ソルジャーズ' eye(愛)

@maxyamada

第1話

ロシアの英雄、シコルスキー大佐は上空3万メートルに待機していた。

今年のロシアはおかしい

厳冬にもかかわらず雪が降らないのだ

シコルスキー大佐は恋人のキャサリンに雪の降る中でプロポーズしようと考えていたが自然の気まぐれで叶わずにいた

どうしても今冬プロポーズしたい大佐は自身が軍人なのをいいことに、戦闘機で上空に到着。

キャサリンの待つモスクワへと雪と共に降り立つ計画を立て、実行するところだった


シコルスキー大佐の計画はこうだ

まずは上空3万メートルからパラシュートを装着し落下、仰向けの姿勢を維持し、素早くシコり射精する。

すると放たれた精子は超高高度の冷気で瞬間凍結し広範囲に渡って地上に降り注ぐ。

大佐は射精後、速やかに垂直落下式の姿勢に切り替え超高速で高度1,000メートルまで到着し、パラシュートを開く。

モスクワのキャサリンの前に降り立ちプロポーズをし、遅れて結晶化した精子が雪となって降り注ぎ、幻想的なハッピーエンドを迎えるという壮大なプロジェクトだ


大佐はズボンの脱ぎ下ろしに手間取らないようスウェットのズボンにパーカーというラフな格好でミッションに臨んだ

しかしこれが裏目に出ることになる…


午後6時、すっかり陽が落ち漆黒の表情を見せる地球から届く首都モスクワの灯りを頼りに大佐が落下を始めた。


予定通りにスウェットを素早く膝まで降ろすとわずか三こすり半でエクスタシーを迎える

しかしここからが誤算の始まりだった。

あまりの寒さに精液が尿道口から飛び出す瞬間に凍りつき、クジラの噴水を思わせる形で固まってしまったのだ。

予想外の事態に焦る大佐だったが、柔軟な思考力で素早く二の矢を放つ

刹那に垂直落下式の体勢に切り替えると摩擦で精液が融解、飛散し、少ないタイムラグで状況を打開できると判断したのだ

大佐の大佐たるゆえんである

しかし予想外の事態がさらに大佐に襲いかかる

勃起したチンポをブレーキ代わりに減速し、音速に達するのを防ぐ大佐の作戦は成功するかにみえたが

乾いた大気が摩擦力を高め無防備に差し出されたポコチンが発火し始めたのである。

あまりの激痛に体勢を変えようと試みる大佐だったがずり落ちたスウェットが足首に絡まり垂直落下を防ぐことができない

そうこうしている内にブレーキの役目を果たしていたチンポは高熱で蒸発してしまい、大佐の身体はついに音速を超えた

あまりの摩擦力に大佐の服やパラシュートは全て消し炭になったが今度はスピードが早すぎて指一本動かすことができない

とうとうマッハをも超えた大佐は予定のコースを大幅に外れ太平洋めがけて突進していく…


「キャサリン…アイラブー」


これが大佐の最後の言葉となった


とうとう海面に達した大佐は水深1万メートルの海底に突き刺さり、反動で世界各地の火山が噴火を始めた

しかし大佐の落下地点を中心に大津波が地球を襲い、火山を鎮火。

その際に蒸発した海水が大気を覆い、地上生物は滅び、地球はイルカの楽園となった


イルカ達は思った

なごり雪見たさに破滅した人間は哀れだと…

みんな同じ生きているから…

一人にひとつずつ

大切な命…


終劇

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