異世界における月への挑戦 -Fly me to the moons-

はざま

第1話 卒業と、特務大隊と。

「運命のいたずら」という言葉がある。

僕はその言葉がずっと自分に寄り添っているような気がしてならない。


僕はヨハン。

ウェイスブルク王国の高等士官学校を、間もなく卒業する士官候補生だ。

僕のいる世界は、いわゆる「魔法」が存在する世界で、ウェイスブルク王国でも魔法は国の運営に深く根差している。

しかし、この世界が「剣と魔法の世界」だったのは、もう300年以上前のこと。この惑星の表面積のほとんどが海洋で、陸地のほとんどが大陸で、しかもその大陸が2つしかなかったという立地が、のんびりと「剣と魔法の世界」でいることを許さなかった。国境を接する国々は常に抗争の渦の中にあり、あっという間に剣は銃へ変わり、さらに、過激な兵器へと変わっていった。大海原を勇気と風の力で走っていた木造帆船は、鉄鋼で覆われ、動力も蒸気機関へと代替されていった。


僕は、そんな世界に、何のいたずらか、前世の記憶を持ったまま生まれてきてしまった。僕の新しい(?)家族は、地方都市で商店を営んでいた。経済的には、まさにこの国の中産階級層に位置し、僕の両親は、20年前に終わった大陸統一戦争以後、次第に王国が住みやすくなっているのを実感している典型的な庶民であった。

そのせいもあってか、ぼくの両親は、王国民を増やすことに熱心で、僕は5番目の子供だった。前世、日本と呼ばれていたその国では、一人っ子が大半で、3つ子が大家族認定されるのを考えると、信じられない境遇だった。

幸い、僕の後は、子供が増えることはなく。僕は、(比較的にだけれど、)兄・姉にかわいがってもらって育ったんだと思う。しかし、兄弟のすべてをまかなえるほど、僕たちの両親の商店は大きくもなかったし、商才も豊富なほうではなかった。幸い、僕たちの家族はそれを自覚していたので、女性陣は良い嫁ぎ先を見つけることに尽力したし、兄たちは現状維持と少しずつの経営規模拡大を目指し、頑張っているようだった。

だから、僕は、ただで学べて、就職先にも困らない、「王立高等士官学校」に入学したのだ。


日本で高等教育を受けた身としては、「王立高等士官学校」といえども、そう苦労することはなかった、と思う。少なくとも、入試は無難に突破したし、試験の成績も悪くはなかった。そして、今日無事に卒業式を迎えられる運びとなって、その後、引き続き行われた任官式に出ている。


出ている、のだが、いい加減、回想という名の現実逃避はやめて、しっかりと現実を見つめよう。

僕が手にした任命書の任官先の欄には、「王立魔導研究所 特務大隊」と書かれていた。残念ながら、この大隊の名前は、非常に有名である。「なんでも屋」あるいは、「お守り部隊」という二つ名とともに。

この部隊は、早い話、王家かそれに類する高貴なお方がやりたいことを実現するための部隊である。人手が必要だけれども、栄光ある近衛隊のような正規の部隊には行わせることができないような仕事を、彼ら通常の部隊の邪魔にならないようにかたずけることが特務大隊の仕事だ。

そして、おそらく、この人事を手配した男がやってきた。


「やあ、ヨハン。君の配属先はどこになった? 僕は、魔導研究所の特務大隊だよ。」

と素晴らしくわざとらしい感じで僕に問いかけてきたのは、バーゼフ・ヴォルト・ウェイスリヒト。この国の第3王子だ。

この国はもはや完全な王政国家ではなく、議会制民主主義国に近い政体になっている。しかし、依然として王家は一定以上の権力を持ち続けており、20年前の大陸統一戦争を勝ち抜いた現王朝は、当面の間は盤石なものと予想される。とはいっても、幸い、かは不明だが、もはや平和になってこのご時世、王位継承権第3位の彼は、ずっと式典要員となるだろう。そんな状況だから、彼は高等士官学校内でも、かなり自由にふるまうことができた。

