第94話 モノクロフィルム プリントしてみる その2
真っ暗な暗室は赤いライトで照らされて、潜水艦の中にいるみたいだ!!
謎に雰囲気あるわぁ~~などと思っていると先生が説明を始めた。
「プリントしたいフィルムをセットしたので、次はプリントしたい大きさに投影して画像のピントを合わせます。投影サイズが変更できるので自分の好きな大きさ、トリミングができます。」
なるほど、こうやってレンズのピントを合わせてサイズ変更するのか~。
それにしてもこれを全部プリントと思うと泣けてくる。こりゃ大変だ!!
小夜と千佳ちゃんのアップ目の画像にしたかったのでサイズ変更してピントを合わせなおす。
おぉ!!いちいち一つの作業に驚きがあるのだけれど、次々やらないといけないことだらけで感動している暇がない。
「この時レンズの絞りは2つほど絞ってくださいね。綺麗に出来上がりますからね。次に露光時間を設定してますね。
こちらのつまみは10秒、1秒、0.1秒とあって、右に回せばその秒数が増えますよ。今回は5号のフィルターで3秒.6秒.9秒と試し焼きをしますね、見ててくださいね」
露光中に型紙を載せ1/3ずつ露光させて変化をチェックする。
なるほどこうすれば露光時間の差で色合いが変わるのか!光が当たれば当たるだけ黒くなるんだね~、面白いね!!
「そして次に印画紙を現像液に入れますよ~見ててください、じわーと浮き出てきますからね、現像時間は好みでいですがだいたい90秒ぐらいですかね?
そのあと停止液で30秒ぐらい入れます。これが終われば軽く水洗いです。その後に
定着液です!これにつければ露光しませんので電気をつけてもOKです!」
電気をつけて写真をチェック、さすがに3秒は薄っすらと、6秒はもやっとした感じで何かわからない。9秒でもまだ薄く感じるね~。
ってことは10秒、15秒、20秒と試してみる。
部屋の電気を消し、真っ赤なライトの中、つまみを調整して露光させる。
今度は私がやってみる番だ。
露光させるために型紙を置く手が震える。
うわ!めちゃめちゃ緊張している!現像液に入れるためにトングを握るが軽く震えて印画紙が持てないよ~。
現像液に入れたあとの待ち時間に目をつぶって深呼吸する。
「時間!時間!もう上げていいんじゃない?」
小夜に言われて気が付いた。
時計を見ていなくて焦ったぁ!!
深呼吸して順番に停止液、水洗い定着液に入れていく。
電気をつけて写真を確認する。
うわぁ~いつも見ているモノクロ写真だ!!
でも1/3ずつ色が浅くなっている。
本番は20秒くらいかな?
ホントにドキドキした。
この初めてプリントした試し焼き写真は記念に持って帰ろうと!!
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