転生妻達のソワレ【脱日本人計画編】

流転小石

第0話 プロローグ0 あるはずの無いもの

21世紀初頭、愚かな人類は戦争に明け暮れていた。

独裁主権国家は陰で連合を組み、民主主義国家連盟と不毛な戦争を続けていた。

人間種による争いの歴史は幾星霜と無垢なる魂の生贄により終焉し、時間が記憶を癒し幾つかの歴史だけが残される。

国が変われば主観が変わり、残された歴史も歪められた。


そんな戦争末期に狂った傀儡独裁者が核のボタンを押してしまう。

放たれた核ミサイルは二発と偽装ミサイルがニ十発だった。

大国の傀儡だった小国の独裁者は核に依存し、大国を見習い禁断のボタンをお挿してしまう。

まだ日も登らない早朝、紫色の地平線が見え始めた頃ミサイルは勢い良く発射されたのだ。


陸続きの隣国には防衛システムが発動するも囮のミサイルで回避した音速を超える本命のミサイルは数分で着弾し、巨大なキノコ雲を発生さ世界を震撼させた。

世界の列強はもう一方のミサイルの軌道に注目する。


海を超えて向かう先には日本の首都東京が有る。

勿論、想定された状況に配備された迎撃ミサイルで防衛する自国の防衛機能だが、予想に反して敵ミサイルを破壊出来ず、世界中の軍事関係者はミサイルの軌道を画面越しに見ていた。


どの国の軍部も世界大戦の準備の指令を出した瞬間だ。


(これで日本も終わったな)

(大統領は同盟国の庇護とあの国の制裁を始めるだろう)

(後2分か・・・)



各国の軍事関係者が同様の事を想定していた。

しかし、現実は違った。

起こってはならない事象が目の前の画面に映し出されていたからだ。



「「「馬鹿な!!!」」」

「「「何が起こった!一体どうなってる!?」」」

「「「大統領に連絡しろ!!軍事作戦は中止だ!!日本の大使館に連絡しろ!!いや、大使を連れて来い!!」」」




同時刻、首都を中心とするスマホを持つ者達に一斉に送られたSNSだ。

民間人はほとんど寝ている時間だが、政府に軍部の関係者や公共企業の者達は事態の収集に奔走していた矢先の出来事だった。



【この国の者達よ、守護防衛機能"kamikaze"の発動により飛来する悪意は押し戻される事となった。これからも悪意を向ける存在には神風により無効化される。神民四三號】



軍部の関係者は慌てふためいた。

自国の防衛ラインを掻い潜り首都の上空に飛来した死の宣告が、何故か発射された方角に戻っている事は確認していたからだ。


その後、世界中のマスコミやネットで話題になったのは、自国から発射された核ミサイルにより自滅した国の事実と、"神風"と"神民四三號"と言う二つのキーワードだ。



この神風により世界情勢は一変し、日本には様々な要望が集まった。

それは自国にも神風を配置したい、神風の秘密を知りたい、及びその技術を取り込みたいと国の未来を左右する交渉が寄せられた。


しかし、当時の政府には答えようが無い。

神風の存在自体知らないからだ。

逆に知らない事は情報の漏洩にならないとタカを括り、より良い条件を引き出す為の交渉を行っていき世界の調停国となりつつあった。


本来ならSNSの会社で調査すれば個人の特定も可能だが割り出す事が出来ず、憶測が飛び交う中で愉快犯が横行し取締の強化が社会現象となる。


核ミサイルを無効化出来る防衛力は、スパイの暗躍を加速させ同時にサイバーテロも爆発的に発生した。


しかし、"神風"と"神民四三號"と言う二つのキーワードは表舞台に現れる事無く、時間と共に薄らいで行くがスパイ達は新たな二つのキーワードを探し当てた。


それは"リクナイ"と"マセキ"である。

それが何を意味するのか、日本語を理解する者達は"陸内"と"魔石"を想定し、スパイ活動は安易に想像して"陸軍"に置き換えられ集中的に活動するが求める答えは未だに見つかっていない。


だが、マセキの情報は数十年周期で大国が情報を得ていた。

何故数十年周期なのか?

始まりはいつからなのか?

最も古い情報は最初の大戦前である。

しかし、その情報が漏れると何故かその後情報は遮断され一切出てこなくなり忘れ去られた頃に又情報が飛び出してくるのだ。

意図的に情報操作しているのかと懸念もするが、そのような政治能力も皆無の日本は他国からは軽視されていた。


だが、英語圏の国はそうでも無かった。

特Aの調査対象として常に組織の上位に置かれ

細々と調査を続けていたのだ。

それはMagic stoneと言う神秘の言葉に躍らせせられている男達だ。







キーワード

神風と神民四三號にリクナイとマセキ

Windows of God

ShinminNo43

Rikunai

Magic stone

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