とりあえず人生に絶望したので自殺する前に学生時代好きだった女の子を強姦することにした。
首領・アリマジュタローネ
第1話
親が死んだ。
こうして俺は本当に独りになった。
疲れた。疲れてしまった。酷く疲れ果てた。
どれだけ社会に不満を垂れようとも人生は何一つとして好転などしなかった。
行動しない限りはなにも起こらず、退屈という名の地獄が目の前にただ横たわっているだけであった。
ただ行動してもそれは同じだった。失敗に終わるだけで、何も得るものはなかった。
無駄に時間を浪費するだけで、顔には皺ができ、身体は年々衰えていき、弱ってゆく母を助けてあげる経済力すらもなかった。
働けなかった。
ちゃんと働きたかった。
30歳になって「死」が頭を過ぎるようになっていた。
親の介護をする勇気もお金も俺にはなかった。
それでも恋人を欲している自分が醜い生き物でしかなかった。
性欲を発散するために暴れる化け物。
かつて学生時代に俺が憎んだアイツらと同じだった。
そんなアイツらも既に家庭を作って子供のためにバリバリ働いている。
俺のランドセルをプールに投げ込んで、カッターで筆箱を切り刻んで、母に作ってもらった大切なお弁当を、母が早起きして作ってもらった大切なお弁当を、大好きなお母さんが毎朝俺が喜ぶようにと作ってくれた大切なお弁当を廊下に投げ捨てたことなんて、全部全部忘れて子供を育てているのだろう。
過去の罪なんてなかったことにして、よくものうのうと生きていられるものである。
子供の顔が見てみたいものだ。
いじめられた人間、心に傷を負った人間は絶対にそのことを忘れたりしない。二度とそのことを忘れたりしない。
夜眠るときも、朝起きるときも、電車に乗るときも、コンビニで漫画を立ち読みしているときも、ふとそのときの感覚だけがフラッシュバックされて、すぐに自室にこもって布団に潜り込みたくなる。
もう数十年前のことなのについ最近のことのように思えてしまって、未だに彼らを許せないでいる。
許せない。許せない。絶対に、絶対に。
いつか成功して見返してやろうとずっと考えていた。
でも、そんな気力すら今は残っていなかった。
、、、
親が死んで抜け殻のようになった俺にはもう縋るものなんて何一つとして残っていなかった。
これ以上、生きていくのは辛かった。
だから最後にド派手なことをしてこんな悲惨な人生を終わらせようと思った。
もちろん同窓会に包丁を持って殴り込みにいくようなそんなことはしない。皆、家庭があるのだ。今のご時世、同窓会なんて開こうなんて言うやつはいないだろう。旧友なんて好きなやつだけで勝手に集まる。無理矢理集まりたくもない。コロナもあるし。
だから最後にやりたいことをやろうと思った。
やりたいこと。
そうーーヤリたいこと、だ。
【とりあえず人生に絶望したので自殺する前に学生時代好きだった女の子を強姦することにした。】
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