第3話 市街地-2-

「いや、いくらなんでもはいそうですかとは、、」


切り出しにくい事ではあるがはいそうですかとも言えない



「落ちたあたしを受け止めたけど、あの高さで素人が、落ちてくる人間受け止めてお互い怪我なしで済んですぐ動ける?てか、ガラス粉々になってるのにあたし傷一つないし、降り注ぐガラスの怪我も2人とも全くない。追手も全く見えずにここまでこれた。これ偶然だと思う?だとしても、そんな確率ってどう?」


いきなり真剣な口調になる彼女


言われてみればその通りだ


受け止めた、正直衝撃で受け止めきれたかどうか確信がない


衝撃で意識が飛びかけたけど


よく考えたらそれくらいで済むものなのか




今こうしてるのも


彼女からしたら


完全に安全を確信してるからであっての事だろうし




「途中でぼそっとなんか言ってたけど、それのお陰とやらかい?」


「聞こえてたんだ、そうだよ。脅威を退ける力を使ったの」


おいおいおい、マジかよ


ってマジだよなー、、多分



「てか、なら僕いらんかったんじゃないかい?」



「そんな事ないよ。説明するの難しいけど、そのまま地面に落ちるよりも受け止めてもらう事に干渉させる使う力の方が少ないし、車で逃げるにしても走って逃げるよりもまた同じように力の干渉が少ないし、使う力が少なくて済んだ。あくまでこれは蓄積されてる力を借りるわけだから、出来るだけ物理法則を無視するような多大な力を使うより、補助として使う、力が少ない方がいい。無限に使えるわけじゃないし。」


「ある程度の常識、物理的法則とか現実の原理の元に、どれだけの事柄によってその石から借りる力が少なくて済むか、多大な力を消費するかって事みたいなって事、、なのかな?少なからず省エネですんだと?」


「ご名答っ、お兄さん物分りいいね」



ポテトを咥えながら僕を指さす彼女



ご名答っじゃないよ


「根本的な話、それ壊すか捨てちゃえばそいつらも君に用無しになるんじゃないのか?


「それで終わるならしてる。たとえこれが無くなったとしても、あいつらからしたら1つとは限らないし、情報は欲しいわけ。結局あたしを捕まえて、出せる限りの情報は集めるでしょ」


「はあ、、、まあ、、、そりゃそうか」



逡巡を巡らすことも無く納得完結に至る


しかし、納得せざるを得ないとは言え



その力


重量無視とかマンガじゃあるまいし


って、漫画じゃなくても現代は無重力は有り得ない話ではない


宇宙空間しかり、そゆ装置のある訓練する場所だってある


でも、それはあくまで科学の力であるわけで


昔の石っころに何をどうしたらそんな原理が


無限に未来の物理的、時間的、様々な現象を無視した、たぬき型ロボットのポケットが浮かんだ


いや、あれも未来だよな生産されたのは



考えてもキリがないし、それについては理解したところで僕には関係の無い話だ



考えることは、彼女がどうするかだ


流石にこれ聞いて、そっか大変だね頑張ってねじゃあ



って流れで別れるわけにはいかない


嫌だけど、超絶危険なうなお人と御一緒してるなんて一分一秒嫌だけど


ここですんなりそう言えるような人間でない


ハッキリと物事が言えない典型的な日本人だな僕は



コーラを啜りながら己の性格、性分を嘆いた


「逃げるっても、何処まで追ってくる連中かわかんないけど、何処までとか当てとか、、」


「分かんないけど、使い方を知ってれば用はこれだけだから、あたしの生死は問わず、知らないだろうから今のところは殺されはしないけど誘拐するまでは地の果てまででも来るかなー」


あっけらかんと被せられた


最悪の返答を


同時にひとつ疑問が浮かんだ


「追われてるの、君だけ?その、御家族とか親戚とか、身内でそれに関わる人みんな狙われるんじゃ」


「知ってるのはアタシとおじいちゃんだけ。お父さんとお母さんはあたしが小さい頃から仕事で海外にいる。知ってるか知らないかは分かんないけど、この話した事ないし。

向こうもそんな漫画に出てくるような組織じゃないし、そこまでは調べ尽くせたり

、分かってないよ。ただ、どっからかこの力や石の存在を知って、所在があたし達だって突き止めただけ。あたし、おじいちゃんと2人暮らしだし、とりあえずあたし達だけだと思う狙われてるのは。お父さんもお母さんも連絡したけど、何も変わりなく無事みたいだし。」


「え、おじいさん、君の祖父は今、、、、」


「いない」


それは、どちらの意味でのいないだろうか


「在った石は3つ、後は2つ」


ひとつは彼女の祖父が持ってたって事か


「1つは、、その、、奪われたの?」


ダイレクトに踏み込まずに恐る恐る聞いた


「おじいちゃんは石だけじゃなくて少しだけど自身も力も使えた。力と石両方を使って空間事、あいつらを巻き込んでどっか消えちゃった。たまたま一人それから逃れたのがあの時のあいつ」



あの時のあいつ


あ、この子を追い詰めてた


「え、あの時」


僕は


彼女が1人であそこに居たと思っていた

・・・・・・



「石も力もあるし、おじいちゃんは大丈夫だろうからいいんだけど、残念ながら現代の電子機器は空間に干渉する際の磁場で壊れちゃったみたいなんだよねー。つながんなくなっちゃった」


大丈夫


話についていけなさすぎて、何が大丈夫か分からないけれど当人が大丈夫と楽観視してる以上、相当大丈夫そうなんだろうきっと、うん


良かった、重い空気にならなくて



「その石の力で祖父の場所探すとか、出来ないの?」


そのハイパーおじいさんと合流してどうにかしてもらう、くらいしか浮かばない


「7つ集めると願いが叶う玉探す探知機みたいだねそれ」


けたけたと笑う


笑うとこじゃなくて真剣に言ったんだけどなー


「やり方が分かんないし、逃げてる最中車の中でそれっぽく試したけど無反応。出来ないか、力が必要なくらいの事なのか、おじいちゃんの石が壊れたか、こっちからは無理だねー。おじいちゃんからなら出来るかもしんないけど」



空間移動とか難しい非現実的な考え方は止めて、ゲームで仲間を守るために残して敵事その場から離脱すると置き換えて考えると、、、まあ近いわけないよな、めっちゃ遠くに行くよな


なんにしても、直ぐにどうこうは無理か


これを口にすると、意味合い的に、自分も当事者になってしまう


けれど、分かんないなりに今すぐ何かどう出来る方法はない以上口にするしかない


「とりあえず、それじゃあ今からどうする?対策を考えないと」


対策の前に、仕事どうしよう




「とりあえずあたしはおうちには帰れないわけだし、おにーさんちを基地にして本格的な作戦会議だね!」



しれっと、とりあえずの流れであっさり更に巻き込まれた




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