そして、僕は、ある事情から知ってしまった。彼にも前世の記憶があるのだ。


勝手に僕の任命書を見て、バーゼフが言う。見事に棒読みで。

「おー、奇遇だね。君も特務大隊なのかぁー。いやぁー、楽しくなりそうだね。」

僕は、明日に控えた初出勤を前に、今後の不安を覚えるのであった。



************


翌日、僕は魔導研究所に出勤した。

魔導研究所は、ウェイスブルク王国の魔導研究の最先端を切り開いている研究所で、王国の最高の頭脳が集まる場所である。研究所は、形式上王家直轄となっており、魔導技術の優位によって大陸統一戦争を勝ち抜いたことも後押しし、豊富な予算が与えられていた。一部を除いて。

そして、特務大隊は、まさにその「一部」だった。


第一、「魔導研究所」は、その実態はともかく、確実に学術研究のための機関で、軍に列せられる場所ではない。にもかかわらず、軍の一部隊が魔導研究所の組織の中に組み込まれているのは、いわゆる「歴史的経緯」からだ。

魔導研究所は、非常に古い歴史を持つ王立の機関で、300年以上前に成立している。その頃は、国家の拡大と安定のためのあらゆる研究が行われる機関であった。その後、近代化が進み、科学技術力が国力と高い相関を示すようになったタイミングで、軍は独自の研究所を持つようになった。そのため、魔導研究所は一応は軍と切り離されることになったのだ。そのタイミングから、研究所は研究者たちによる基礎研究を中心に多様な研究が行われるようになり、王国の魔導技術の底上げを担っている。しかし、最新の科学や魔導の研究を技術へと変換して国力に反映させる必要は依然として存在し続ける。そこで、有用な研究を埋もれさせないため、言い換えれば、一応のお目付として、特務大隊がおかれ続けることになったのだ。

とはいえ、現在の特務大隊は、先ほども少しふれたように、実質高貴なお方からくる依頼を消化する部隊である。そんな実情とお題目から、特務大隊は、優秀な教官たちが老後に余生を過ごすような場所、兼、上からの無茶ぶりを変化球で打ち返す場所として存在している。

いや、いた。


僕は、特務大隊の研究室のドアをノックすると、挨拶を述べて部屋に入った。

大きな不安と、少しの期待を胸に。


「おはようございます、本日から特務大隊に配属になりました、ヨハン・パブロビッチ 少尉です。」

敬礼しながら挨拶を述べ、研究室内を見渡してみると、15席ほどある机の中で、利用中と思しきものは、5,6個で、部屋の中には一人しかいなかった。立派なあごひげをはやした恰幅の良い老人が部屋の一番奥のスチーム暖房機のそばの席に座って書類の山に囲まれていた。


「やあ、王子様のおもちゃと噂の、ヨハン君だね。こんにちは。私は、セルゲイ・ヴォルフ。文民なもんで階位はないが、ここの名誉教授ではあるよ。今日まではここの責任者だった。」

「あ、あの、よろしくお願いします。えーっと、本官は、どのような業務を行えばよいのでしょうか、ヴォルフ 名誉教授?」

「あぁ、呼び名はこだわらんでよろしい。というか、身分でものを見てはいかんと思って居るのでな。敬称がどうしても必要なら、『さん』で十分だ。

で、君の業務なんだけれど、実は私にもわからんのだ。

私は5年前にここを退官してのんびり田舎で本をまとめていたんだが、先週末、突然呼び出されてな。で、ここに任官することになった。だから、君の先任といっても、わずか、1週間の差だ。

その1週間の間にやれと言われたことは、私が行っていた遠距離観測の論文をまとめて説明資料を作るようにということと、これまでの研究成果を分類し、活用可能な状態にせよというものだった。だから、こうしてタイプライタと転写機が吐き出した紙に埋もれているわけなんだがね。

