巨乳嫌いな俺には腐れ縁の幼馴染の巨乳がいる。

御峰。

毎朝巨乳を押し付けられる苦しみを分かりますか?

 ――――おっぱいには夢が詰まっている。


 子供の頃、俺はそう信じていた。


 しかし、現実は残酷だった。


 そこにあったのは――――。






「ただの脂肪だぁああああ!!!」






 ◇




 俺は入江いりえ日向ひなた


 ぴちぴちの男子高校二年生だ。


 俺には一つ悩みがある。


 それは、何故よの中の男性は『貧乳』を愛さないかだ。


 高校生の分際で『乳』について語るな?


 違うな。


 俺は今まで多くの『乳』を見て来た。


 小さいモノや大きいモノ、普通のモノ。


 そのどれもが素晴らしい!


 そこには夢が詰まっているから!


 だが実際夢なんてなかった。


 そこにあったのは……。




「ひなた~!」


 今日も学校に向かう途中、待ち伏せしていた腐れ縁の幼馴染、遠藤えんどうあやが俺に向かって突撃してきた。


 そして、当たり前のように、俺の腕に絡みつく。


 ふんわりと香る甘い香りと、少し癖っ毛を一つにまとめてポニーテールにしていて可愛らしい見た目の彼女だが…………。


「あや! 当たってるってば!」


「えー、いいじゃん。ちょっとくらい」


「ちょっと所じゃねぇんだよ!」


 そう!


 なんせ……。


 こいつのおっぱいは――――めちゃめちゃデカいのだ!


 しかも、こいつ……わざとあの脂肪を押し付けてくる。


 これがある所為で、俺がどれだけ苦労しているかも知らずに…………はぁ。


 腐れ縁だから、嫌みを言っても全く取り合ってくれないのだ。




 学校に着いても尚、離してくれない。


 それがどういう事か――――


「ねえねえ、見て見て、あのカップル。また腕組んで登校してるよ」


「おいおい、あいつ、また非リア充に見せつけてんなー」


「今日もお熱いこと~」


 周りから、妬む声や馬鹿にする声が聞こえてくる。


 彩は昔から――――こんなに聞こえているはずなのに、聞こえてないらしい。


 そんな野次馬に恥ずかしさを感じながら、学校に入って行く。


 通り過ぎる先生からも嫌みを言われる。


 これの所為で、何かある度に「ひなたはあれだから駄目だよ」とか「あの巨乳好きめ」とか言われる始末だ。


 そんな現状に一つだけ、断言・・しておく。


 俺は――――――











「俺は貧乳が好きなんだよぉおおおお!!!!」

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