二 存韓
第5話 存韓 1
韓事秦三十餘年,出則為扞蔽,入則為蓆薦。秦特出銳師取韓地而隨之,怨懸於天下,功歸於強秦。且夫韓入貢職,與郡縣無異也。今日臣竊聞貴臣之計,舉兵將伐韓。夫趙氏聚士卒,養從,欲贅天下之兵,明秦不弱,則諸侯必滅宗廟,欲西面行其意,非一日之計也。今釋趙之患,而攘內臣之韓,則天下明趙氏之計矣。
韓非は韓の王族なのだけれど、ここではすでにズタボロになっている韓はほとんど秦の言いなりになってる状態だってのに、そんな韓を攻め滅ぼそうとして趙を潰さず置いとくのは趙の思うつぼじゃない!? と言いつのっている。優先順位ちがくねっすかね? というわけだ。
夫韓,小國也,而以應天下四擊,主辱臣苦,上下相與同憂久矣。脩守備,戒強敵,有蓄積,築城池以守固。今伐韓,未可一年而滅,拔一城而退,則權輕於天下,天下摧我兵矣。韓叛,則魏應之,趙據齊以為原,如此,則以韓、魏資趙假齊,以固其從,而以與爭強,趙之福而秦之禍也。夫進而擊趙不能取,退而攻韓弗能拔,則陷銳之卒懃於野戰,負任之旅罷於內攻,則合群苦弱以敵而共二萬乘,非所以亡韓之心也。均如貴臣之計,則秦必為天下兵質矣。陛下雖以金石相弊,則兼天下之日未也。
確かに韓は小国、それは認める、けど周りから圧迫され続けたせいで守城戦だけは異常にうまくなってる。ここで見識のまるでない大臣どもの口車に乗っかって攻撃してみなさい、攻城戦は簡単に一年に届くだろうし、そんなことしてるうちに趙は斉と手を組んで、秦からの攻勢に備える、どころか攻めかかってきてもおかしくないよ。そんなことになったら、結局昭襄王みたくうまく事業を推し進めきれないまま、王様の命も尽きてしまうんじゃないすかね? 選択と集中、肝心!
うーん、韓滅ぼしたくない思いからでの話なんですかねー。これがどんなタイミングの話なのか。十八史略だとこの辺の流れがいまいちつかめなかったのよなー。いきなり箇条書きで列国滅ぼしやがったからあの本。
っつーか存韓編もこれ、引き続きプロローグっぽいですわね。「韓非子の考え方を当時の情勢に合わせて運用すればこうなるよ」的な。では、韓非は韓ではなく、どこを攻撃すべきと考えるのか。
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