ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!②~車いすサッカーをする子の悩みを聞いて、理系女子のセクハラ(アカハラ)ケアも、やっていきたい!~
第10話 ヤングケアラー、助けてやって!「僕のこと、好き?」「…好きです」契約を、更新してもらいたいだけだったのに! 最後のセリフは、軽率?
第10話 ヤングケアラー、助けてやって!「僕のこと、好き?」「…好きです」契約を、更新してもらいたいだけだったのに! 最後のセリフは、軽率?
名誉教授には、彼女の悩みは、届かず。
「…いやあ、美味いねえ。そして、君の発表は、上手かった。あの論文は、データの使い方が良い」
そんなことを言われても、響いてはこなかった。
彼女は、明日も働いていられるのかの確証のほうをこそ、欲しかったのだから。
「それでも私は、断れない」
笑えない、時間。
でも、笑わなくっちゃ。
この男性に気に入られなければ、使ってもらえなくなっちゃうから。仕事が、なくなっちゃうから。
生活が、できなくなっちゃうかもしれないんだから!
ウソでも…。
ウソなんだけれど、飛びきりの笑顔で、飲んでいかなければならなかった。
弱い立場の女性が、生きるために!
「君は、僕のことを、どう思うんだね?」
「え、あの…?」
「僕って、素敵な男性だと思うだろう?」
「ええ、まあ…」
「ははは。僕は、名誉教授だものね」
「ええ。そうですね」
何、笑っちゃってるのよ、このオヤジ!
…って、感じ?
「今日は、すべて、僕のおごりだ」
「ありがとう、ございます」
「どう?僕のこと、好きになっちゃったかな?」
「ははは…、大好きですよ」
最後のセリフは、軽率だった?
大好きだなんて言っちゃって、良かったのだろうか?
レストランで、会計が済んだ後…。
教授の手が、彼女の手を捉えた。
「ちょっ…」
「何かね?」
「私…1人で、歩けますから」
「どうしたの?」
「いや、その…」
「僕は、君の生活を握る、名誉教授なんだよ?」
「…」
「心配なんか、いらないよ」
「…」
「僕は、君の保護者のようなもの、なんだよ?」
「…保護者」
「君?保護者の言うことに逆らっちゃ、まずいよ」
「ちょっ…先生」
「僕のことを、先生だなんて、言わないでおくれよ。まるで、小学校とかの先生のようじゃ、ないかね」
「…」
「僕は、進路の情報を握って、おどして、児童生徒の服を脱がして、スマホで裸をとって、SNSで流すような、あんな変態グループとは違うんだよ?」
「は、はい…」
「僕は、先生じゃない。教授だよ?」
「すみません…」
「あ~。飲んだなあ」
「教授?しっかり、してください」
「飲んだなあ」
「マンションまで、送りますから」
マンションまでの、帰り道…。
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