逆に、ヨハン君は、なにか陛下?閣下?から伺っていないのかい?」

「いいえ、残念ながら、私も任命書をいただいて、備考欄に従って、本日この部屋に参った次第です。

あと、バーゼフ閣下は、おそらく、ここでは武官扱いなので、『閣下』が正式な呼称かと思います。

あっ、ただ、私の任命書には、集合時刻が、午前9時となっていますから、間もなく何か起こるかわかるかと。」

ヨハンは「失礼します」と断りを入れ、懐中時計を取り出して、時刻を確認した。

そして、言葉を継ぐ。

「今、8時58分ですので、あと2分ですね。」

ヴォルフは、ちらりと壁の時計を確認して、「ふん、確かに」と述べたとき、ドアがノックされ、話題のバーゼフが部屋に入ってきた。同い年ぐらいの女性とともに。


「やあ、お待たせ、ヨハン。

おはようございます、ヴォルフ名誉教授。

あ、こちらは、ワレン・テレシフ大尉。陸軍大学校の航空機械工学院の卒業生で、今日から、僕たちと仕事してもらうことになる。

テレスフ大尉、そちらの奥にいらっしゃる方は、ヴォルフ博士。魔法力学と魔導場の専門家で、遠隔計測を世界で初めて実現した偉大な科学者の先生。

で、こっちに立ってるのが、ヨハン少尉。士官学校の同期で、魔導回路と物理・数学が得意な頼れる人。

今日から、この4人で、宇宙開発を進めていきたいと思います。

皆さん、よろしく! 頑張っていきましょう!」

バーゼフは、入ってくるなり、底抜けに明るく一息で言い切った。

僕は、良く息が続くものだと妙な関心をしつつ、士官学校時代から何度目かわからないこのセリフを吐くことになった。


「閣下、状況がよくわかりませんので、少し情報を整理するのにお時間いただけませんか?」


************


ひとまず、部屋の隅にあった応接スペースに行き、テーブルを囲むように座る。僕は、応接スペースの端にある黒板の前に、立っているけど。

そして、何度ともなく、士官学校で繰り返された行事を始める。

まずは、僕から切り出す。

「閣下、先ほど、宇宙開発と申されましたが、どういうことでしょうか。」

「うん、その通りの意味だよ。あと、この部屋では、その大げさな敬称はやめてくれないかい?」

「さすがに、皆さん居らっしゃいますので...」と僕が言うと、すかさず、バーゼフが暴露を始めた。


「まあ、ちょうどいいし、みんなには、この大隊のことと、これからのこと、そして、ここにいる人をどうして呼び集めたかを説明させてもらうよ。

 まず、これはとても重要な確認なんだけれど...」とバーゼフは、ヴォルフに体ごと視線を向けて話し出す。

「ヴォルフ博士、あなたは、前世の記憶をお持ちなのではありませんか?」

ヴォルフは、一瞬驚いた顔をした後、困惑顔になり、3,4秒考え込むと、答えた。

「そうだ。私には、ここで生まれた時よりも、過去の記憶がある。いや、未来の記憶といったほうが良いのかもしれない。」

バーセフが少し微笑みながら言葉を返す。

「博士、誠実なお返事をありがとうございます。ここにいる者たちは、みなそうですから、ここではそのことを隠す必要もありませんし、むしろ、積極的に活用していただきたいと思っているのです。

 実は、私も前世の記憶があります。私は、その記憶の中では、戦闘機の工場に勤めるしがない労働者でした。そこの彼、ヨハン君は、大学で高度な教育を受けた研究者だったそうですから、そのことを考えると、私よりも、彼のほうがこの世界での存在価値は高いぐらいなんです。

 まあ、だから、私は、少なくともこの部屋の中では、敬称をつけて、うわべの地位で慰めあうことをやめて、皆の力を合わせたいと思っているんです。まずは、僕たちから状況を説明しますから、ヴォルフ博士と、あと、テレシフ大尉、あなたの過去を、教えてくれませんか。」

バーゼフは、少し寂し気に微笑み、皆を見渡した。

そして、いたずらっぽい目線を僕に向けると、こういった。

「ということで、ヨハン少尉、説明をよろしく。」



説明を投げられた僕は、意外にも落ち着いていた。実は士官学校時代に、もしかすると前世の記憶がある人は意外と多くて、その英知を集めればすごいことができるんじゃないかというようなことをバーゼフから聞いたことがあったからかもしれない。あるいは、何か独特な雰囲気を、この面子に感じていたのかもしれない。

