潜降70m GW⑤女性でもドキドキ。

あれはGWの雲見ダイビング、休憩中のこと..


「柿沢さん、もしかして萌恵ちゃんに強引に誘われたの? 」

「いえ、ちょうど私もダイビングに行きたかったんです」


「ふふふ。そう.. でも、あの子わかりやすいわよね」

「そうですね」


「私、前に凄く質問された事あるわ」

「ははは。私もです!」


「でもストレートなところがいいわよね.. ねぇ、『私、峰岸さんの事を愛してるの!』って言ったら、萌恵ちゃんになんて言うつもりなの?」

「え!ぇ..!」


「嘘よ、嘘。あなたもすぐ顔に出ちゃうのね。可愛い。大丈夫よ。私はあなた達が心配するような事思ってないから。峰岸さんの事は何とも思ってないから」

「そうなんですね。よかったぁ」


「あはは。あなたも萌恵ちゃんも本当に可愛いわね」

「あ、ありがとうございます」


「でも萌恵ちゃんのこと、ついハラハラさせたくなっちゃうのよね。本当に可愛いから」

「 ..えぇ?」


「ふふ。今日のダイビングは凄く面白かったわよね。2本目も楽しみ。柿沢さん、私のこと『明里』って呼んでもかまわないわ。2本目もよろしくね。私のバディ」


****


帰りの車の中、明里さんはチーム名の提案をした。


「『アクチーニャ』なんてどうかしら?」

「なんですか? 明里さん、アクチーニャって? 」


「さぁ.. 何となく響きよ」


(そっか、響きか.. そういえば私たちのバンド名もそんな感じで決めてたな)


「『アクチーニャ』、チーム『アクチーニャ』。うん。変わってて面白いですね。峰岸さん、いいですか? 」

「萌恵が気に入ったのなら、いいんじゃない。俺も悪くない響きだと思うよ。」


「じゃあ! 決まりですね。チーム『アクチーニャ』で!」


「ふふふ」


妖艶な笑いを浮かべる明里さんの頬が紅潮している気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る