場所を譲り、忠志もその場を離れた。

「何だ?生意気そうなヤツだったな」

 敬太が歩きながら口を歪めた。


 けれど、忠志は不思議な感覚にとらわれた。


 なぜなら聞こえた声は間違いなく大人の声だったのだ。

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