差し戻し

昨年12月に大きな病院で、父自身手術を拒否し、余生でいいと、医師に伝えたことで、私はそういう日が近く来るのだと、心の中で思った。

それが、かかりつけ医に伝えられていたのだが、父の病状がそうではなかった。

足の壊疽が進んでいたのを、家族にも隠していたのだ。

定期健診で、壊疽した足を見るなり、かかりつけ医からは「切断になるよ」と言われても父は苦笑い。それでも、治療は拒否すると「余生でいい」の一点張り。

かかりつけ医は、「まだまだでしょう」と何とか治療を受けてもらおうと色々な話をしている。

もちろん、私もその場で説得です。

父自身、納得してはいないものの、足は何とかしたいと思ったようです。

それから。紹介状を手に大きな病院へと戻っていくことになります。

朝から、一日がかりの検査で。


 循環器内科受診

 採血

 胸部X線(いわゆるレントゲン)

 心電図

 血管機能検査

 皮膚科受診

  再び循環器内科   明日の午後から緊急入院に決まった(入院期間 1~2間週間)


翌日


 整形外科

 MRI

 午後~ 入院・・・手術室の状態しだいで、手術(ここで、父とは別れた)

          父自身の解釈では足の切断だと思っていたよう。

          でも、実際は足の血流が悪いので、血栓除去(両足)をした。

                  でも両足はできなかったらしい。


私はというと、このコロナ渦で面会禁止。

医師からの電話で、父の病状を聞き、今後の治療方針を聞くだけだ。


翌日、熱を出したそうだ。


再度、血栓除去をするという。

    何とかできたようだが、ステントをいれることもできず、

    心臓の太い血管を使って、バイパスを作ろうとしたようだが、

    父の血管はボロボロで、つかえそうな血管はなくて時間をかけて、

    血栓を取り除いただけに留まった。


医師からは、1~2週間の入院だと、聞いていたが延期に

歩くことを、全力で拒否。少しでも、歩けないと退院させられないということだ。

リハビリが始まった。

 プロは凄い。全く歩く気がないのに、頑張ったら出来る目標を作り、達成させる。

 父の場合、「退院して、自宅の中では歩いて生活したい」ということだった。

 その為には、やはり歩く練習をしなければ、ならない。

 ベッドにばかりいては、父のような高齢者は、たちまち筋肉が落ちる。

 だから、リハビリが必要なのだ。

食事は、減塩食。中々食べないようだ。

父の場合、納得した入院ではないためだ。自身以外みな治療を進める為、仕方なく治療することにした感じ。

医師からの電話から、父の状態は決していいものではない、という。

会話もままならないという。「認知症?ですかねと。」

「え?認知症ですか?」

私は、驚きを隠せない。入院する前まで、そんなことは全くなかったからだ。


高齢者の父に、検査をすればするほど、何かがみつかる。


3年前から、大事にもってる脳動脈瘤。

高血圧。前立腺肥大。糖尿病、それに伴って動脈硬化、足の指先の壊疽。


さらに、大腸になにかがあるそうだ。

一週間たったところで、父に会うことができた。

すごく、やつれた姿。

こんな短時間で、こんなに変わるなんて。私は驚く



      



 

   

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る