第149話 新たな称号
ふと目を覚ますと、俺の眼前にはにっこりと微笑むアルマ様の顔があった。
「カオル、おはよ♪」
「あっ!?あ、アルマ様すみませんっ!!」
俺はアルマ様の膝枕から急いで退くと、アルマ様に向かって謝った。するとアルマ様は不思議そうな表業を浮かべる。
「どうして謝るの?」
「い、いやその……主人であるアルマ様の膝枕の上でこんなにぐっすりと眠ってしまって……。」
「だってもともとアルマはカオルを寝させるためにやったんだよ~?だからカオルが謝る必要なんてないの~。アルマの目的が達成できた……ただそれだけなんだから。」
そう言ってアルマ様はまた笑った。そして飛びのいた俺の方に近寄ってくると、あることを問いかけてくる。
「それでそれで~、どうだったかな?アルマの耳かきっ。」
「と、とても心地よかったです。」
「あはっ♪なら良かった~。」
嬉しそうにしながらアルマ様はゆっくりと立ち上がる。
「またやってほしかったらいつでも言ってね?」
そう言ってアルマ様はトレーニングルームをスキップしながら出て行った。その姿を見送って少しの間呆けていた俺は、ハッとあることに気が付いた。
「い、今何時だ!?」
トレーニングルームに立てかけてある時計に目をやると時間は、もうすぐでアルマ様たちのご飯の時間だった。
「あぶねっ!!すぐ仕込み始めないとっ!!」
ばたばたと急いでトレーニングルームを後にすると、俺はコックコートに着替えて厨房で料理の仕込みを始めるのだった。
そんなとき俺の頭の中に声が響く。
『称号が進化しました。』
「はい?」
久方ぶりに
と疑問に思っていると、また声が響く。
『既存の称号
「は……え?」
料理の仕込み作業中にそんなこと言われてもなぁ……。あ、でも一応ステータス画面を開いてそれを見ながらでもできないことは無いか。
「ステータスオープン。」
そう口にすると、俺の眼前に自分のステータス画面が表示された。
名前 瑞野 カオル
年齢 22
種族 日本人
性別 男
称号 魔王の溺愛を受ける者
level 51
HP 6000/6000
MP 1500/1500
ATK 4000
DEF 5000
MDEF 4500
AGI 2000
INT 2000
スキル
・危険予知 パッシブ
・魔力操作 パッシブ
・受け身 パッシブ
・夜目 パッシブ
・魔力細分化 パッシブ
・魔力節約 パッシブ
・魔装
・魔力爆発
そうして表示されたステータス画面で見た俺のステータスは前の称号の時とは明らかに違い、ステータスが大幅に上がっていた。そしてさっき結構使ったはずの魔力がもう全回復していた。
「おぉっ!?これはやばいな……さっき使った魔力がもう全回復してるし、ステータスそのものが前とは大違いだ。」
これだけステータスが上がったのならもしかすると……スリーの足元ぐらいには追い付けるかもしれない。それに新しい称号で得られた自然魔力回復速度上昇効果、こいつがあればもっと長い間あの魔力を全身に流している状態を維持できるかもしれない。
俺はステータス画面を閉じると、思わず笑みがこぼれた。
「これは明日が楽しみになってきた。」
スリーに今のステータスが通用するのかどうか……試したい。
それにしても、どうしてまたこんな称号を得ることになったんだろう?それが一番の疑問だ。
料理の仕込みをしながら、この称号を得ることになったきっかけを考えていると……ふとあることが思い浮かんだ。
「もしかして、あれか?」
アルマ様に耳かきをしてもらって癒してもらった、あれのおかげか!?ってかあれしかないよな!?
「……それにしてもこの称号の名前よ。」
魔王に
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