棄てられた俺がイジメられている彼女を助けたら

野村駆

第1話 出会い

俺の名前は佐藤優(さとうゆう)。親に棄てられて最近まで施設暮らししていた中学1年生だ。


色々あって趣味は筋トレで日課は筋トレ。

好きなものは女の子と大胸筋。

苦手なものは人間関係。


「しかしやっと一人暮らし出来るのか…この国の制度が変わったとはいえ、ここまで長かったな…」


入学式は人に酔って上手く話せなかったけど、明日の登校楽しみすぎるな…友達出来ると良いな…


−−−−−−−−−−−−−−

次の日。


ガヤガヤ…ガヤガヤ…


「タケシまた同クラじゃんw運命共同体みたいw」

「サトルと運命共同体とかキッツいわ〜」

「は??こっちのセリフじゃ!」アハハハ


待って?陽キャはもしかして小学校からのコミュニティが出来上がってらっしゃる…?

俺開幕からぼっちなのか?


で、窓際には金髪のヤンキー達もいるのか…まだ中学生1年生だろ…


ガラガラッ


うお…今入ってきた女の子、前髪ボサボサだけどあの子見えるんだろうか…


「きっしょwおば子も同じかよw」

「てかあいつ引っ越しもせずによく来れるよなw逆に凄いわw」


ん…?あの子…イジメられてるのか?


「マサトまたシメとく?お小遣い欲しいしw」

「いやそれよりあいつ身体だけは良いし呼び出さね?」

「賛成!中学生になったし俺たちも"大人"になっちゃうか〜!」

「それいいね〜身体"だけ"はまともだしなw」


あいつら…

後でちょっとあのおば子って呼ばれてる子に忠告した方がいいな…


−−−−−−−−


昼休み。裏庭のベンチ


「あの…ちょっといい?」

「はい…?私ですか?」

「うん、君と話したい事があるからちょっとだけ来てくれない?話しにくいんだ」

「ヒッ…また人気の無い所で殴るんですか…?もうやめてください…おねがいします…」


また…って事は日常的にやられてたんだな…


「違う、逆なんだ。忠告したい。君は狙われている。このままだと取り返しのつかないことになるんだよ。」

「そんな事言ってまた信用した所を裏切って笑うんですよね!?もう騙されません!!」


そんな事までされてたのか…


「ごめん…確かに初対面でこんなの言っても信用出来ないよな。でも本当なんだよ、このままだと君はマサトってやつらのグループに酷い目にあわされるかもしれないんだ…」

「…そうですか。ありがとうございます。でも大丈夫ですから。」


行ってしまった…まあ冷静に考えると虐められている立場の彼女からしたら俺を信用しろって方が無理か…

でも聞いてしまったからにはなんとかしてあげないと。


−−−−−−−

放課後。


「おば子〜ちょっといい?マサトから話があるんだよ」

「もうお金はありません。やめてください。」

「お金じゃなくておば子と仲直りしたいんだよ…俺達全員反省してる。全額返すつもりだ。」

「…ほんとうですか?また裏切る気ですよね?」

「ああ。他のやつも謝りたいって言ってるからちょっと来てほしいんだよ」

「…分かりました。どうせ今私に手持ちはありませんし行くだけ行きましょう。」

「よし行こうぜ!」ニヤァ…


−−−−−−−


おば子さんは無事に帰れたんだろうか…まあ俺がやれる事はやったしいいかな…


ヤメテー!オネガイヤメテー!!


今の声…まさか…


「おお…ほんとに中1とは思えん胸してるじゃん、おば子のクセにすげえな」

「こいつほんとに仲直り出来ると思ってたとかバカじゃね?学習能力無さすぎw」

「イヤア!!お願いだからやめて!!誰か助けてー!!!」

「うるせえ!!誰かガムテープで塞いどけ!」

「むぐぅ…!ウッウッウッ…」

「泣き出しやがったよこいつ…まあ諦めたってことでいただきますかw」


「ざっけんな!!!」ボコッ


「いってえ!誰だお前!」

「誰でもいいだろ。その子を離せよ」

「3対1で勝てると思ってんの?馬鹿か?」


−−−−−−−

危なかった…飛び込んだはいいけど流石に3対1はキツいわ…とりあえず生徒手帳で名前を確認しないと


「はぁ…はぁ…お前らの名前は…伊藤トオル、斎藤リュウジ、坂本マサトか。お前ら暴行の写真は撮ったから警察に言われたくなかったらさっさと転校しろ。わかったな?」

「くそっ…」タタタッ…


「はぁ…はぁ…大丈夫か?」

「グスッ…ありがとうございます…もう駄目かと思ってました…本当に私の事を心配してくれてたのに冷たくしてごめんなさい…」

「それはもういいよ、気にすんな!…そういや名前聞いてなかったな…俺は佐藤優。ユウって呼んでくれ。」

「私は和泉真昼といいます。」

「じゃあ真昼って呼ばせてもらうな。とりあえず帰ろっか。」

「でも私といたら…」

「いいからいいから、俺もぼっちだし」


−−−−−−−


帰り道。


「真昼はさっきのやつらと同じ小学校だったのか?」

「はい…ある時前髪切るの忘れていて、おばけみたいだからおば子ってからかわれた所からだんだんイジメに…」

「そっか…辛かったな。でもなんで前髪切らないの?拘り?」

「いえ…わたしの顔を見たらみんな不快になるかなって思うとこれ以上酷くイジメられるのが怖くて…」

「じゃあ明日切ってきてくれよ!俺が真昼を守るから。ちなみに俺はショートカットが好きだぜ!」

「わかりました…ユウくんが見たいなら…」

「あとその敬語やめてくれ、なんかムズムズするんだよ」

「えっと…うん…わかった。…そろそろ私の家に着くのでこの辺で…」

「了解。あっそうそうこれが俺の連絡先だからまた送っといてね」

「今日は本当にありがとう…また良かったら一緒に帰ってほしい…」

「じゃあ明日から一緒に登下校するか!また連絡するなおつかれ!」

「…うん!またね!」


−−−−−−−

自宅。


疲れた…

真昼の前だから強がってたけど殴られたところめっちゃ痛いし、なんなら殴った手もめっちゃ痛い…


でも初めての友達が出来たし登下校も約束出来て充実してたからいいかな


明日の迎えに行くしさっさと風呂入って早めに寝るか…


−−−−−−−

次の日。


ピンポーン

「はいは〜い!君がユウ君ね?真昼が嬉しそうに友達の話をするのが珍しいからすぐわかっちゃったわ!」

「もう!お母さん!行ってくるから!」

「はいはい、行ってらっしゃい」


めちゃくちゃかわいい子が出てきたけど誰だこれ…


「あの…どなた…?」

「えっ…和泉真昼だけど…もしかして似合ってない?」


ショートカットに髪を切った真昼は超美少女だった。

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