&α
街。
星の光。
ネオンの灯り。
「綺麗ですね」
「だろ?」
「こんなに綺麗だとは思わなかった」
「しぬか?」
「いえ」
今は、このまま。
「この景色を見ていたいです」
「よし。私の部屋に行こうか。朝焼けが綺麗なんだ」
手を繋いで。
「いいのかな」
「なにが?」
「このままで。生きてて」
「部屋は高層階だけど、下が特殊アスファルトだから落ちてもしなない」
「そうですか」
立ち止まる。
「しにたいか?」
「いえ。もしかして、ですけど。包丁とまな板とか、鍋とか」
「無い」
「野菜とか肉とかも」
「無い。料理しないもん」
「そうですか。じゃあ先にコンビニに」
「何か作ってくれるの?」
「おなかすきました」
「しぬなよ」
「え?」
「包丁ではしぬなってこと」
「よかった。しぬのを止められたのかと思った」
「止めないよ。止める資格がない。路上に転がって、わたしもしぬところだったし」
「ありがとう」
「朝焼けを見てほしいとは、思うけど」
「じゃあ、朝焼けまでは起きてますよ。コンビニはどこに?」
「そこ。交差点のところ。ドリームロールって書いてある」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます