ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!②~車いすサッカーをする子の悩みを聞いて、理系女子のセクハラ(アカハラ)ケアも、やっていきたい!~
第14話 断れない女性の、泣けない、涙。それでも、弱い身分の女性研究者は、我慢しなくちゃならないのだろうか?
第14話 断れない女性の、泣けない、涙。それでも、弱い身分の女性研究者は、我慢しなくちゃならないのだろうか?
「…わかりました」
会話を続けるしか、なかった。
「私は、君の、保護者だ。非保護者は、保護者のいうことを、聞くべきだ。だから、君は、私に、何をされても良い」
「ええ?」
どこまでも、狂っていた。
「ちょっと、教授?」
「ふん…」
「何、何なの?」
「ふひ」
「ちょっと、教授!」
「何だね、何だね?」
「私、もう、帰ります」
「何だね?もうすぐ、着くじゃないかね」
「着くって、どこにですか?」
「僕の、ゴールにだよ?」
「はい?」
「いや、すまない。僕と君のゴールって言ったほうが、良いのかな?」
「はいい?」
…。
彼女は、完全に、遊ばれていただろう。
それなに…。
その名誉教授には、彼女の気持ちを遊んでいるという感覚なんか、まったくといって良いほど、なかった。
この差って、何?
それからも、いつもと同じようになった。
やった!
ついに、男性の住むマンションに着いた!
教授の目が、変だった。
「何、何なの?」
「ほら、もうすぐだ」
「はい?」
「もうすぐ、私の寝床だ」
「はあ?」
彼女の気持ちは、ぐずぐず…。それでも、彼女のような弱い身分の女性は、我慢しなくちゃならないのだろうか?
弱い立場の、声を上げて逆らえない女性、だから…?
「いやな顔は、しないでおくれよ」
「うう…」
いやな顔どころか、もう、泣きそうな顔になっていた。
もう、抵抗できない…。
「ここで、逆らっちゃったら…。私…、来年も、雇ってもらえなくなっちゃうかもしれない。契約を延長してもらえるようにするには、我慢しなければ、ならない…。我慢、しなくっちゃ…。これが、今どきの子どもたちの、気持ちなんだろうな…。新卒の男性教員に変態行為を受ける、女の子のように」
「僕は、君の、保護者なんだよ?」
「…」
「だから、何でもして良いんだよ」
「…」
「僕は、ねえ」
「…」
「君のことが、心配なだけなんだよ」
「…」
「わかって、おくれよ」
これって、セクハラだよ。
こんなことが…。
でも、こんなことが、起こっていたとしても…。
誰にも、言えなかった。弱い身分の、女性だし。
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