ともかく、僕は説明を始めた。

「皆さんが、どこの国のいつの時代からいらっしゃったかがわかりませんので、少し混乱させてしまうかもしれません。もし、ご不明な点があれば、適宜止めてご質問いただければと思います。

 僕たちの前の世界では、魔法は存在せず、その代わりに人類は私たちも使っている石炭や、石油という液体の地下資源を利用してエネルギーを得て、科学技術のみを用いて文明を発展させていきました。私たちの世界でも、人類の発展は争いごとなくしては済まず、僕がこの世界に来た段階までで、全世界規模の戦争を2回経験しています。バーゼフ閣下がいらっしゃった国は、2度目の戦争の勝者の側で、私がいた国は、敗者の側でした。

 バーゼフ閣下のいらっしゃった国は、2度目の世界戦争のあと、積極的に軍備を拡大し、世界に大きな影響力を持つようになっていったのですが、同じく戦勝国側のもう一つの国も同様に軍備を拡大し、影響力を強めていきました。そのため、その2国は常に相手を意識して、けん制しあうような、戦争直前の状態を30年近く続けるような状態になっていました。そのけん制の期間内では、お互いが存亡をかけた科学技術・軍事技術の開発・発展競争を行っていたので、かなりのペースで進歩が起こり、どちらの国も、世界中の大都市を灰燼に帰すことができるような強力な兵器を手に入れ、宇宙空間に人類を送り込むような技術力を得ていました。バーゼフ閣下は、そんな非常に力を持った国の軍用航空機製作を行う工場にお勤めだったと伺っています。

 私がいた国は、バーゼフ閣下の国とは逆の陣営に属することになったのですが、世界規模で緊張が高まったことから比較的順調に戦災から復興することができ、世界の中でも比較的裕福な国に成長することができました。私たちの国は、精密機械工業や電気電子産業とでもいうべき産業が盛んな国でした。精密機械工業のほうは、この世界でも、腕時計や小型光学機器などでよく使う言葉ですからお分かりかと思いますが、電気電子産業のほうは補足が必要でしょう。私たちの世界では、魔導技術が存在しなかったために、電気回路を応用して、情報処理を行っていました。電気電子産業は、それに関連するような産業の体系だと思ってください。私はそんな国で、情報処理装置を設計する技術者をやっていました。

 閣下、ひとまず、こんな説明でいいですか?」

我ながら、ざっくりしてるなとは思いつつ、あまり突っ込むと時間ばっかりかかって良くないので、ひとまず説明を終える。


バーゼフは、皆を一通り眺めて、

「ヨハン、ありがとう。僕から見ても、そんな感じなんですが...

次は、博士にご説明お願いしてもよろしいでしょうか。」

と話を振った。


「わかった。

説明がかなり抽象的だったから、本当にそうかは不明だが、私の前世は、君たちが話してくれた『2度目の世界大戦』のさなかに終わったように思う。

 私たちの国は、1度目の戦争でひどく負けて荒廃し、そこから復活を遂げているところだった。しかし、残念ながら指導者たちが迷走してしまい、2度目の戦争を引き起こしてしまった。最初は2度目の戦争をうまく遂行できており、希望を見出していたのだが、周辺各国にケンカを売りすぎてしまったおかげで次第に押されるようになり、私が意識をなくした段階では、もはや国土に安全な場所はないような状態だった。私はその国で、大学の研究員をしていた。研究分野は、電気と磁気の相互干渉を使って遠方の物体を観測するシステムを改良することだった。」

僕は、ヴォルフ博士の話を聞いて、複雑な気持ちになっていた。話を聞くところによると、博士は僕たちの世界とうり二つの歴史をたどったか、あるいは、まったく同じ世界だったんだろう。すると、2度目の大戦が絡むことは、なかなか複雑な問題だ。僕と博士の国は同盟国だが、僕たちの国が超大国を戦争に引きずり込まなければ、戦争の行方は変わっていたかもしれないし、バーゼフの国に至っては、博士の国と直接戦火を交えている。ふとバーゼフのほうを見ると、じっと考えるようなしぐさをしており、その目からは感情を読み取ることはできなかった。

ちょっとした間があり、バーゼフが口を開く。

「ヴォルフ博士、言いずらいところ、ありがとうございました。博士は、その英知をこの世界でも活用されて、魔導力場に応用し、私たちの国を支えてくださったんですね。」

神妙な顔をしたヴォルフは、

「まあ、そうとも言えるし、私は、前の世界の偉人たちの業績を横取りしただけとも言える。私の持っていた前世の偉人たちの科学的思考錯誤の記憶がなければ、今の私は存在していない。でも、私は、前世の母国同様、強敵に周辺を囲まれたこの国の未来を考えると、見過ごすことができなかった。」

とうつむきつつ、述べた。

バーゼフが慌てて取り繕う。

「ヴォルフ博士、すいません、そういう意味ではないんです。

僕たちには、博士の知恵と経験が必要なんです。前の世界のものでも、この世界のものでも、どこからの知識なのかは関係ない。私たちを救ってくれるような英知が必要なんです。そして、私は、あなたがそれを持っていると信じています。」

バーゼフは、まだ浮かない顔をしつつ、

「まあ、この老人が手伝えることなら、何でも手をかそう」

と述べた。


バーゼフは、少し、しまったという顔をしつつ、

「じゃあ、最後に、テレシフ大尉、あなたの来歴をお話ししていただけますか。」

と話を振る。


テレシフは、すまなさそうな顔をし、

「あの、言い出しにくかったんですけど、

私、前世の記憶持ってないですよ。」

といった。


全員の目が、バーゼフのほうを向いた。

バーゼフが困惑して問う。

「え?

君、無線識別子コールサインを自由記述制にしたとき、『ツバメ』にしたじゃん。しかも、君の研究って高高度飛行に関するものだったよね。最新のジェットを凌駕するっていう、『酸化材添加型高性能エンジンの開発について』の学位論文、僕読んだよ。あれって、反動推進器ロケットエンジンのことだよね?」


全員の注目を集めて、困惑した顔のテレシフ大尉は答えた。

「えっと、コールサインって、何でもいいって言われたんで、実家に毎年巣を張りに帰ってくるツバメにあやかって、きっちり戻ってこれるように、ツバメにしました。学位論文は、高高度だと、過給機じゃ追いつかないなと思って、酸化材を積んでいったらいいんじゃないかなって。でも、反動推進器に関しては、何かわかりません。すいません...」


一同の視線は再びバーゼフに戻る。

彼は、きりっとした顔でこういった。

「うん、君は本当の天才だ。僕たちが異世界の知識をもって期待したことを自力でできてしまうとは、見上げたものだ。誇るべきことだよ。

いや、君のような人材をメンバーに迎えることができて、本当にうれしい。」


一同が黙るなか、おそらくみんなの考えているであろうことを僕は代弁してあげよう。

「陛下、もしかして、勘違いして、連れ込んじゃいました?」


************


空気が一気に気抜けたところで、ヴォルフ博士がコーヒーセットを用意してくれ、一度ミーティングはリセットされた。

コーヒーカップに湯気を立てるコーヒーが注がれ、みんなが手にカップを持ったところで、僕は再び話を進めることにした。


「閣下、で、なんで宇宙開発なんですか。このメンバーを集めた理由は、とりあえずおいておくしかないとして、何をなぜ行おうとしているのかを、教えていただけないでしょうか。」


バーゼフは、一口コーヒーをすすると、ソーサーにカップを置き、衝撃の発言をした。

「端的に言うと、世界の破滅を回避して、我が国のプレゼンスを維持するために、宇宙空間から資源を獲得したいんだ。」

そして、その詳細を語っていった。




======あとがき======

みなさん、こんばんは、はざまです。

気が向いたので、連載を始めてみました。

誤字脱字を見つけられましたら、コメントで教えていただければと思います。

また、まだあまりないかと思いますが、設定のミスや計算ミスなどのご指摘もお待ちしています。

ここまで、お読みいただきありがとうございます。

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